1984年5月11日第6期全国人民代表大会常務委員会第5回会議で可決
1996年5月15日第8期全国人民代表大会常務委員会第19回会議の『「中華人民共和国水汚染防止法」改正に関する決定』にて改正
第1章 総則
第1条 水質汚染を防止し、環境の保護と改善を行うことで、人体の健康を保障し、水資源の有効利用を保証し、社会主義現代化建設の発展を促すために、特に本法を制定した。
第2条 本法は中華人民共和国領域内の河川、湖沼、運河、水路、ダムなどの地表水、および地下水の汚染防止に適用するものである。
海洋汚染防止は別の法律によるものとし、本法は適用しない。
第3条 国務院の各関係部門と地方の各級人民政府は、水環境保護事業を計画に入れ、水質汚染防止のための対策と措置をとらなければならない。
第4条 各級人民政府の環境保護部門は、水汚染防止対策を実施する統一監督・管理機関である。
各級交通部門の船舶行政部門は、船舶による汚染の監督・管理機関である。
各級人民政府の水利管理部門、衛生行政部門、地質鉱産部門、市政管理部門、主要河川の水源保護機構は、それぞれの職責を踏まえて環境保護部門と協力し、水質汚染防止策の監督・管理を行う。
第5条 あらゆる団体と個人はすべて水環境を保護する責任があり、同時に水環境を汚染し損害を与える行為に対して監督し告発する権利を有する。
水質汚染によって直接損害を被った団体と個人は、加害者に対して汚染による危害を排除し、損害賠償を要求する権利を有する。
第2章 水環境質基準と汚染物質排出基準の制定
第6条 国務院の環境部門が国家水環境質基準を制定するものとする。
省、自治区、直轄市の人民政府は国家水環境質基準に定められていない項目について、地方追加基準を定めることができ、この場合は、国務院の環境保護部門に報告し記録にとどめなければならない。
第7条 国務院の環境保護部門は、国家水環境質基準と国家経済、技術条件に基づき国家汚染物質排出基準を定める。
省、自治区、直轄市の人民政府は、国家水質汚染物質排出基準に定められていない項目について、地方水質汚染排出基準を制定することができる。国家水質汚染物質排出基準にすでに定められている項目については、この国家基準よりも厳しい地方水質汚染物質排出基準を制定することができる。地方水質汚染物質排出基準は、国務院の環境保護部門に報告し記録にとどめなければならない。
すでに地方汚染物質排出基準が定められている水域に汚染物質を排出する場合は、地方汚染物質排出基準を適用するものとする。
第8条 国務院の環境保護部門と省、自治区、直轄市の人民政府は、水質汚染防止への要求と国家経済、技術条件に基づき、適時、水環境質基準と汚染物質排出基準を改定しなければならない。
第3章 水質汚染防止の監督・管理
第9条 国務院の関係部門と地方の各級人民政府は、水資源の開発と利用、調節を行うに当たり、統一して計画し各方面に配慮しながら、河川の合理的な流量と、湖やダム、地下水の合理的な水位を守り、水が持つ自然浄化能力を保つようにしなければならない。
第10条 水質汚染防止は流域または区域に基づき統一的に計画を立てなければならない。国が定めた主要河川の流域汚染防止計画は、国務院の環境保護部門が計画主管部門、水利管理部門などの関係当局および関係する省、自治区、直轄市の人民政府とともに策定し、国務院の承認を受けるものとする。
その他複数の省や県を流れる河川の流域汚染防止計画は、国が定めた主要河川の流域汚染防止計画と現地の実状に基づき、省級以上の人民政府の環境保護部門が水利管理部門などの関係当局および関係する地方人民政府とともに策定し、国務院または省級の人民政府の承認を受けるものとする。
その他の河川の流域汚染防止計画は、当該省の人民政府が国務院に報告し記録にとどめるものとする。
