P.C.Bを含む廃棄物汚染の規制基準
Control standard on poly chlorinated biphenyls for wastes

中華人民共和国国家基準
GB 13015-91

1991-06-27 国家技術監督局  国家環境保護局 公布  1992-03-01実施

 P.C.Bを含んだ廃棄物管理及び対策、環境の保全、人体健康の保障を強化するため、特にこの基準を制定した。

1 テーマの内容と適用範囲
1.1 テーマの内容
  この基準は、P.C.Bを含んだ廃棄物汚染の規制基準値及びP.C.Bを含んだ廃棄物の処置方法を規定した。
1.2 適用範囲
  この基準はP.C.Bを含んだ廃棄物の収集、貯蔵、輸送、処理と処置などに適用する。

2 技術用語
2.1 有害なP.C.Bを含んだ廃棄物とは、汚染規制基準値に等しいか、それより大きいP.C.Bを含む廃棄物及び廃棄電力コンデンサー中の含浸剤として使われるP.C.Bのことである。
2.2 一般のP.C.Bを含む廃棄物とは、P.C.B含有量が汚染基準値より小さい廃棄物のことである。

3 基準値

P.C.Bを含む汚染物の規制基準値

項目 基準値、mg/kg
P.C.B含有量 50

4 P.C.Bを含む廃棄物の処置
4.1 一般のP.C.Bを含む廃棄物は、地方人民政府の環境保護行政主管部門が指定する場所に積んでおく。
4.2 有害なP.C.Bを含む廃棄物の処置、
4.2.1 P.C.B含有量≧50~≦500mg/kgの有害廃棄物は安全な地下埋め立て技術の採用が許される。或は高温焼却技術を採用して処置することが許される。
4.2.2  P.C.B含有量?500mg/kgの有害廃棄物及び廃コンデンサーの中で含浸剤として使われるP.C.Bは、高温焼却技術で処置しなければならない。
4.2.3 P.C.Bを含む廃棄物の暫定貯蔵:P.C.Bを含む有害廃棄物を暫定無条件処置、処理する場合は、集中して暫定貯蔵或は封して貯存する。その場合の倉庫の建設は人民政府環境保護行政主管部門の関係規定に合致しなければならない。

5 基準の実施
5.1 この基準は、人民政府環境保護行政主管部門が監督と実施に責任を負う。
5.2 この基準では、地方の環境保全の要求が満たされない場合、省、自治区、直轄市人民政府は、国の関連規定に基づき、この基準より厳しい地方基準を制定することが出来る。その場合、国務院の環境保護部門に報告しなければならない。

6 検出方法
  附録A(参考文献)を見よ。

附 録 A
廃棄物中のPCBの測定
(参考文献)

 P.C.Bは世界的な環境汚染物で、各種クロルジフェニルの混合物であり、国内で使用しているPCBはほとんどが、コンデンサーの含浸剤として使われるP.C.B3である。PCBの物理化学性質は有機塩素農薬に良く似ていて、ガスクロマトグラフィー検出では相互に干渉するので、ガスクロマトグラフィーで定量を決め、薄層クロマトグラフィーで確証テストを行う。

A1 ガスクロマトグラフィー
A1.1 この方法は、アルカリ分解で有機塩素の農薬BHC、水蒸気蒸留-液液抽出(必要な時には硫酸浄化を行う)し、その後で電子捕獲検出器の付くガスクロマトグラフィーで測定する。
A1.2 試薬
A1.2.1 正へキサン(或は石油ベンジン);ガラス製蒸留器で蒸留し、68~70℃の留分を収集し、クロマトグラフで見るサンプルには干渉峰があってはならない。もしそれが不純であればもう一度蒸留或は中性三酸化アルミ層で析出して純化する。
A1.2.2 硫酸;純度一級。
A1.2.3 水素酸化カリウム;純度一級。
A1.2.4 無水酸化ナトリウム;100gを取り出し50molの正ヘキサンを加入し、よく揺さぶり濾過した後、更に25molの正ヘキサンを加入し、よく揺さぶり濾過し、空干しし、150℃の高温で15時間空焼する。
A1.2.5 脱脂綿;酢酸プロパノンを取り出し処理し、予備として取って置く。
A1.2.6 有機塩素農薬基準溶液;P,P´―DDEを1.00ppmに配合し、その他の有機塩素農薬を適宜な濃度に配合する。
A1.2.7 P,C,B基準溶液;中国科学院環境科学委員会分析基準品(PCB3)(中国科学院環境化学研究所の研究製造品)を、5mg/mol予備液として配合し、濃度の異なる基準溶液に薄める。或はPCB3正ヘキサン基準物質(200ppm)を用い(中国科学院生態環境研究センターの研究製造品)、異なる濃度の基準溶液に薄める。
A1.3 計器
  a、水蒸気蒸留-液液抽出装置。図A1を参照
  b、電子捕獲検出器の付くガスクロマトグラフ。
  c、電気加熱被い金。
d、調圧変圧器。
e、乾燥管。

