【総論】
2004年、重慶市中心市街地及び近郊区・県の大気質は2003年に比べて好転した。中心市街地の空気中の二酸化硫黄、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の年間の1日当たり平均濃度はそれぞれ0.113mg/m3、0.067mg/m3、0.142mg/m3、降塵量は9.29t/㎢·月だった。中心市街地の大気質が2級基準に達した日数の比率は66.4%だった。主な汚染物質は浮遊粒子状物質と二酸化硫黄で、それぞれ80.3%、19.7%となっている。市街地の降水pH平均値は4.78、降水pH値範囲は3.62~7.62、酸性雨頻度は43.9%だった。2003年に比べ、二酸化硫黄及び浮遊粒子状物質はそれぞれ1.7%、3.4%低下し、二酸化窒素濃度と降塵量はそれぞれ45.7%、4.2%上昇、中心市街地の大気質がⅡ級に達した日数の比率は1.2ポイント上昇した。酸性雨頻度は4.0ポイント上昇、降水pH値は0.22低下した。ダム地区の長江本流の水質は全体的に安定を保ち、長江、嘉陵江、烏江(以下、「三江」と略する)の27ヵ所の断面はいずれもⅢ類基準を満たしている。長江の17ヵ所の断面のうち、水質がⅡ類及びⅢ類の断面はそれぞれ1ヵ所、16ヵ所で、出入境断面は碚石と朱沱の水質がいずれもⅢ類だった。ダム地区の13本の重点支流のダム流入断面は万州区苧溪河の水質がV類以下だったのを除き、残りはいずれもⅢ類基準を満たしている。全市のモニタリング対象である70本の2級河川における172ヵ所のモニタリング断面のうち、水域機能要件を満たしている断面の比率は52.9%で、2003年に比べて11.3ポイント上昇した。全市の音環境質と放射線環境質は安定を保った。
【重要活動】
重慶市共産党委員会は「両会[1]」期間中に、2004年全市人口資源環境活動座談会を開催、重慶市の環境保全活動の強化について具体的な要求を提示した。重慶市共産党委員会、市人民代表大会、市政府、市政治協商会議の主要指導者及び市級部門の主要責任者と各区県(自治県、市)党政[2]の「トップ」が会議に参加した。黄鎮東書記、王鴻挙市長がそれぞれ会議で重要講話を行った。会議では全市を上げて、科学的発展観と正確な政治業績観を確固として樹立し、統一的な計画と各方面への配慮を堅持する必要があり、発展過程の中で環境保全活動を適切かつ確実に進めることが求められた。
中央人口資源環境活動座談会の開催以降、重慶市政府は直ちに全市環境保全活動会を招集し、中央人口資源環境活動座談会の関連理念の実施配備を図った。会議では2003年の区県(自治県、市)の党政「トップ」の環境保全実績審査結果と各区県(自治県、市)、市級関係部門の完了状況についての報告がなされた。重慶市共産党委員会、市政府弁公庁は合同で2004年環境保全目標任務の分担を印刷・配布し、責任と任務が明確化された。
【環境法整備】
環境立法活動で新たな進展があった。重慶市政府が『重慶市飲用水源汚染防止管理規則』、『中心市街地の漏出し易い物質に対する密閉輸送の実施に関する通告』を発した。『重慶市環境保全条例』改定論証活動を引き続き展開し、『重慶市重大・特大環境汚染及び生態破壊事故応急試案』と『重慶市核安全事故応急試案』を起草、上申した。
環境法執行に更に力を入れた。全市範囲で「違法汚染物質排出企業の整備による大衆の健康の保障」及び鉱山生態環境保全検査等一連の特別法執行行動を展開し、企業8,939社を検査、違法汚染物質排出企業699社を取り締まった。2004年、全市の環境違法処分案件は1,785件に上り、処分案件は質・量ともに目立って上昇している。
【建設プロジェクト環境管理】
