中華人民共和国 水汚染防止法(2008年改正)

(1984年5月11日第6期全国人民代表大会常務委員会第5回会議で可決、1996年5月15日第8期全国人民代表大会常務委員会第19回会議『「中華人民共和国水汚染防止法」改正に関する決定』にて改正、2008年2月28日第10期全国人民代表大会常務委員会第32回会議で改正公布、2008年6月1日施行)

第1章 総 則


第1条 水汚染を防止し、環境の保護と改善を行い、飲料水の安全を保障し、経済と社会との全体が調和の取れた持続的発展を促進するために、本法を制定した。

第2条 本法は中華人民共和国領域内の河川、湖沼、運河、水路、ダムなどの地表水及び地下水の汚染防止に適用するものである。 海洋汚染防止は、「中華人民共和国海洋環境保護法」を適用する。

第3条 水汚染防止は、予防を主とし、予防と整備を結合し、総合的に整備するという原則を堅持し、飲料水の水源を優先的に保護し、産業汚染と都市部の生活汚染を厳格に規制し、農業の面源汚染を防止し、生態系整備プロジェクトの実施を積極的に推進して、水環境汚染及び生態系破壊を予防し、規制し、減少させる。

第4条 県レベル以上の人民政府は、水環境保護業務を国民経済及び社会発展計画に組み入れなければならない。
県レベル以上の地方人民政府は、水汚染防止の対策及び対策をとり、本行政区域の水環境質に責任を負わなければならない。

第5条 国は、水環境保護目標責任制と考査評価制度を実行し、水環境保護目標の達成状況を、地方人民政府及びその責任者の考査評価の内容とする。

第6条 国は、水汚染防止の科学技術研究・先進的な適用技術の普及と応用を奨励・支持し、水環境保護の宣伝教育を強化する。

第7条 国は財政転換支払などの方法を通じて、飲料水水源保護区のある地域や河川、湖沼、ダムの上流地域に対する健全な水環境生態保護補償メカニズムを設立する。

第8条 県レベル以上の人民政府環境保護主管部門は、水汚染防止に対して統一的な監督・管理を実施する。
交通主管部門の海事管理機構は、船舶の水域汚染の防止に対して監督・管理を実施する。
県レベル以上の人民政府における、水行政・国土資源・衛生・建設・農業・漁業などの部門及び重要河川・湖沼の流域水資源保護部門は、各自の職責の範囲内で、関連する水汚染防止に対して監督・管理を実施する。

第9条 水質汚染物質の排出は、国あるいは地方が規定する水質汚染物質排出基準と重点水質汚染物質排出総量規制基準を上回ってはならない。

第10条 あらゆる団体と個人は、すべて水環境を保護する義務があり、水環境を汚染し損害を与える行為に対して告発する権利がある。
県レベル以上の人民政府及び関連主管部門は、水汚染防止業務において著しい成績をあげた部門や個人を表彰し、奨励する。

第2章 水汚染防止の基準と計画

第11条 国務院の環境保護主管部門は、国家水環境品質基準を制定する。
省・自治区・直轄市の人民政府は、国家水環境品質基準において規定されていない項目について、地方の基準を制定することができる。この場合、国務院の環境保護主管部門に報告し、記録にとどめなければならない。

第12条 国務院の環境保護主管部門は、国務院の水行政主管部門と関連する省・自治区・直轄市の人民政府と共同で、国が決定した重要河川・湖沼流域の水域利用機能及び関連地域の経済・技術条件に基づき、該当する重要河川・湖沼流域の省内における水域に適用する水環境品質基準を策定することができ、国務院へ申請し承認を得た後に施行する。

第13条 国務院の環境保護主管部門は、国家水環境品質基準と国の経済・技術条件に基づき、国家水質汚染物質排出基準を制定する。
省・自治区・直轄市の人民政府は、国家水質汚染物質排出基準に規定されていない項目について、地方の水質汚染物質排出基準を制定することができる。国家水質汚染物質排出基準にすでに規定されている項目については、国家水質汚染物質排出基準よりも厳しい地方の水質汚染物質排出基準を制定することができる。地方の水質汚染物質排出基準は、国務院の環境保護主管部門に報告し、記録にとどめなければならない。
すでに地方の水質汚染物質排出基準がある水域に汚染物質を排出する場合、地方の水質汚染物質排出基準を適用しなければならない。

第14条 国務院の環境保護主管部門と省・自治区・直轄市の人民政府は、水汚染防止規定と国あるいは地方の経済・技術条件に基づき、水環境品質基準と水質汚染物質排出基準を適時改正しなければならない。

第15条 水汚染防止は、流域あるいは地域ごとに、統一された計画を策定しなくてはならない。国が決定した重要河川・湖沼の流域の水汚染防止計画は、国務院の環境保護主管部門が、国務院の経済総合マクロコントロール、水行政などの部門や関連する省・自治区・直轄市の人民政府と共に策定し、国務院へ申請し承認を得る。
前述の規定以外の省・自治区・直轄市をまたぐ河川・湖沼の流域水汚染防止計画は、国が決定する重要河川・湖沼の流域水汚染防止計画と現地の実情に基づき、関連する省・自治区・直轄市の人民政府環境保護主管部門が、同じレベルの水行政などの部門や関連する市・県の人民政府と共に策定し、関連する省・自治区・直轄市の人民政府の審査を経て、国務院へ申請し承認を得る。
省・自治区・直轄市内で県をまたぐ河川・湖沼の流域水汚染防止計画は、国が決定する重要河川・湖沼の流域水汚染防止計画と現地の実情に基づき、省・自治区・直轄市人民政府の環境保護主管部門が同級の水行政などの部門と共に策定し、省・自治区・直轄市の人民政府へ申請し承認を得て、国務院に報告し、記録にとどめる。
承認された水汚染防止計画は、水汚染防止の基本根拠となり、計画の改正は、元の計画を承認した機関の承認を得なければならない。
県レベル以上の地方人民政府は、法律により承認された河川・湖沼の流域水汚染防止計画に基づき、当該行政区域の水汚染防止計画を制定しなければならない。