承認された水質汚染防止計画は水質汚染防止の依拠となるものであり、計画の修正は元の計画を承認した機関の認可を受けねばならない。
県級以上の人民政府は、法にのっとって承認した河川流域汚染防止計画に基づき、当該行政区域の国民経済と社会発展の中長期計画および年度計画を策定する。
第11条 国務院の関係部門と地方の各級人民政府は、合理的な工業立地計画を立てねばならず、汚染源となっている企業に対しては再配置と技術改善を進める。総合的な防止対策をとり、水の再利用率を高め、水資源の合理的に利用するとともに、廃水と汚染物質の排出量を減少させねばならない。
第12条 県級以上の人民政府は、生活飲料水と景勝地、重要な漁業用水の各水、およびその他特別に経済・文化価値のある水などについて、保護区を設けるとともに措置をとり、保護区内の水質が規定の水質基準を保てるようにすることができる。
第13条 新設、増設、改築することで直接、あるいは間接的に水に汚染物質を排出する建設プロジェクトおよびその他の水上施設は、国の建設プロジェクト環境保護管理に関する規定を守らなければならない。
建設プロジェクトの環境影響報告書には、当該プロジェクトによって生じる恐れのある水質汚染と生態環境への影響を評価し、防止策を定め、規定の手続きに従って関係部門の審査と認可を受けなればならない。運河、水路、ダムなどの水利工事に伴う排水口の設置については、関係する水利工事管理部門の許可を得なければならない。
建設プロジェクトに含まれる水質汚染防止施設は、主体工事と同時に設計、施工、使用を開始しなければならない。水質汚染防止施設は環境保護部門の検査を受けねばならず、規定の要求を満たしていない場合は、当該建設物の生産あるいは使用を認めない。
環境影響報告書には、当該建設プロジェクトの所在地にある組織と住民の意見を記載しなければならない。
第14条 水域に汚染物質を直接あるいは間接的に排出している企業は、国務院の環境保護部門の規定に基づき、所在地の環境保護当局に既存の汚染物質排出施設と処理施設、通常の操業条件における汚染物質の種類、量、濃度を登録し、水質汚染防止に関する技術資料を提出しなければならない。
前項で規定した汚染物質の種類、量、濃度に大幅な変更があった場合は、直ちに報告しなければならない。汚染物質処理施設は正常に使用しなければならず、撤去、または使用を中止する場合は、事前に所在地の県級以上人民政府の環境保護部門に報告し許可を得なければならない。
第15条 企業が水源に汚染物質を排出している場合は、国の規定に従い汚染物質排出費を納めなければならない。国あるいは地方政府が定めた汚染物質排出基準を超える場合は、国の規定に従い基準超過汚染物質排出費を納付しなければならない。
汚染物質排出費と基準超過汚染物質排出費は汚染防止に利用しなければならず、他への流用は認めない。
汚染物質の排出量が基準を超えた企業は計画を立て、汚染処理をするとともに、処理計画を所在地の県級以上の人民政府環境保護部門に報告しなければならない。
第16条 省級以上の人民政府は、汚染物質の排出基準を達成したものの、国が規定した水環境質基準を満たしていない水源について、重点汚染物質排出総量規制制度を実施するとともに、汚染削減を課せられた企業に対し重点汚染物質排出量査定制度を実施することができる。具体的な方法は国務院が定めるものとする。
第17条 国務院の環境保護部門は、国務院の水利管理部門と関連の省級人民政府とともに、国が定めた主要河川流域水の効用および関係地区の経済、技術条件に基づき、省境にある主要河川の水に適用する水環境質基準を定めることができるが、国務院の承認を受けた後に施行するものとする。
第18条 国が定めた主要河川の水資源保護活動機構は、その所在地流域の省境の水質を観察し、その結果を直ちに国務院の環境保護部門と同水利管理部門に報告する責任を負う。国務院の承認を得て設置された流域水資源保護指導機構は、観察結果を直ちに流域水資源保護指導機構に報告しなければならない。
