「石炭燃焼二酸化硫黄汚染排出防止技術政策 」の発布に関する通知

国家環境保護総局文書

環発[2002]26号

各省・自治区・直轄市の環境保護局(庁)・経済貿易委員会(経済委員会)・科学技術委員会(科学技術庁):

 

 

『中華人民共和国大気汚染防止法』を貫徹し、石炭燃焼によってもたらす二酸化硫黄汚染を制御し、生態系環境を保護し、国民の健康を保障すると共に、大気汚染防止活動を指導するため、ここに『石炭燃焼二酸化硫黄汚染排出防止技術政策』の発布を認可する。遵守執行を要望する。

付属文書:石炭燃焼二酸化硫黄汚染排出防止技術政策

二〇〇二年一月三十日

付属文書:

石炭燃焼二酸化硫黄汚染排出防止技術政策

1. 総則

1.1 中国では当面、石炭燃焼による二酸化硫黄の排出量が二酸化硫黄排出総量の90%以上を占めている。エネルギーの合理的利用、経済構造の調整、産業のグレードアップなどを推進し、石炭の燃焼によってもたらす二酸化硫黄の大量排出を制御し、酸性沈下汚染の悪化趨勢を規制し、都市空気汚染を防止するため、『中華人民共和国大気汚染防止法』および『国民経済および社会発展の第十次五ヵ年計画要綱』の関連要求に基づき、また関連の法規・政策・基準と結び付けて、当技術政策を策定する。

1.2 当技術政策は、2000年を基礎として2005年までに全国の二酸化硫黄排出量を10%削減し、『二つの規制地域』(両控区)の二酸化硫黄排出量を20%削減し、都市環境の大気質を改善する目標を実現するために、技術サポートと技術情報を提供することにある。

1.3 当技術政策は、石炭採掘・石炭加工・石炭燃焼・排煙脱硫など施設の建設、および関連技術装備の開発応用に適用する。また、企業建設および政府主管部門管理の技術的根拠に適用する。

 1.4 当技術政策が制御する主な汚染源は、石炭を燃焼する発電所ボイラー・工業ボイラー・キルン、および環境汚染に顕著な影響を及ぼす他の石炭燃焼施設である。また、制御する主な重点区域は、『両控区』それに『両控区』の酸性雨発生に顕著な影響を及ぼす周辺の省・市・地区である。

 1.5 当技術政策の原則は、省エネの推進、エネルギーの合理的使用、石炭品質の向上、高効率低汚染の燃焼、エンドオブパイプ技術などを結び付けた総合整備措置を採用し、技術的かつ経済的可能性に基づいて、二酸化硫黄排出汚染を厳格に制御し、二酸化硫黄の排出を減少することにある。

 1.6 当技術政策の技術路線は、発電所ボイラーや大型工業ボイラーおよびキルンで硫黄高含有炭を使用する際に排煙脱硫装置を配備すること、中型小型工業ボイラーやキルンでは良質の低硫黄炭やクリーンコールなど汚染の少ない燃料、あるいは他のクリーンエネルギーを優先的に使用すること、都市民用炉では電気やガスなどのクリーンエネルギーあるいは原炭に代替する硫黄固定炭の使用を奨励することである。

 2. エネルギーの合理的利用

 2.1 再生可能エネルギーとクリーンエネルギーの開発利用を奨励し、エネルギー構造を次第に改善し、適性化する。

 2.2 産業構造と製品構造の調整を通じて、後進的な製造工程と製品を逐次に淘汰すると共に、配置が不合理で汚染が厳しい小型企業を閉鎖あるいは改造する。また企業が、省エネ技術改造を実施し、先進的な選炭技術を採用し、エネルギー利用効率を向上することを奨励する。

 2.3 都市では、電力・ガスなどクリーンエネルギーの使用比率を次第に向上し、クリーンエネルギーを民用燃焼施設や中型小型燃焼施設に優先的に供給するようにする。

 2.4 都市部では、統一的に計画し、さまざまな方法によって熱供給源を解決し、地熱や電熱膜など採暖方式の開発を奨励する。都市の市街地では集中給熱および熱力需要に基づく発電等、コージェネレーション方式によって、熱力網区域内の分散した小型ボイラーを代替する。熱力網区域外および集中給熱区画外では、熱出力2.8MW以下の石炭燃焼ボイラーの新規建設を禁止する。