第16条 国務院の関連部門と、県レベル以上の地方人民政府は、水資源を開発し、利用し、調整し、管理する場合、統一的に計画し、各方面に配慮し、河川の合理的な流量と湖・ダム及び地下水の合理的な水位を維持し、水域の生態機能を維持しなければならない。

第3章 水汚染防止の監督・管理

第17条 新設、改築、増設によって直接あるいは間接的に水域に汚染物質を排出する建設プロジェクトとその他の水上施設は、法律に基づき、環境影響評価を行わなければならない。
建設部門が、河川・湖沼に、汚染物質排出口を新設、改造、増設する場合、水行政主管部門あるいは流域管理機構の同意を得なければならない。通航、漁業水域に関連する場合、環境保護主管部門は、環境影響評価文書を審査許可する際に、交通、漁業主管部門の意見を求めなければならない。
建設プロジェクトの水汚染防止施設は、主体工事と同時に設計し、同時に施工し、同時に使用しなければならない。水汚染防止施設は、環境保護主管部門の検収を受けなければならず、検収不合格の場合当該建設プロジェクトは、生産あるいは使用の開始をしてはならない。

第18条 国は、重点水質汚染物質排出に対して総量規制制度を実施する。
省・自治区・直轄市の人民政府は、国務院の規定に基づき、当該行政区域の重点水質汚染物質排出総量を削減・規制して、重点水質汚染物質の排出総量規制指標を、市・県の人民政府に割り振って遂行させなければならない。市・県の人民政府は、当該行政区域内の重点水質汚染物質の排出総量規制指標に基づき、重点水質汚染物質の排出総量規制指標を汚染物質排出機関に割り振り、遂行させる。具体的な方法と実施手順は、国務院の規定による。
省・自治区・直轄市の人民政府は、該当行政区域の水環境品質状況と水汚染防止業務のニーズに基づき、該当行政区域で実施する重点水質汚染物質の総量削減と規制を決定することができる。
重点水質汚染物質の排出総量規制指標を超過した地域に対して、関連する人民政府の環境保護主管部門は、新たに重点水質汚染物質の排出総量を増加させる建設プロジェクトに係る環境影響評価文書の審査許可を一時停止しなければならない。

第19条 国務院の環境保護主管部門は、重点水質汚染物質総量規制指標を要求どおりに達成していない省・自治区・直轄市を公表する。省・自治区・直轄市の人民政府の環境保護主管部門は、要求どおりに重点水質汚染物質総量規制指標を達成していない市・県を公表する。
県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、本法の規定に違反して、水環境を深刻に汚染している企業を公表する。

第20条 国は、汚染物質排出許可制度を実行する。
直接あるいは間接的に、産業排水や医療排水及びその他の規定に基づき汚染物質排出許可証を取得しなければ排出できない廃水・汚水を水域に排出している企業・事業機関は、汚染物質排出許可証を取得しなければならない。都市排水集中処理施設の運営機関も、汚染物質排出許可証を取得しなければならない。汚染物質排出許可の具体的な方法と実施手順は、国務院の規定による。
企業・事業機関が、汚染物質排出許可証なしに、あるいは汚染物質排出許可証の規定に違反して、前述で規定する廃水・汚水を水域へ排出することを禁じる。

第21条 直接あるいは間接的に、水域に汚染物質を排出している企業・事業機関と個人経営者は、国務院の環境保護主管部門の規定に基づき、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門へ、既存の水質汚染物質排出施設、処理施設、通常の操業条件における排出汚染物質の種類・量・濃度を申告・登録し、水汚染防止に関する技術資料を提供しなければならない。
企業・事業機関と個人経営者が排出する水質汚染物質の種類・量・濃度に大幅な変化があった場合は、直ちに申告し登録しなければならない。その水質汚染物質処理施設は、正常に使用されるよう維持しなければならない。水質汚染物質処理施設を撤去あるいは使用を中止する場合には、事前に県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門に申請し承認を得なければならない。

第22条 水域に汚染物質を排出する企業・事業機関と個人経営者は、法律、行政法規と国務院の環境保護主管部門の規定に基づき、汚染物質の排出口を設置しなければならない。河川・湖沼に汚染物質の排出口を設置する場合は、国務院の水行政主管部門の規定を遵守しなければならない。
私的に埋設パイプを設置したり、監視・管理を回避するその他の方法により、汚染物質を排出することを禁じる。