第19条 都市廃水は集中処理を施さなければならない。
国務院の関連部門と地方の各級人民政府は、都市の水源保護と都市の水質汚染防止を都市建設計画に含め、都市下水網の建設と整備を行い、計画的に都市排水集中処理施設を建設し、都市の水環境の総合整備を強化しなければならない。
都市排水集中処理施設は、国の規定に従い汚染物質の排出者に対して有償で汚水処理サービスを提供するものであり、汚水処理費を徴収することで汚水集中処理施設の正常な稼働を保証する。都市排水集中処理施設に汚水を排出し、汚水処理費を納めている場合は、汚水排出費を納入する必要はない。徴収した汚水処理費は、都市排水集中処理施設の建設と運営に用いるものとし、他の用途への流用は認めない。
都市排水集中処理施設の汚水処理費の徴収方法と管理、使途の具体的内容は、国務院が定める。
第20条 省級以上の人民政府は、生活飲料水地表水源保護区を法にのっとって定めることができる。生活飲料水地表水源保護区は、1級保護区とその他の等級の保護区に分けられる。生活飲料水地表水源の取水口付近では、一定の水域と陸地を1級保護区とすることができる。生活飲料水地表水源1級保護区のほかに、一定の水域と陸地をその他の等級の保護区とすることができる。各級の保護区には、明確な境界線を設けなければならない。
生活飲料水地表水源1級保護区の水に汚水を排出することを禁じる。
生活飲料水地表水源1級保護区内での観光、遊泳、その他水質汚染を生じる恐れのある行為を禁じる。
生活飲料水地表水源1級保護区内への新設、増設、給水施設や水源保護と無関係な施設の建設を禁じる。
生活飲料水地表水源1級保護区内にすでに設置された汚水排水口は、県級以上の人民政府が国務院に従い、定められた権限をもって期限内に撤去、または整備することを命じることとする。
生活飲料水の地下水源については保護を強化しなければならない。
生活飲料水の水源保護の具体策は国務院が定める。
第21条 生活飲料水の水源が著しく汚染され、供給上の安全が脅かされるなど緊急事態が生じた場合、環境保護部門は同級の人民政府の承認を受けた上で、関係企業に汚染物質の排出量の減少、あるいは排出停止を命じるなど、強制力のある緊急対策をとらねばならない。
第22条 企業は原材料の利用率が高く、汚染物質排出量の少ないクリーナープロダクション技術を採用するとともに、管理を強化し水質汚染物質の産出量を減少させなければならない。
国は水環境を著しく汚染している古い技術と設備に対し、制度的に淘汰させる。
国務院の経済総合主管部門は国務院の関連部門とともに、著しく水環境を汚染している技術の期限付き使用禁止リストと、同設備の生産および販売、輸入、使用の各禁止リストを公表する。
生産者、販売者、輸入者、使用者は、国務院経済総合主管部門と国務院の関連部門が定めた期限内に、前項で規定したリスト内の設備についてそれぞれ生産、販売、輸入、使用を停止しなければならない。生産技術の利用者は、国務院経済総合主管部門と国務院の関連部門が定めた期限内に、前項で規定したリスト内の技術の使用を停止しなければならない。
前2項により規定した淘汰すべき設備は、他人に譲渡し使用させてはならない。
第23条 国は、水質汚染防止措置をとっていない小型化学パルプ製造、染色、染料、製革、電気メッキ、精油、農薬およびその他深刻な水質汚染をもたらす工場の新設を禁じる。
第24条 深刻な水質汚染を引き起こした企業は、期限内に汚染を処理しなければならない。
