国家環境保護「十一五」計画

(一)環境情勢

(一)「十五」期間に環境保護事業で収めた進展

 党中央、国務院は環境保護を高度に重視し、環境の質的改善を、科学的発展観を定着させ、社会主義の調和の取れた社会を構築する重要項目にし、環境保護をマクロ経済調整の重要な手段として、一連の重要な政策・措置を講じた。各地区、各関係当局が絶えず環境保護事業に力を入れ、一部の高消耗、高汚染の時代遅れの生産力を排除し、汚染処理と都市環境基盤施設の整備を加速し、重点地区、流域と都市の環境整備を絶えず推進したことで、生態保護と整備は強化された。気候の変動に対応する一連の対策・措置を講じ、市場化メカニズムが環境保護分野に導入され始め、全社会の環境保護への投資は「九五」期間に比べ倍増し、GDPに占める比率は初めて1%を超えた。環境管理能力はやや向上し、環境の法執行能力もやや強化された。全社会の環境への意識と人民大衆の参与度は著しく高まり、わが国の環境保護の規律性に対する認識も絶えず深まった。経済が急速に発展し、重化学工業が急成長する状況の下で、一部の主要汚染物の総排出量はやや減少し、環境汚染と生態破壊の悪化傾向は緩和され、一部の地区・都市では環境の質がやや改善され、原子力と放射の安全も保証された。

(二)依然として厳しい環境情勢

 わが国の環境保護はかなり進展したが、環境情勢は依然として厳しい。「十五」の環境保護計画指標はすべて実現されたわけではなく、二酸化硫黄排出量は2000年比で27.8%増加し、化学的酸素要求量は2.1%しか減少しておらず、10%削減の抑制目標は達成されなかった。淮河、海河、遼河、太湖、巢湖、滇池(以下、「三河三湖」と略称)等の重点流域と地域の整備任務は計画目標の約60%しか達成していない。主要汚染物の排出量は環境容量をはるかに上回り、環境汚染は深刻である。国家制御(国が重点的に監視・制御する)の地表水断面は全国で26%が環境V類基準より劣っており、62%がIII類基準に達していない。都市を流れる河川では90%の区間が程度の差こそあれ汚染されており、湖の70%が富栄養化している。重点都市の30%で飲料用水源地の水質はIII類基準以下である。区設置都市の46%で大気の質は二級基準に達しておらず、一部の大・中都市では黄砂日数がやや増加し、酸性雨の汚染度も軽減されていない。

 全国で水による浸食面積は161万平方キロ、砂漠化した土地は174万平方キロであり、天然草原の90%以上が退化している。多くの河川で水生態機能のバランスが著しく崩れている。生物多様性は保全されておらず、外来種の侵入による経済損失が深刻である。一部の重要な生態機能区で生態機能が退化している。農村の環境問題は際立っており、土壌の汚染が日増しに深刻になっている。有害廃棄物、自動車の排ガス、残留性有機汚染物質等による汚染が増大し続けている。気候変動への対応情勢は厳しく、任務は困難を極めている。先進国に数百年にわたる工業化の過程で段階的に生じた環境問題は、わが国にもすでに集中的に現れている。わが国はすでに汚染事故が多発する時代、矛盾が突出した時代を迎えている。

「十五」期間に極力解決すべき一部の深層的な環境問題は、突破口を開くほどには進展しなかった。産業構造が非合理的で、経済成長方式が粗放であるとの状況は根本的に改まっておらず、環境保護が経済より遅れている局面は打開されておらず、体制に円滑さが欠ける、メカニズムが活性化に欠ける、資金投入が不足している、能力が脆弱であるといった問題が依然として突出しており、法があってもそれに依拠しない、法に違反しても追及するのは難しい、法の執行が厳格でない、監視・管理能力が不足しているといった状況が比較的広く見られる。

「十一五」期間、わが国の人口は膨大な基数の上にさらに4%増加し、都市化のプロセスが加速し、経済総量は40%以上増大し、経済社会の発展と資源環境を制約する矛盾はさらに突出し、国際的な環境保護への圧力も増大し、環境保護は一段と厳しい挑戦に直面するだろう。

小欄1 「十五」環境保護計画主要指標の達成状況

番号

名称

2000

2005

計画目標

2005

十五

増減状況

1

二酸化硫黄排出量(万トン)

1995

1800

2549

27.8%

そのうち、2制御地域内の排出量

1316

1053

1354

2.9%

2

煙塵排出量(万トン)

1165

1100

1183

1.5%

3

工業粉塵排出量(万トン)

1092

900

911

-16.6%

4

化学的酸素要求量排出量(万トン)

1445

1300

1414

-2.1%

5

工業固体廃棄物排出量(万トン)

3186

2900

1655

-48.1%

6

工業用水再生利用率(%

/

60

75

/

7

工業二酸化硫黄排出量(万トン)

1613

1450

2168

34.5%

8

工業煙塵排出量(万トン)

953

850

949

-0.5%

9

工業化学的酸素要求量排出量(万トン)

705

650

555

-21.3%

10

工業固体廃棄物総合利用率(%

51.8

50

56.1

4.3ポイント

11

区設置都市の大気の質の国家二級基準達成比率(%

36.5

50

54

17.5ポイント

12

都市汚水処理率%

34.3

45(生活)

52.0

17.7ポイント

13

都市建設地区の緑化カバー率(%

28.1

35

33

4.9ポイント

14

自然保護区面積の国土面積に占める比率(%

9.9

13

15

5.1ポイント

(三)新たな段階を迎えた環境保護事業

党中央、国務院は環境保護をより重要な戦略的位置に据え、科学的発展観を定着させ、社会主義の調和の取れた社会を構築することで、環境保護事業の確実な実施を根本的に保証しており、環境保護はかつてない好機に恵まれている。経済成長方式の転換と経済構造の調整の歩みが加速することは、構造的、地域的な環境汚染と生態破壊を解決する上で基礎的な役割を果たすだろう。総合国力の増強は、環境保護にとってより有力な物質・技術的な支柱となる。経済体制と行政管理体制改革が進展することで、環境保護体制とメカニズムを刷新する上で有利な条件が整う。広範な大衆の環境への意識が幅広く向上することは、環境保護にとって強大な動力となる。わが国の環境と発展の関係には今、重大な変化が生じており、環境保護は近代化建設の一つの重要な任務となり、環境容量は地域の配置で重要な拠り所となり、環境管理は構造調整の重要な手段となり、環境基準は市場参入の重要な条件となり、環境コストは価格形成メカニズムの重要な要素となっている。こした重大な変化は、わが国の環境保護事業が環境を保護することで経済成長を最適化する、という新たな段階を迎え、挑戦と好機が同時に存在し、困難と希望が併存していることを示すものである。