2.5 都市部の民用炊事かまどと湯沸し用かまど、および熱出力0.7MW以下の採暖炉では原炭燃焼を禁止し、電力・ガスなどクリーンエネルギーあるいは硫黄固定炭など汚染の少ない燃料の使用を提唱する。また、高効率のかまどを普及する。

2.6 石炭の電力への転化比率を次第に向上し、高効率の脱硫装置を配備した炭鉱隣接発電所の建設を奨励し、石炭輸送を電力送出に転換させる。

2.7 2003年までに、50MW以下(50MWを含む)の通常石炭燃焼発電ユニットの運行を基本的に停止する。2010年までに、環境保全の要求に適合しない100MW以下の石炭燃焼発電ユニット(総合利用の発電所を除く)を淘汰し、火力発電分野の石炭使用効率を向上する。

 3. 石炭の生産・加工・供給

 3.1 硫黄含有量3%以上の石炭層において、新しい炭鉱を建設することを禁止する。硫黄含有量3%以上の既有小型炭鉱を閉鎖する。硫黄含有量3%以上の既有大型炭鉱は、次第に生産量を削減させ、2005年までに効果的な硫黄削減措置を講じるようにさせる。あるいは、脱硫装置を配備した汚染物排出基準に適合するユーザーに石炭を供給させるようにする。それ以外の場合は、炭鉱を閉鎖させる。

 3.2 脱硫装置を配備した国の汚染物排出基準に適合するユーザーに石炭を供給する以外、新規建設の硫黄含有量1.5%以上の炭鉱は、石炭選炭施設を建設すべきである。硫黄含有量2%以上の既有炭鉱も、選炭施設を建設することとする。

 3.3 既有の石炭選炭企業は、選炭能力を十分に発揮して、一般炭の選炭率を増大させるべきである。

 3.4 既有の硫黄高含有炭選炭企業が技術改造を実施し、石炭選炭による硫黄排除率を増大することを奨励する。

 3.5 選炭企業が石炭の特性に基づいて、先進的な選炭の技術と設備を採用し、選炭による硫黄排除率を向上することを奨励する。

 3.6 石炭のガス化・液化を奨励し、先進的なガス化技術を都市部の民用ガス分野と工業ガス分野に応用することを奨励する。

 3.7 石炭供給は、県クラス以上人民政府の石炭硫黄含有量の要求に適合すべきである。硫黄固定剤添加などの措置を講じて二酸化硫黄の排出量を減少することを奨励する。

3.8 硫黄低含有炭と選炭された一般炭は、優先的に中小型の石炭燃焼施設に供給する。

 4. 石炭の燃焼

 4.1 国務院が画定した大気汚染防止重点都市の人民政府は、国家環境保護総局の『高度汚染燃料の区分に関する規定』に従って、高度汚染燃料の販売・使用を禁止する区域(以下は燃焼禁止区域と略称する)を画定し、当該区域内での高度汚染燃料の使用を停止し、天然ガス・液化石油ガス・電力あるいは他のクリーンエネルギーを使用すべきである。

4.2 電力や燃焼ガスが普及していない都市、および近隣地区の小型工業ボイラー・民用かまど・採暖炉などは、優先的に硫黄固定炭を採用し、原炭の燃焼を禁止することとする。

 4.3 民用石炭は、無煙炭を原料とした下点火式の硫黄固定炭穴あき練炭技術を普及すべきである。特殊な地区では褐炭を原料とした上点火式の硫黄固定炭穴あき練炭技術を普及することができる。

 4.4 都市および他の石炭流入地区の工業ボイラーは、石炭集中配合の前期成型技術あるいは石炭集中配合の集中成型技術の採用を奨励する。また、耐高温の硫黄固定剤によって硫黄固定の目的を達成すべきである。