中央または省、自治区、直轄市の人民政府が直轄する企業の期限付き汚染処理については、省、自治区、直轄市の人民政府の環境保護部門が意見を出し、同級の人民政府に報告し決定することとする。市、県、あるいは県以下の人民政府が管轄する企業の期限付き汚染処理については、市、県の人民政府の環境保護部門が意見を出し、同級の人民政府に報告し決定することとする。汚染物質を排出している企業は期限内に処理を終えねばならない。
第25条 各級人民政府の環境保護部門および関係の監督・管理部門は、汚染物質を排出している管轄区域内の組織に対して立入検査を行う権限を有する。検査を受ける組織は、正確に状況説明を行い、必要な資料を提出しなければならない。検査機関は、検査を行った事業組織の技術上、業務上の秘密を守らなければならない。
第26条 複数の行政区域に係る水質汚染の紛糾は、関係する地方人民政府が協議の上解決する、または共通の上級人民政府により解決を図るものとする。
第4章 地表水の汚染防止
第27条 生活飲料用、景勝地、重要な漁業用の各水とその他特別に経済・文化価値のある水源保護区内には、新たに汚染物質排出口を設置してはならない。保護区の近くに排出口を新設する場合は、保護区内の水が汚染されないことを保証しなければならない。
本法の公布前に設置された排出口については、汚染物質の排出量が国あるいは地方の排出基準基準を超える場合、改善措置をとらなければならない。飲料用の水源に影響を与えている排出口は、排出口を移動させなければならない。
第28条 汚染物質を排出している組織が事故、またはその他突発的な事態を引き起こし、汚染物質の排出量が通常の量を超え、水質汚染事故を招いた、または招く恐れがある場合は、直ちに緊急措置をとり、被害が及ぶ、または損害を被る恐れのある組織に通報するとともに、現地の環境保護当局に報告しなければならない。船舶による汚染事故は、近くの運航行政機関に報告し、調査と処分を受けなければならない。
漁業による汚染事故を起こした場合は、漁業監督・管理機構の調査と処分を受けなければならない。
第29条 水域への油類、酸液、アルカリ液または劇毒廃液の排出を禁じる。
第30条 油類または有毒物質、および汚染物質を充填したことのある車両と容器の水域での洗浄を禁じる。
第31条 水銀、カドミウム、ヒ素、クロム、鉛、シアン化合物、黄リンなどの可溶性劇毒廃棄物を、水域に排出、投棄、または直接地中に埋めることを禁じる。
可溶性劇毒廃棄物の保管場所には、防水、漏出防止、流失防止の措置をとらなければならない。
第32条 水域への工業廃棄物、都市ごみ、その他廃棄物の投棄、および排出を禁じる。
第33条 河川、湖沼、運河、水路、ダムなどの高水位線以下の川辺、岸辺への固形廃棄物とその他汚染物質の堆積、貯蔵を禁じる。
第34条 水域に放射性固形廃棄物、または高放射性あるいは中放射性物質を含む廃水の排出、投棄を禁じる。
水域に低放射性物質を含む廃水を排出する場合は、国の放射能防護関連の規定と基準を守らなければならない。
第35条 水域に高熱の廃水を排出する場合は、しかるべき処理をして水温を水環境質基準に合致させ、熱による汚染を防止しなければならない。
第36条 病原体を含む汚水は、消毒処理を行い、国の関連基準を満たしてから排出しなければならない。
第37条 農業用水路に工場廃水と都市排水を排出する場合は、下流の最も近くにある灌漑取水地の水質が農業用水水質基準に合致しなければならない。
工場廃水と都市排水を灌漑水として利用する場合は、土壌や地下水、農産物の汚染を防がなくてはならない。
第38条 農薬を使用する場合は、国の農薬安全使用に関する規定と基準を守らなければならない。
農薬の運搬と貯蔵、および有効期間を過ぎた農薬の処分は、管理を強化し水質汚染の発生を防止しなければならない。
第39条 県級以上の地方の人民政府農業管理部門とその他関連部門は、しかるべき措置をとり、農民に対し化学肥料と農薬の科学的で合理的な使用法と、これらの過度な利用を控え水質汚染を防止するよう指導しなければならない。