第23条 重点汚染物質の排出機関は、水汚染物質排出自動モニタリング設備を設置し、環境保護主管部門の監視設備とネットワーク化して、モニタリング設備の正常な稼働を保証しなければならない。産業排水を排出する企業は、その排出した産業排水に対するモニタリングを実施し、モニタリングの生記録を保存しなければならない。具体的な方法は、国務院の環境保護主管部門の規定による。
水質汚染物質の排出自動モニタリング設備を設置すべき重点汚染物質排出機関の名簿は、区が設置されている市レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門が、当該行政区域の環境許容量、重点水質汚染物質の排出総量規制指標及び汚染物質排出機関が排出する水質汚染物質の種類・量・濃度などの要素に基づき、同レベルの関連部門と協議して確定する。

第24条 水域に直接汚染物質を排出する企業・事業機関と個人経営者は、排出する水質汚染物質の種類・量と汚染排出費徴収基準に基づき、汚染排出費を納付しなければならない。
汚染排出費は、汚染防止に用いられなければならず、他の用途に流用してはならない。

第25条 国は、水環境品質モニタリングと水質汚染物質排出モニタリング制度を設立する。国務院の環境保護主管部門は、水環境モニタリング規範の制定に責任を負い、統一的に国家水環境状況情報を公表し、国務院の水行政などの部門と共にモニタリングネットワークを組織する。

第26条 国が決定した重要河川・湖沼流域の水資源保護事業機構は、その所在地流域の省内における水環境品質状況のモニタリングを行い、モニタリング結果を直ちに、国務院の環境保護主管部門と国務院の水行政主管部門に報告する責任を負う。国務院の承認を得て設置された流域水資源保護指導機関は、モニタリング結果を直ちに、流域水資源保護指導機関に報告しなければならない。

第27条 環境保護主管部門及び、その他の本法の規定に基づき監督・管理権限を行使する部門は、管轄範囲内の汚染物質排出機関に対して立ち入り検査を行う権限を有する。検査を受ける機関は、事実どおりに状況を説明し、必要な資料を提供しなければならない。検査機関は、検査中に知り得た被検査機関の商業的な守秘義務がある。

第28条 複数の行政区域に係る水質汚染の争いは、関連する地方人民政府の協議あるいは共通する上級人民政府が調停し解決する。

第4章 水汚染防止対策

第1節 一般規定

第29条 水域への油類・酸液・アルカリ液あるいは劇毒廃液の排出を禁じる。
水域で油類あるいは有毒汚染物質を充填したことのある車両や容器の洗浄を禁じる。

第30条 水域に放射性固形廃棄物、あるいは高放射性物質や中放射性物質を含む廃水の排出・投棄を禁じる。
水域に低放射性物質を含む廃水を排出する場合、国の放射性汚染防止に関連する規定と基準を満たさなければならない。

第31条 水域に熱廃水を排出する場合、しかるべき対策をとりて、水域の水温が水環境品質基準を満たすよう保証しなければならない。

第32条 病原体を含む汚水は、消毒処理を行い、国の関連基準を満たしてから、排出しなければならない。

第33条 水域へ産業廃棄物、生活ゴミ、その他の廃棄物の排出・投棄を禁じる。
水銀・カドミウム・ヒ素・クロム・鉛・シアン化合物・黄リンなどを含む可溶性劇毒廃棄物を水域に排出、投棄あるいは直接地中に埋めることを禁じる。
可溶性劇毒廃棄物の保管場所は、防水・漏出防止・流出防止の対策をとりなければならない。

第34条 河川・湖沼・運河・水路・ダムなどの最高水位線以下の川辺や岸辺に、固形廃棄物やその他の汚染物質の堆積・貯蔵を禁じる。

第35条 浸透井戸・浸透穴・亀裂・鐘乳洞を利用し、有毒汚染物質を含む廃水、病原体を含む汚水とその他の廃棄物の排出・投棄を禁じる。

第36条 浸透漏出防止対策をとっていない用水路・穴・水たまりなどを利用し、有毒汚染物質を含む廃水、病原体を含む汚水とその他の廃棄物の輸送あるいは貯蔵を禁じる。

第37条 地下水の含水層が多層でその水質差が大きい場合には、各層ごとに掘削しなければならない。汚染された地下水と被圧地下水を混合し採掘してはならない。
第38条 地下の施設工事をして、ボーリング探査・採鉱などを行う場合、保護対策をとり、地下水汚染を防止しなければならない。

第39条 地下水の人工涵養を行う場合、地下水質を悪化させてはならない。
第2節 工業用水汚染防止

第40条 国務院の関連部門と県レベル以上の地方人民政府は、合理的に工業配置を計画し、水汚染をもたらす企業に技術改造を行うよう要求し、総合的な防止対策を講じ、水の再利用率を高め、廃水と汚染物質の排出量を減少させなければならない。

第41条 国は、水環境を著しく汚染している立ち後れた技術と設備に対し、淘汰制度を実施する。
国務院の経済総合マクロコントロール部門は、国務院の関連部門と共に、水環境を著しく汚染する技術の期限付き使用禁止リストと、水環境を著しく汚染する設備の期限付き生産・販売・輸入・使用の各禁止リストを公表する。
生産者・販売者・輸入者・使用者は、規定された期限内に、前述で規定された設備リスト内の設備の生産・販売・輸入・使用を停止しなければならない。生産技術の利用者は、規定された期限内に、前述で規定された技術リスト内の技術の使用を停止しなければならない。
本条第2項、第3項で規定された淘汰すべき設備は、他人に譲渡し使用させてはならない。