 4.5 硫黄固定炭の燃焼過程で発生する点火遅延・燃焼強度減少・高温硫黄固定効率低下など問題の研究解決を奨励する。

 4.6 都市市街地の工業ボイラーの更新や改造は、高効率の火格子燃焼ボイラーを優先的に採用すべきである。また、熱出力7MW以上の場合には熱効率80%以上のボイラーを、熱出力7MW以下の場合には熱効率75%以上のボイラーを採用することとする。

 4.7 流動層ボイラーを使用する際は、石灰石などの硫黄固定剤を添加すべきである。添加剤の硫黄固定率は排出基準の要求に適合すべきである。

 4.8 ガス化技術に基づく燃焼ガス-蒸気混合循環発電などのクリーン石炭技術の研究開発を奨励する。

 5. 排煙脱硫

 5.1 発電所ボイラー

 5.1.1 硫黄高含有炭を燃焼させる発電所ボイラーは、排煙脱硫装置を配備して脱硫を実施すべきである。

 5.1.2 発電所ボイラー排煙脱硫装置採用の適用範囲:

1)新規建設・拡張建設・改造建設の石炭を燃焼する発電所は、建設と同時に排煙脱硫装置を設置して、基準適合の排出を実現すると共に、二酸化硫黄排出総量制御の要求に適合させるべきである。排煙脱硫装置は、主要設備の運行と同時に、生産に投入させるべきである。

 2)余剰寿命10年以上(設計寿命に従って計算)の既有火力発電ユニットが、二酸化硫黄排出基準に適合せず、排出総量制御要求に適合しない場合、排煙脱硫装置を補足建設し、二酸化硫黄基準適合の排出、および総量制御要求の排出に適合させるべきである。

 3)余剰寿命10年以下(設計寿命に従って計算)の既有火力発電ユニットが、二酸化硫黄排出基準に適合せず、排出総量規制基準に適合しない場合、硫黄低含有炭の採用による代替、あるいは他の二酸化硫黄排出量減少と同等の効果の措置を講じて、基準達成後の排出、および総量規制基準達成後の排出を実現すべきである。

 4)二酸化硫黄排出基準に適合せず、排出総量規制基準に適合しない、年限オーバーした火力発電ユニットは、淘汰すべきである。

 5.1.3 発電所ボイラー排煙脱硫の技術路線:

 1)硫黄含有量2%以上の石炭を燃焼するユニットに排煙脱硫装置を設置する際、あるいは大容量ユニット(200MW以上)の発電所ボイラーに排煙脱硫装置を設置する際、湿式石灰石-石膏法を優先的に採用し、90%以上の脱硫率を確保すると共に、発電所正常発電時間の95%以上の運行率を保障すべきである。

 2)硫黄含有量2%以下の石炭を燃焼する中小型発電所ボイラー(200MW以下)、あるいは余剰寿命10年以下の老朽ユニットに排煙脱硫装置を設置する際、基準達成後の排出を保証すると共に、二酸化硫黄排出総量基準を確保できる半乾式や乾式、あるいは他の低コストの成熟した技術を優先的に採用すべきである。また、75%以上の脱硫率を確保すると共に、発電所正常発電時間の95%以上の運行率を保障すべきである。

5.1.4 火力発電ユニットの煤じん排出は、二酸化硫黄や煤塵など汚染物に対する連続モニタリング装置を配備すると共に、環境保全行政主管部門の管理情報システムとネットワーク化すべきである。

5.1.5 国外の先進的排煙脱硫装置を導入すると共に、その設計・製造・運行の技術を掌握すべきである。各地区は、排煙脱硫モデルプロジェクトを積極的に支援すべきである。

5.1.6 国内の実力のある脱硫会社や脱硫サービス会社を育成・支援し、そのプロジェクト請負能力を増大し、脱硫プロジェクトの建設および脱硫設備の生産・供給を規範化すべきである。

 5.2 工業ボイラーとキルン

 5.2.1 中型小型石炭燃焼工業ボイラー(熱出力14MW以下)は、工業用石炭・硫黄低含有炭・クリーンコールの使用を提唱する。湿式除塵設備を配備している場合、湿式除塵脱硫一体化工程を優先的に採用することができる。