第40条 船舶から油を含む汚水や生活排水を排出する場合は、船舶汚染物質排出基準を守らなければならない。海運に従事する船舶が河川と港湾に入る場合は、河川の船舶汚染物質排出基準を守らなければならない。
船舶の残油や廃油は必ず回収するものとし、水域への排出を禁じる。
水域への船舶ごみの投棄を禁じる。
船舶で油あるいは有毒品を運搬する場合は、水域への漏出と滲漏の防止措置をとるとともに、貨物の落下による水質汚染を防止しなければならない。
第5章 地下水の汚染防止
第41条 企業が井戸や穴、亀裂、鍾乳洞を利用して有毒汚染物質を含む廃水と病原体を含む汚水、その他の廃棄物を投棄することを禁じる。
第42条 適切な不透水層がない場合に、企業が漏水防止措置を施していない用水路や穴、池などを利用して、有毒汚染物質を含む廃水と病原体を含む汚水、その他の廃棄物を輸送したり、貯蔵したりすることを禁じる。
第43条 複数の層から地下水を汲み上げる場合、各層の水質に大きな差があるときは各層ごとに揚水しなければならない。すでに汚染された比較的浅い部分の地下水と被圧地下水を混合して揚水してはならない。
第44条 地下工事、ボーリング探査、採鉱などは、保護措置をとり地下水の汚染を防止しなければならない。
第45条 地下水の人工涵養を行う時には、地下水の水質を悪化させてはならない。
第6章 法的責任
第46条 本法の規定に違反して次の行為があった場合には、環境保護部門あるいは交通部門の航運行政機関は、それぞれの状況に応じて警告または罰金を科することができる。
(1) 国務院の環境保護部門が規定した汚染物質排出に関する登録事項を拒否した、あるいは虚偽の報告を行った。
(2) 環境保護部門あるいは関係監督・管理部門の現場検査を拒否した、あるいは虚偽の申し立てをした。
(3) 本法第4章、第5章の関係規定に違反し、汚染物や廃棄物を貯蔵、堆積、遺棄、投棄、排出した。
(4) 国が規定した汚染物質排出費、または基準超過汚染物質排出費を納入しなかった。
罰金の方法と金額については、本法の実施細則により規定する。
第47条 本法第13条第3項の規定に違反し、建設プロジェクトに水質汚染防止のための施設ができていない、あるいは国が規定した要求を満たしていないにもかかわらず、生産もしくは使用を開始した場合は、当該建設プロジェクトの環境影響報告書を承認した環境保護部門が生産あるいは使用の中止を命じるとともに、罰金を科するものとする。
第48条 本法第14条第2項の規定に違反し、汚染物質を排出している組織が故意に水質汚染防止処理施設について通常の使用方法をとらず、あるいは環境保護部門の認可を得ずに、無断で水質汚染処理施設を撤去または放置し、汚染物質の排出量が規定値を超えた場合は、県級以上の人民政府環境保護部門が通常の使用方法をとらせる、または改めて設置させるとともに、罰金を科するものとする。
第49条 本法第20条第4項の規定に違反し、生活飲料水地表水源1級保護区内での新設、増設、給水施設や水源保護と無関係な施設の建設を行った場合、県級以上の人民政府が国務院規定の権限に基づき、中止や閉鎖を命じるものとする。
第50条 本法第22条の規定に違反し、生産、販売、輸入、使用が禁止されている設備を生産、販売、輸入、使用した、あるいは使用が禁止されている技術を使用した場合、県級以上の人民政府経済総合主管部門が改正を命じる。状況が深刻な場合は、県級以上の人民政府経済総合主管部門が意見を提出し、同級の人民政府が国務院規定の権限に基づき、中止や閉鎖を命じるものとする。
第51条 本法第23条の規定に違反し、水質汚染防止措置をとっていない小型企業を設立し、深刻な水質汚染を招いた場合は、所在地の市、県の人民政府、または上級の人民政府が閉鎖を命じるものとする。