第42条 国は、国家産業政策に合致しない小規模な製紙・製革・染色・染料・コークス製造・硫黄精錬・ヒ素精錬・水銀精製・精油・電気メッキ・農薬・石綿・セメント・ガラス・鋼鉄・火力発電及びその他の水環境を著しく汚染する生産プロジェクトの新設を禁じる。

第43条 企業は、原材料の利用効率が高く、汚染物質排出量の少ないクリーナープロダクション技術を採用し、管理を強化し、水質汚染物質の発生を減少させなければならない。

第3節 都市部の水汚染防止

第44条 都市部の排水は、集中処理しなければならない。
県レベル以上の地方人民政府は、財政予算やその他のルートで資金を調達し、都市排水集中処理施設及び付帯下水網の建設を統一して計画し、当該行政区域内の都市部下水の収集率と処理率を向上させなければならない。
国務院の建設主管部門は、国務院の経済総合マクロコントロール、環境保護主管部門と共に、都市農村計画と水汚染防止計画に基づき、全国の都市排水処理施設建設計画を策定しなければならない。県レベル以上の地方人民政府は、建設、経済総合マクロコントロール、環境保護、水行政などの部門を組織し、当該行政区域の都市排水処理施設建設計画を策定する。県レベル以上の地方人民政府の建設主管部門は、都市排水処理施設建設計画に基づき、都市排水集中処理施設及び付帯する下水網を建設し、都市排水集中処理施設の運営に対する監督・管理を強化しなければならない。
都市排水集中処理施設の運営機関は、国家規定に基づき、汚染物質排出部門へ下水処理の有料サービスを提供し、下水処理費用を徴収して、下水集中処理施設の正常な稼働を保証する。都市排水集中処理施設に下水を排出し下水処理費用を納付する場合、更に汚染排出費を納付する必要はない。徴収した下水処理費用は、都市排水集中処理施設の建設と運営に用いられなければならず、他の用途に流用してはならない。
都市排水集中処理施設の下水処理費用の徴収、管理及び使用の具体的な方法は、国務院の規定による。

第45条 都市排水集中処理施設へ排出される汚染物質は、国あるいは地方の規定する水質汚染物質排出基準を満たさなければならない。
都市排水集中処理施設から放流される放流水の水質が、国あるいは地方の規定する水質汚染物質排出基準に達成している場合は、国の関連規定に基づき、汚染排出費納付が免除される。
都市排水集中処理施設の運営機関は、都市排水集中処理施設から放流される放流水の水質に責任を負わなければならない。
環境保護主管部門は、都市排水集中処理施設の放流水の水質と水量に対して監督検査を行わなければならない。

第46条 生活ゴミ埋立て場の建設は、浸透漏出防止などの対策をとり、水汚染の発生を防止しなければならない。


第4節 農業及び農村の水汚染防止

第47条 農薬の使用は、国の農薬安全使用に関する規定と基準を満たさなければならない。
農薬の輸送と貯蔵及び有効期限を経過した農薬の処分は、管理を強化し、水汚染の発生を防止しなければならない。

第48条 県レベル以上の地方人民政府の農業主管部門とその他の関連部門は、しかるべき対策をとり、農業生産者が科学的・合理的に化学肥料と農薬を使用するよう指導し、化学肥料と農薬の過度な使用を規制して、水汚染の発生を防止しなければならない。

第49条 国は、家畜家禽養殖場、養殖地区が、家畜家禽糞尿・排水の総合利用、あるいは無害化処理施設を建設することを支持する。
家畜家禽養殖場、養殖地区は、その家畜家禽糞尿・排水の総合利用あるいは無害化処理施設の正常な稼働を保証し、下水の基準排出の達成を保証し、水環境の汚染を防止しなければならない。

第50条 水産養殖に従事するものは水域生態環境を保護し、科学的に養殖密度を決め、合理的に投餌・投薬し、水環境の汚染を防止しなければならない。

第51条 農業灌漑水路への産業排水・都市排水の排出は、その下流に最も隣接する灌漑取水口の水質が、農耕地の灌漑水質基準を満たすよう保証しなければならない。
産業排水と都市排水を利用して灌漑を行う場合、土壌・地下水・農産物の汚染を防止しなければならない。

第5節 船舶の水汚染防止

第52条 船舶から油を含む汚水や生活排水を排出する場合、船舶汚染物質排出基準を満たさなければならない。海運に従事する船舶が河川や港湾に入る場合、河川の船舶汚染物質排出基準を遵守しなければならない。
船舶の残油・廃油は、回収しなければならず、水域への排出を禁じる。
水域への船舶ごみの投棄を禁じる。
船舶が油類あるいは有毒物質を積載運送する場合、流出や漏出を防止する対策をとり、貨物落水による水汚染の発生を防止しなければならない。

第53条 船舶は、国家関連規定に基づき、相応の汚染防止設備と器材を配置して、合法的で効果的な水域環境汚染防止の証明書と文書を有しなければならない。
船舶が汚染物質排出に関する作業を行う場合、操作規定を厳格に遵守し、相応の記録簿に事実どおりに記載しなければならない。

第54条 港・埠頭・積み卸しステーション・船舶修理建造工場は、十分な船舶汚染物質・廃棄物の受け入れ施設を有していなければならない。船舶汚染物質・廃棄物の受け入れ作業に従事し、あるいは油類・汚染危害性貨物を積載した船舶の洗浄作業に従事する機関は、その運営規模に応じた受け入れ処理能力を有していなければならない。