図A1 水蒸気蒸留-液液抽出装置

A1.4 テストサンプル
  テストサンプル(サンプル製品)の採集とメーキングは、国家環境保護総局(86)環監字14号公布の《工業個体廃棄物有害特性テストと検出方法》(試行)第一章第三節の規定で進める。
A1.5 分析の段取り
A1.5.1 アルカリ分解と蒸留
  正確に10-40gの乾燥した廃棄物サンプルを測って取り出し、(同時に約20gの60℃下で24h炙り干したサンプルを測って取り出し、水分含有量を測定する)10.00mLの丸底のフラスコに入れ、250mLの1mol/L水素酸化カリウム溶液を加入し、更に少量の沸石を加入する。図1に基づきAとBを取り付け連結し、1h過熱回流する(加熱被い金、調圧変圧器を用い温度を抑制する)。室温になるまで冷まし、Bの部分を取り外し、C中に5mLの正ヘキサンを添加する。A,C,Dを連結し、過熱して90min蒸留し、流速は1分80-100滴(加熱と温度の抑制方法は上述と同じ)、蒸留が終わった後、室温まで冷まし、C中の液体を分液漏斗に移し、十分振って、水分層を捨て、少量の正ヘキサンでCを二回洗浄する。正ヘキサンを合併する、(雑質が多い時には、更に硫酸で浄化し、正へキサンの抽出量と同体積の硫酸を加入する。揺す振った後層に分かれるまで静かに置いておく、その後で硫酸層を捨てる。浄化を何度するかは雑質の多少によって決まるが、一般には1~3回で、更に正ヘキサンと同等体積の0.1mol/Lの水素酸化ナトリウム溶液を添加し、1min揺すり振る、層に分かれた後、下部の水の層を捨てる)、分液漏斗の正へキサン抽出液を底部に挿入した脱脂綿の高無水硫酸ナトリウム脱水柱(5cm)を通す。分液漏斗に少量の正ヘキサンを加入して三回洗い、毎回この脱水柱を通す。これを5~10mLの容量瓶に収集し、容積を定め、クロマイドグラフィー測定に提供する。
A1.5.2 クロマトグラフの条件
a. 固定相;5%のSE-30/Chromosorb W(AW.DMCS)、80~100目
  b. クロマトカラム;長さ2cm、内径3mmのガラス製柱。
  c. 柱温;195℃
  d. 気化温度;250℃
  e. 検出温度;240℃
f. キャリアーガス;高純度の窒素、流速は70mL/min。
A1.5.3 定量測定
  PCB基準溶液を異なる濃度に薄め、定量のサンプルを入れ電子捕獲検出器の直線性範囲を確定する。
  サンプルの測定の際、供給サンプルの得たピーク(直線性範囲内であるべき)と近隣濃度基準溶液ピークの高さの比較により、PCBの含有量を求め出す
A1.6 計算
PCBの含有量(mg/kg)=
  式中;N基準―基準溶液の濃度、μg/mL
     V基準―基準溶液のクロマトグラフ供給サンプルの体積、μL
     hサンプル―サンプル抽出液のピーク、mm
     V―抽出液濃縮後の体積、mL      
h基準―基準溶液のピーク、mm
     Vサンプル―サンプル抽出液のクロマトグラフ供給サンプルの体積、μL
     W―サンプルの重量、g(60℃の炙り乾かしたサンプル重量に換算する)。
A1.7 正確度と精密度
  本方法の回収率101%~110%、変異係数は4.9%である。
  注;PCBの定量計算方法に付いて、これは混合物であるので、表示方法が沢山ある。国内の廃棄物が主にPCB3の汚染を受けているので、サンプルと基準物質(PCB3)の峰形に大きな差異が無ければ、特定のピークを採用し、P,P´―DDEの保留値を100とし、相対的保留値が38度のピークを選択するか、或はピーク全体もしくは幾つかのピークの総和を以って含有量を計算する。
A2 薄層クロマトグラフィ
A2.1 PCBの物理化学性質と有機塩素農薬は類似しているので、分析測定の際、検証実験は不可欠なことである。
  ガスクロマトグラフと共に、アルカリ分解を採用して有機塩素農薬を破壊し、水蒸気-液液抽出し、硫酸で浄化し、その後で吸着薄層と反相分配薄層クロマイドグラフを結合する方法と基準品との比較を採用し、確証実験を進める。
A2.2 試薬
A2.2.1 正ヘキサン;ガラス製の蒸留器で重蒸留し、68~70℃の留分を収集する。
A2.2.2 メチルアルコール;純度分析。
A2.2.3 液体パラフィン;二級。
A2.2.4 シリカゲルG;青島海洋化学工場。
A2.2.5 シリカゲルGF254;E.Merck。
A2.2.6 顕色剤;硝酸銀2gを10mLの蒸留水で溶かし、メチルアルコールを加えて100mLにし、均衡に混合させる。
A2.2.7 PCB基準溶液;同ガスクロマトグラフィのPCB基準溶液。
A2.2.8 薄層板の制作;
  a、吸着シリカゲル薄層板;15gのシリカゲルG或はGF254を測り取り、約40mLの蒸留水に溶かし、通常の方法で(200mm×200mm)厚さは0.25mmの薄層板にする。105℃熱を加え1h活性化し、無水塩化カルシウムの乾燥機に入れ、保存する。
  b、反層分配シリカゲル薄層板;27gのシリカゲルG或はGF254を栓のつくフラスコに入れ、3gの液体パラフィンと60mLのクロロホルムを加え、振るい揺すり、200mm×200mm、厚さ0.25mmの薄層板にして、室温下で乾かし、密封した容器で保存する。
A2.3 計器
  a. 紫外線燈、波長254~360mm
b. 微量注射器。
c. 板敷き計器。
d. 噴霧器。
e. 展開甕;200mm・100mm・100mm
A2.4 分析の段取り
A2.4.1 ガスクロマトグラフィ測定用のサンプル溶液と基準溶液をそれぞれ各点の異なる量のシリカゲルG或はGF254薄層板に置き、正ヘキサンを展開剤とし、上昇法で10cm~12cmに広げる。薄層板を取り出し、室温で乾燥させ、シリカゲルG板を紫外線燈の下に置き10cmの距離を取って約30min照射する。その後で、硝酸銀メチルアルコール液で噴射し色を出す。上述の方法でまた紫外線灯下に置き、1min照射下後取出し展開後のR1の位置を観察し、サンプルと基準液を対照比較して、性質を定める。或はシリカゲルGF254板を紫外線灯下で、斑点の展開後のR1値の位置を観察し、サンプルと標準液を対照比較し、性質を定める。
A2.4.2 反層分配薄層クロマトグラフで確証実験する
  反層分配薄層板を使い、展開剤はメチルアルコール:水=9:1を使い、その操作の段取りは吸着薄層と同じ(必要な時には二回三回展開する)である。斑点展開後のR1値の位置を観察し、サンプルと基準液を比較して確証する。
  各種のPCBを吸着薄層に展開した後、そのR1値が接近し、円形の斑点を現す。
  そのサンプルにはP,P´―DDFが含まれているとき、そのR1値はPCBに接近し、PCBを干渉する(図A2を参照)。したがって、吸着薄層クロマトグラフのR1値だけでPCBを確証することは出来ない。どうしても反層分配薄層クロマトグラフの特徴と結びつけて確証しなければならない。