 1)硫黄中低含有炭を燃焼するボイラーは、ボイラー自体のアルカリ性廃水排出、あるいは企業自体のアルカリ性廃液排出の集じん脱硫工程を優先的に採用することができる。

 2)硫黄高含有炭を燃焼するボイラーは、ダブルアルカリ法を採用することができる。

 5.2.2 大型中型石炭燃焼工業ボイラー(熱出力14MW以上)は、具体的条件に基づいて硫黄低含有炭代替・循環流動層ボイラー改造(硫黄固定剤添加)・排煙脱硫技術などを採用すべきである。

 5.2.3 オープン式キルンは逐次に淘汰すべきである。キルンは、燃料変更・硫黄低含有炭代替・クリーンコールなどの技術、あるいは具体的条件に基づいて排煙脱硫技術を採用すべきである。

 5.2.4 大型中型の石炭燃焼工業ボイラーとキルンは、二酸化硫黄および煤塵のモニタリング装置を配備すべきである。

 5.3 排煙脱硫装置を採用する際の技術選択では下記の主要原則を考慮すべきである:

5.3.1 脱硫設備は寿命が15年以上。

 5.3.2 脱硫設備は主要パラメーター(pH値・液化比率・排出口二酸化硫黄濃度)を備えた自己制御装置。

 5.3.3 脱硫の生成物は安定化処理あるいは適正化処理を経て、二酸化硫黄の二次排出のリスクが皆無。

 5.3.4 脱硫の生成物と排出液は二次汚染が皆無、安全処置が可能。

 5.3.5 投資資金と運行費用が適切。

 5.3.6 脱硫設備は連続運行が可能、北方地区における冬季正常運行が可能。

 5.4 脱硫技術の研究開発

 5.4.1 現地の資源条件に適合し、硫黄資源回収可能な技術の研究開発を奨励。

 5.4.2 排煙の脱硫と脱窒素を同時に実施する技術の研究開発を奨励。

5.4.3 脱硫生成物の処理・処置・資源化の技術と装備の研究開発を奨励。

 6. 二次汚染の防止

 6.1 選炭企業は、石炭洗浄水のクローズドシステム化を実施すべきである。石炭洗浄水に対しては、二次濃縮や沈殿処理を実施して、循環利用すべきである。

 6.2 選炭企業は石炭洗浄後の硬炭を総合利用すべきである。硬炭は、ボイラーで集中的に燃焼させ、高効率の脱硫を実施し、硫化鉄などの有効成分を回収すべきである。また、廃棄する際には、土で被覆し、植ひで保護することとする。

 6.3 石炭を加工する際、有毒有害な助燃剤や硫黄固定剤の使用を禁止する。

 6.4 排煙脱硫装置の建設では、副産物の回収と利用を総合的に考慮し、廃棄物の産出量と排出量を減少すべきである。

 6.5 回収利用不可能な脱硫副産物は、やたらに放置することを禁止する。脱硫副産物は、安全を確保するため集中的に埋立て、相応の埋立場基準に適合させるべきである。

 6.6 排煙脱硫過程の脱硫液は、クローズドシステムを採用し、排出量を減少すべきである。脱硫副産物を濾過・凝集・脱水する過程で産出する排水も循環利用すべきである。

 6.7 排煙脱硫の廃液を海水あるいは他の水域に排出する場合、脱硫液を無害化処理し、相応の汚染制御基準の要求に適合させるべきである。重金属元素に対するモニタリングと制御を強化すべきであり、海域や水体の生態系環境に有害な影響を及ぼすことを禁止する。

 6.8 排煙脱硫後の排煙温度が低すぎて、周辺の環境に不利な影響を及ぼさないよう注意すべきである。

 6.9 排煙脱硫の副産物を化学肥料として利用する場合、その成分指標を国と業界の化学肥料等級基準に適合させ、農地の生態に有害な影響を及ぼさないよう注意すべきである。