第55条 船舶が下記の活動を行う場合、作業計画案を策定し、安全で汚染防止に有効な対策をとり、作業地の海事管理機構に申請し承認を得なければならない。
(1)残油、廃油を含む汚水、汚染危害性貨物残留物の受け入れ作業、あるいは油類・汚染危害性貨物を積載した船舶は、洗浄作業を行う場合。
(2)ばら積みの液体汚染危害性貨物は艀荷役作業を行う場合。
(3)船舶の水上解体、引上げ、あるいはその他の水上・水中船舶工事作業を行う。
漁港水域で漁業船舶の水上解体活動は、作業地の漁業主管部門に申請し承認を得なければならない。

第5章 飲料水水源及びその他の特殊水域保護

第56条 国は、飲料水水源保護区制度を設立する。飲料水水源保護区は、1級保護区と2級保護区に分ける。必要な場合、飲料水水源保護区周囲内に、準保護区として一定地区を確定することができる。
飲料水水源保護区の決定は、関連する市・県の人民政府が案を省・自治区・直轄市の人民政府へ申請し承認を得る。市や県をまたぐ飲料水の水源保護区の決定は、関連する市・県の人民政府が協議のうえ案を省・自治区・直轄市の人民政府へ申請し承認を得る。協議でまとまらない場合、省・自治区・直轄市人民政府の環境保護主管部門が、同レベルの水行政・国土資源・衛生・建設などの部門と共に案を提出し、同級の関連部門の意見を求めた後、省・自治区・直轄市の人民政府へ申請し承認を得る。
省・自治区・直轄市をまたぐ飲料水の水源保護区は、関連する省・自治区・直轄市の人民政府が、関連する流域管理機構と協議して決定する。協議でまとまらない場合、国務院の環境保護主管部門が、同級の水行政・国土資源・衛生・建設などの部門と共に案を提出し、国務院の関連部門の意見を求めた後、国務院へ申請し承認を得る。
国務院と省・自治区・直轄市の人民政府は、飲料水水源保護の実際のニーズに基づき、飲料水の水源保護区範囲を調整し、飲料水の安全を確保することができる。関連する地方の人民政府は、飲料水水源保護区の境に、明確な地理境界標示や明らかな警示標識を設置しなければならない。

第57条 飲料水水源保護区内に、汚染物質排出口の設置を禁じる。

第58条 飲料水水源1級保護区に、給水施設や水源保護と無関係な建設プロジェクトの新設、改修、増設を禁じる。既設の給水施設や水源保護と無関係な建設プロジェクトについては、県レベル以上の人民政府は、撤去あるいは閉鎖を命じる。
飲料水水源1級保護区内で、いけす養殖・観光・水泳・魚釣り或いはその他の飲料水を汚染する可能性がある活動に従事することを禁じる。

第59条 飲料水水源2級保護区内に、汚染物質を排出する建設プロジェクトの新設・改築・増設を禁じる。既設の汚染物質を排出する建設プロジェクトについて、県レベル以上の人民政府は、撤去あるいは閉鎖を命じる。
飲料水水源2級保護区内で、いけす養殖・観光などの活動に従事する場合、規定に基づき、しかるべき対策をとり、飲料水の汚染を防止しなければならない。

第60条 飲料水水源準保護区内で、水質を著しく汚染する建設プロジェクトの新設・増設を禁じる。建築物を改修する場合、汚染物質排出量を増加させてはならない。

第61条 県レベル以上の地方人民政府は、飲料水水源保護の実際のニーズに基づき、準保護区内に、プロジェクト対策や湿地・水源涵養林の建設などの生態系保護対策をとり、水質汚染物質が飲料水に直接流入することを防止し、飲料水の安全を確保しなければならない。

第62条 飲料水の水源が汚染され、給水の安全を脅す可能性がある場合、環境保護主管部門は、関連する企業や事業機関に、水質汚染物質の排出停止あるいは削減などの対策をとるように命じなければならない。

第63条 国務院と省・自治区・直轄市の人民政府は、水環境保護のニーズに基づき、飲料水の水源保護区内で、リンを含む洗剤・化学肥料・農薬の使用禁止あるいは使用制限、及び栽培養殖制限などの対策をとるよう規定することができる。

第64条 県レベル以上の人民政府は、風景名勝地水域、重要漁業水域、その他の特殊な経済文化価値を有する水域について、保護区に決定することができ、しかるべき対策をとりて、保護区の水質が規定用途の水環境品質基準を満たすよう保証する。

第65条 風景名勝地水域、重要漁業水域、その他特殊な経済文化価値を有する水域の保護区内に、汚染物質排出口を新設してはならない。保護区の近くに汚染物質排出口を新設する場合、保護区の水域が汚染されないよう保証しなければならない。

第6章 水汚染事故の処理

第66条 各級人民政府及び関連部門や水汚染事故が発生する可能性のある企業・事業機関は、「中華人民共和国突発事件応対法」の規定に基づき、突発水汚染事故の対応準備、応急処置、事後復旧などの業務をしっかりと行わなければならない。

第67条 水質汚染事故が発生する可能性のある企業・事業機関は、関連する水質汚染事故の応急案を制定し、対応準備をしっかりと行い、定期的に演習訓練を行わなければならない。
危険化学物質を生産し、貯蔵している企業・事業機関は、しかるべき対策をとり、生産事故の安全処理過程で発生する水質を、著しく汚染する可能性のある消防廃水・廃液が、直接水域へ流入するのを防止しなければならない。