図A2 PCBとDDEなどがシリカゲルGの
吸着薄層クロマトグラフ
1-P,P´-DDT;2―O,P-DDT;3―P,P´-DDE;4―Aroclor 1242;
5―PCB3;6―Aroclor 1254;7―PCB

 各種PCBは反相分配薄層クロマイドグラフを経て展開した後、互いに繋ぎあいしかも重なる幾つかの円形斑点を現し (斑点R1値の位置とPCBの塩素含有数の違いで生まれる差異は図A3を参照されたい) 、これはPCBが持つクロマイドグラフ行為の特徴であり、この特徴を利用して確証実験が可能となる。P,P´-DDE等有機塩素農薬は斑点しか現さず、PCBを干渉しない確証である。

図A3 PCBとDDEなどが反相分配シリカゲルGF254上の
薄層クロマトグラフ
1―P,P´-DDT;2―O, P,P´-DDT;3―P,P´-DDE; 4―Aroclor 1232;
5―Aroclor1242;6―PCB;7―KC-400;8-Aroclor1254;9―PCB;
10―Aroclor1260;11―十塩化キセニル

注;R1値と最小検出量は実験条件等のようその影響を受け、差異が生じ、よって、性質決定、確証するには基準溶液を採用して対照しなければならない。ここでのR1値と最小検出量の実験データ(表A1、表A2)は参考にされたい。

表A1 PCBとDDEなど吸着薄層R1値及び最小検出量

品名

R1

最小検出量、μg

シリカゲルG

シリカゲルGF254

シリカゲルG

シリカゲルGF254

     

a     b

 

P,P´-DDT

0.37

0.30

0.10.2

0.1

     

a     b

 

O,P´-DDT

0.43

0.37

0.050.1

0.1

     

a     b

 

P,P´-DDE

051

0.45

0.10.2

0.05

P,P´-DDD

 

0.20

 

0.36

Aroclor1232

 

0.39

 

0.25

     

a     b

 

Aroclor1242

0.53

0.42

0.150.30

0.15

     

a     b

 

PCB3

0.53

0.42

0.150.30

0.15

KC-400

 

0.44

 

0.25

     

a     b

 

Aroclor1254

0.54

0.47

0.20.4

0.20

     

a     b

 

OCB5

0.51

0.47

0.20.4

0.20

Aroclor1260

 

0.48

 

0.45

十塩化キセニル

 

原点

   

注;aは照射後8hに現れた斑点、bは即座に現れた斑点