第52条 深刻な水質汚染を引き起こした企業が、期限内に汚染処理を完了しない場合、規定に従い2倍以上の基準超過汚染物質排出費を徴収するほか、当該企業がもたらした被害と損害に基づき罰金を科する、または操業停止か閉鎖を命じるものとする。
罰金は環境保護部門が決定する。企業の操業停止または閉鎖の命令は、期限付き改善命令を下した地方の人民政府が決定する。中央政府の直轄企業に対する操業停止または閉鎖の命令は、国務院の認可を必要とする。
第53条 本法の規定に違反し、水質汚染事故を起こした企業に対しては、事故発生地の県級以上の人民政府環境保護部門が被害と損害に基づき罰金を科する。
漁業による汚染事故、または船舶による水質汚染事故は、それぞれ事故発生地の漁業監督・管理機構または交通部門の運航行政機関が被害と損害に基づき罰金を科する。
情況が比較的重大な水質汚染事故は、関係責任者に対して所属組織または上級の主管機関から行政処分を下す。
第54条 当事者が行政処分の内容を不服とする時は、通知を受けた日から15日以内に、人民法院に訴えを提起することができる。期間内に提訴せず、また履行もしない場合には、処罰を決定した機関が人民法院に強制執行を申し立てることとする。
第55条 水質汚染を起こし被害を与えた組織は、被害を解消する責任を持つと同時に、損害を受けた組織または個人に損害を賠償しなければならない。
賠償責任と賠償金額をめぐる紛争は、当事者の要請に基づき、環境保護部門または交通部門の運航行政機関が処理できるものとする。当事者が処理の決定内容を不服とする場合は、人民法院に提訴することができる。当事者も人民法院に直接訴えを提起することができる。
水質汚染による損害が第三者の故意あるいは過失によって引き起こされた場合は、第三者が責任を負わなければならない。
水質汚染による損害が被害者自身の責任によって生じた場合は、汚染物質を排出した組織は責任を負わない。
第56条 完全に不可抗力による自然災害で、かつ直ちに合理的な対策を講じてもなお水質汚染による損害を回避できない場合は、その責任を免除する。
第57条 本法の規定に違反し、重大な水質汚染事故を起こし、公共と個人の財産に多大な損害を与えたり、死傷者を出すなど深刻な結果を招いたりした場合は、刑法第115条あるいは第187条の規定に基づき関係責任者に対して刑事責任を追及する。
第58条 環境保護監督・管理者とその他関連の国家公務員が職権乱用、職務怠慢、私的行為などを行った場合は、所属組織または上級の主管機関が行政処分を下すものとする。犯罪をはたらいた場合は、刑事責任を追及する。
第7章 附則
第59条 個人経営者が汚染物質を水域に排出し、汚染が深刻な場合は、省、自治区、直轄市の人民代表大会常務委員会が本法で定めた原則を参考に管理弁法を制定することとする。
第60条 本法の次の用語の意味は以下の通りである。
(1) 「水質汚染」とは、水にある種の物質が混入し、その化学、物理、生物、または放射性などの特性に変化が生じた結果、水の有効利用が影響を受け、人体の健康に危害が加えられたり、生態環境が破壊されたりするなど、水質悪化による現象を引き起こすことである。
(2) 「汚染物質」とは、水質汚染を引き起こす物質を指す。
(3) 「有毒汚染物質」とは、直接または間接的に生物の体内に吸収された後、当該生物またはその後代に発病、行動異常、遺伝変異、生理機能の異常、奇形、死亡を引き起こす汚染物質を指す。
(4) 「油類」とは、あらゆる類型の油とその精製品を指す。
(5) 「漁業用水」とは、区画された魚・エビ類の産卵場、索餌場、越冬のための水域、回遊地や通り道、魚・エビ・貝・海藻類の養殖場を指す。
第61条 国務院の環境保護部門は本法の規定に基づき実施細則を制定し、国務院の承認を受けた後に施行するものとする。
第62条 本法は1984年11月1日より施行する。 |