第68条 企業・事業機関で発生した事故あるいはその他の突発的な事件が、水汚染をもたらした場合、あるいはその可能性がある場合、直ちに当部門の応急案を開始し、緊急対策をとり、事故発生地の県レベル以上の地方人民政府あるいは環境保護主管部門に報告しなければならない。環境保護主管部門は、報告を受けた後、直ちに当級の人民政府へ報告し、関連部門にその写しを送らなければならない。
漁業汚染をもたらした事故、あるいは漁業船舶が水汚染をもたらした事故の場合、事故発生地の漁業主管部門へ報告し、調査処分を受けなければならない。その他の船舶が水汚染をもたらした事故の場合、事故発生地の海事管理機構へ報告し、調査処分を受けなければならない。漁業に損害をもたらした場合、海事管理機構は、漁業主管部門に通知し、調査処分に参与しなければならない。

第7章 法的責任

第69条 環境保護主管部門あるいはその他の本法の規定に基づき監督・管理権限を行使する部門が、行政許可あるいは承認文書手続きを、法律どおりに行わない場合、違法行為を発見しあるいは違法行為に対する通報を受け取った後、調査処分を行わない場合、あるいはその他の本法の規定どおりに職責行為を履行しない場合、直接担当の主管者とその他の直接責任者に対して、法律に基づき処分する。

第70条 環境保護主管部門あるいはその他の本法の規定に基づき監督・管理権限を行使する部門の監督検査を拒絶し、あるいは監督検査の受け入れの際に虚偽の申立てをした場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門あるいはその他の本法の規定に基づき監督・管理権を行使する部門は、是正を命じ、1万元以上10万元以下の罰金を科す。

第71条 本法の規定に違反して、建設プロジェクトの水汚染防止施設が未完成・未検収・検収不合格であるにもかかわらず、主体工事が生産あるいは使用を開始した場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、検収に合格するまで、生産あるいは使用停止を命じ、5万元以上50万元以下の罰金を科す。

第72条 本法の規定に違反して、下記の行為があった場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、期限付き是正を命じる。期限を過ぎて是正しない場合、1万元以上10万元以下の罰金を科す。
(1)国務院の環境保護主管部門が規定した汚染物質排出に関する申告登録事項を拒否し、あるいは虚偽の報告を行った場合。
(2)水質汚染物質排出自動モニタリング設備が規定どおりに設置されていない、あるいは環境保護主管部門の監視設備と規定どおりにネットワーク化されておらず、モニタリング設備の正常な運転が保証されていない場合。
(3)排出された産業排水に対して、規定どおりにモニタリングが行なわれておらず、モニタリングの生記録が保存されていない場合。

第73条 本法の規定に違反して、水質汚染物質処理施設を正常に使用せず、あるいは環境保護主管部門の承認を得ないで水質汚染物質処理施設を撤去し放置した場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、期限付き是正を命じ、納付すべき汚染排出費定額の1倍以上3倍以下の罰金を科す。

第74条 本法の規定に違反して、水質汚染物質排出が、国あるいは地方の規定する水質汚染物質排出基準を超過し、あるいは重点水質汚染物質排出総量規制指標を超過した場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、その権限に基づき、期限付き改善を命じ、納付すべき汚染排出費定額の2倍以上5倍以下の罰金を科す。
期限付き改善期間においては、環境保護主管部門は生産・排出を制限し、あるいは生産の停止・改善を命じる。期限付き改善期間は、最長で1年を上回らない。期限を過ぎて改善業務を完成していない場合、承認権限のある人民政府へ申請し承認を得て、閉鎖を命じる。

第75条 飲料水水源保護区内に汚染物質排出口を設置した場合、県レベル以上の地方人民政府は、期限付き撤去を命じ、10万元以上50万元以下の罰金を科す。期限を過ぎて撤去していない場合には強制撤去し、必要な費用は違法者が負担し、50万元以上100万元以下の罰金を科す。また、生産の停止・改善を命じることができる。
前述規定以外に、法律、行政法規、国務院の環境保護主管部門の規定に違反して、汚染物質排出口を設置し、地下パイプを設置した場合、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門は、期限付き撤去を命じ、2万元以上10万元以下の罰金を科す。期限を過ぎて撤去していない場合、強制撤去し、必要な費用は違法者が負担し、10万元以上50万元以下の罰金を科す。こっそり地下パイプを設置し、あるいはその他深刻な情状がある場合、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門は、県レベル以上の地方人民政府に、生産の停止・改善を命じるよう申請することができる。
水行政主管部門あるいは流域管理機構の同意を得ず、河川・湖沼に汚染物質排出口を新設・改造・増設した場合、県レベル以上の人民政府の水行政主管部門や流域管理機構は、職権により、前述の規定に基づき、しかるべき対策をとり、処罰する。

第76条 下記の行為があった場合、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門は、違法行為を停止し、期限付きで改善対策をとり、汚染を取り除くよう命じ、罰金を科す。期限を過ぎて改善対策をとらない場合、環境保護の主管部門は、改善能力のある機関を指定し、代わりに改善させることができる。必要な費用は違法者が負担する。
(1)水域に油類・酸液・アルカリ液を排出した場合。
(2)水域に劇毒廃液を排出し、あるいは水銀・カドミウム・ヒ素・クロム・鉛・シアン化物・黄燐などを含む可溶性劇毒廃棄物を水域に排出、投棄、あるいは直接地下に埋める場合。
(3)水域で、油類・有毒汚染物質を充填したことのある車両と容器を洗浄した場合。
(4)水域に産業固形廃棄物、生活ごみ、あるいはその他の廃棄物を排出、投棄し、あるいは河川・湖沼・運河・用水路・ダムの最高水位線以下の川辺や岸辺に、固形廃棄物あるいはその他の汚染物質を堆積し貯蔵した場合。
(5)水域に放射性固形廃棄物あるいは高放射性物質や中放射性物質を含む廃水を排出・投棄した場合。
(6)国の関連規定あるいは基準に違反して、水域に低放射性物質を含む廃水、熱廃水、あるいは病原体を含む汚水を排出した場合。
(7)浸透井戸・浸透穴・亀裂・鐘乳洞を利用して、有毒汚染物質を含む廃水、病原体を含む汚水やその他の廃棄物を排出し投棄した場合。
(8)浸透漏出防止対策をとっていない用水路・穴・水たまりなどを利用して、有毒汚染物質を含む廃水、病原体を含む汚水、その他の廃棄物を輸送あるいは貯蔵した場合。
前述第3項・第6項の行為があった場合、1万元以上10万元以下の罰金を科す。前述第1項・第4項・第8項の行為があった場合、2万元以上20万元以下の罰金を科す。前述第2項・第5項・第7項の行為があった場合、5万元以上50万元以下の罰金を科す。

第77条 本法の規定に違反して、生産・販売・輸入・使用が禁止されている、水環境を著しく汚染する設備リストに載っている設備を生産・販売・輸入・使用した場合、あるいは使用が禁止されている水環境を著しく汚染する技術リストに載っている技術を使用した場合、県レベル以上の人民政府の経済総合マクロコントロール部門は、是正を命じ、5万元以上20万元以下の罰金を科す。状況が深刻な場合、県レベル以上の人民政府の経済総合マクロコントロール部門は、意見を提出し、同級の人民政府に報告し、操業停止・閉鎖を命じるよう申請する。

第78条 本法の規定に違反して、国家産業政策に合致しない小規模製紙・製革・染色・染料・コークス製造・硫黄精錬・ヒ素精錬・水銀精製・精油・電気メッキ・農薬・石綿・セメント・ガラス・鋼鉄・火力発電やその他の水環境を著しく汚染する生産プロジェクトを建設した場合、所在地の市・県の人民政府は、閉鎖を命じる。

第79条 船舶が相応の汚染防止設備と機材を配備していない場合、あるいは合法的で効果的な水域環境汚染防止の証明書と文書を有していない場合、海事管理機構、漁業主管部門は、それぞれ職責に基づき、期限付き是正を命じ、2千元以上2万元以下の罰金を科す。期限を過ぎて是正しない場合、船舶に臨時休航を命じる。
船舶が、汚染物質排出に関する作業を行い、操作規定を遵守せず、あるいは相応の記録簿に事実どおりに記載しない場合、海事管理機構、漁業主管部門は、それぞれ職責に基づき、是正を命じ、2千元以上2万元以下の罰金を科す。

第80条 本法の規定に違反して、下記の行為があった場合、海事管理機構、漁業主管部門は、それぞれ職責に基づき、違法行為の停止を命じ、罰金を科す。水汚染をもたらした場合、期限付き改善対策をとり、汚染を取り除くよう命じる。期限を過ぎて改善対策をとらない場合、海事管理機構、漁業主管部門は、それぞれ職責に基づき、改善能力を有する機関を指定し、代わりに改善させる。必要な費用は、船舶が負担する。
(1)水域に船舶ごみを投棄、あるいは船舶の残油・廃油を排出した場合。
(2)作業地の海事管理機構の承認を得ないで、船舶が残油・廃油を含む汚水、汚染危害性貨物残留物の受け入れ作業を行う、あるいは油類・汚染危害性貨物を積載した船倉の洗浄作業を行う、あるいはばら積みの液体汚染危害性貨物の艀荷役作業を行う場合。
(3)作業地の海事管理機構の承認を得ないで、船舶の水上解体・引上げ、あるいはその他の水上・水中船舶工事作業を行う場合。
(4)作業地の漁業主管部門の承認を得ないで、漁港水域で漁業船舶の水上解体を行う場合。
前述の第1項、第2項、第4項の行為があった場合、5千元以上5万元以下の罰金を科す。前述の第3項の行為があった場合、1万元以上10万元以下の罰金を科す。

第81条 下記の行為があった場合、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門は、違法行為の停止を命じ、10万元以上50万元以下の罰金を科す。承認権限のある人民政府に申請し承認を得て、撤去あるいは閉鎖を命じる。
(1)飲料水水源1級保護区内に、給水施設や水源保護と関係がない建設プロジェクトを新設・改修・増設した場合。
(2)飲料水水源2級保護区内に、汚染物質を排出する建設プロジェクトを新設・改修・増設した場合。
(3)飲料水水源準保護区内に、水域を著しく汚染する建設プロジェクトを新設・増設した場合、あるいは建設プロジェクトを改修し汚染物質排出量を増加させた場合。
飲料水水源1級保護区内で、いけす養殖に従事し、あるいは観光、魚釣り、あるいはその他の飲料水の水質を汚染する可能性がある活動を組織した場合、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門は、違法行為を停止するよう命じ、2万元以上10万元以下の罰金を科す。個人が、飲料水水源1級保護区内で、水泳、魚釣り、あるいはその他の飲料水の水質を汚染する可能性がある活動に従事した場合、県レベル以上の地方人民政府の環境保護主管部門は、違法行為の停止を命じ、5百元以下の罰金を科すことができる。

第82条 企業・事業機関に、下記の行為があった場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、是正を命じる。状況が深刻な場合、2万元以上10万元以下の罰金を科す。
(1)規定に基づき、水質汚染事故の応急案を制定しない場合。
(2)水質汚染事故が発生した後、直ちに水質汚染事故応急案をスタートし、関連する緊急対策をとらなかった場合。

第83条 企業・事業機関が、本法の規定に違反して、水質汚染事故をもたらした場合、県レベル以上の人民政府の環境保護主管部門は、本条第2項の規定に基づき、罰金を処し、期限付きで改善対策をとり、汚染を取り除くよう命じる。要求どおりに改善対策をとらない、あるいは改善能力を有していない場合、環境保護主管部門は、改善能力を有する機関を指定し、代わりに改善させる。必要な費用は、違法者が負担する。重大あるいは特大水汚染事故については、承認権限を有する人民政府に申請し承認を得て、閉鎖を命じることができる。直接担当の主管人員とその他の直接責任者に対しては、前年度に当機関から得た収入の50パーセント以下の罰金を科すことができる。
普通あるいは比較的大きな水汚染事故については、水質汚染事故がもたらした直接損失の20パーセントの計算で、罰金を科す。重大あるいは特大水質汚染事故については、水質汚染事故がもたらした直接損失の30パーセントの計算で、罰金を科す。
漁業汚染事故あるいは漁業船舶がもたらした水質汚染事故の場合は、漁業主管部門が処罰する。その他の船舶がもたらした水質汚染事故の場合は、海事管理機構が処罰する。

第84条 当事者が行政処罰の決定を不服とする場合、行政再議を申請することができ、通知を受けた日から15日以内に人民法院に起訴することができる。期限内に行政再議を申請せず、あるいは起訴しない場合、また行政処罰の決定を履行しない場合には、行政処罰を決定した機関は、人民法院に強制執行を申請する。

第85条 水汚染により損害を被った当事者は、汚染物質排出者に、危害を排除し損害を賠償するよう求める権利がある。
不可抗力により水汚染の損害がもたらされた場合、汚染物質排出者は、賠償責任を負わない。法律で別に規定する場合を含まない。
水汚染損害が、被害者の故意によってもたらされた場合、汚染物質排出者は、賠償責任を負わない。水汚染損害が、被害者の重大な過失によってもたらされた場合、汚染物質排出者の賠償責任を軽減することができる。
水汚染損害が、第3者によってもたらされた場合、汚染物質排出者は、賠償責任を負った後、第3者に賠償追徴する権利がある。

第86条 水汚染による損害賠償責任と賠償金額をめぐる紛争は、当事者の要請に基づき、環境保護主管部門あるいは海事管理機構、漁業主管部門が、それぞれの職責に基づき仲裁処理することができる。仲裁できない場合、当事者は、人民法院に提訴することができる。当事者は、直接人民法院に提訴することもできる。

第87条 水汚染による損害賠償訴訟は、汚染物質排出者が、法律の規定する免責事由及びその行為と損害結果の間に因果関係が存在しないことについて、挙証責任を負う。

第88条 水汚染により損害を受けた当事者の人数が多い場合、法律に基づき、当事者が代表人を選出して共同訴訟を行うことができる。
環境保護主管部門と関連する社会団体は、法律に基づき、水汚染により損害を受けた当事者を支持し、人民法院に提訴することができる。
国は、法律サービス機構と弁護士が、水汚染損害訴訟の被害者に法律援助を提供するよう奨励する。

第89条 水汚染による損害賠償責任と賠償金額をめぐる争いについて、当事者は、環境モニタリング機構にモニタリングデータを提供するように委託することができる。環境モニタリング機構は、委託を受け入れ、関連するモニタリングデータを事実どおりに提供しなければならない。

第90条 本法の規定に違反して、違法治安管理行為を構成する場合、法に基づき、治安管理処罰を科す。犯罪を構成する場合、法に基づき、刑事責任を追及する。

第8章 附 則

第91条 本法の下記用語の意味は以下のとおりである。
(1)水汚染とは、ある種の物質が混入することで、水質の化学、物理、生物あるいは放射性などの特性に変化が生じ、水の有効利用に影響し、人間の健康に危害を及ぼし、あるいは生態系環境を破壊し、水質の悪化をもたらす現象を指す。
(2)水の汚染物質とは、直接あるいは間接的に水域に排出され、水質の汚染を引き起こす物質を指す。
(3)有毒汚染物質とは、直接あるいは間接的に生物の体内に吸収された後、当該生物、あるいはその後代が発病・行動異常・遺伝変異・生理機能異常・奇形・死亡を引き起こす汚染物質を指す。
(4)漁業水域とは、区画された魚・エビ類の産卵場、索餌場、越冬地、回遊地や通り道、魚・エビ・貝・海藻類の養殖場を指す。

第92条 本法は2008年6月1日より施行する。