『環境影響評価法』を真摯に貫徹、環境アセスメントと「三同時」制度の執行率が100%となった。鉄鋼、電解アルミ、セメント、カーバイド、鉄合金、コークス、炭酸ストロンチウム等の業種に対する整理・整頓を行った。全市の1998~2002年に認可された1万5,137件の建設プロジェクトの「三同時」制度執行状況に対する全面的な精査が完了、違法プロジェクト258件が摘発された。工業パークの環境管理を強化し、2つの国家級開発区及び長寿化工パークと30の工業パークの環境アセスメント活動に対して整理を行い、建設プロジェクトがパーク入居条件に合致しているか否かの審査を強化した。
【都市環境総合整備】
渝北区は国家環境保護総局から国家環境保護モデル市街地に指定された。危険廃棄物経営許可証の申請プロセス及び危険廃棄物マニフェスト運用プロセスの規範化を図った。危険廃棄物と医療廃棄物処分場の建設を引き続き推進した。中心市街地と長寿危険廃棄物処理プロジェクトの環境アセスメント報告書が既に国家環境保護総局の確認・照合を終えた。中心市街地の北碚同興医療廃棄物処理センター(設計処理能力15t/日)が既に完成し試験運営に入った。万州医療廃棄物処理場(設計処理能力5t/日)も既にほぼ完成し、涪陵、黔江、永川の3ヵ所の医療廃棄物処理場については現在、準備活動の展開中である。廃鉛酸蓄電池加工利用企業の調査活動が完了した。
騒音汚染抑制活動が着実に展開された。『重慶日報』に45期延べ6,651台の違法クラクション車両を掲載、車両オーナーの自覚と公安交通管理部門へ出頭し処罰を受けるよう促した。建築施工騒音をめぐる夜間パトロール及び中学・高校・大学の試験期間中の環境騒音監督管理を強化した。黔江区等7つの区県(自治県、市)の環境騒音基準達成区が検収に合格、全市の新規(拡張)環境騒音基準達成区は53.8㎢に上り、完成済みの環境騒音基準達成区は累計227.2㎢に達した。豊都県三合鎮で1ヵ所、市級の静かなコミュニティが完成した。
【三峡ダム地区水質汚濁防止】
2004年、重慶市は汚水処理場6ヵ所、ゴミ処理場4ヵ所を新設した。新たに増強された汚水及びゴミ処理能力は20万t/日、2, 400t/日。全市累計で26ヵ所の汚水処理場及び18ヵ所のゴミ処理場が完成したこととなり、汚水及びゴミの総処理能力はそれぞれ74万t/日、7,398t/日に達した。中心市街地の排水事業は順調に進展しており、汚水分流メインパイプ及び設計上の1日当たり処理規模がそれぞれ60万t、30万tの2つの大型汚水処理場が基本的に完成し、通水を始めた。中心市街地の総処理規模3,500t/日の3つのゴミ処理場がいずれも全面的に完成した。現在、重慶市では更に24ヵ所の汚水処理場及び16ヵ所のゴミ処理場の建設が急ピッチで進められている。重慶市は既に運営を開始した施設の汚水収集管のネットワーク化及びゴミ回収・運搬システムの構築を加速するとともに、全市範囲内で生活汚水処理費と生活ゴミ処理費の徴収を開始、既に建設された汚水・ゴミ処理施設の効果及び利益を発揮している。
『重慶市飲用水源保護管理規則』を真摯に貫徹し、飲用水源保護区汚染源整備・整理活動を適切に展開、中心市街地21ヵ所の飲用水源における8lの飲用水源保護区に境界標識を設置した。中心市街地の飲用水源保護区内の6つの工業汚染源について全面的に整備を進め、保護区範囲内の16艘のレストランボートのうち10艘について整備が完了、残り6艘は保護区外へ移動した。中心市街地以外のその他の区県(自治県、市)の集中式飲用水源保護区の汚染対策、保護区境界標識の設置も既に完成した。中心市街地の集中式飲用水源の水質基準達成率は96.3%、その他の区県(自治県、市)は92.8%だった。
市政府は『我が市の2級河川水質汚濁総合整備活動の推進加速に関する意見』を印刷・配布した。桃花溪流域の総合整備は既に1期事業が完成、2期事業も既に始まっている。清水溪1期汚水分流メインパイプ工事は既に着工している。梁灘河、御臨河、桃花河のプロジェクトについては準備作業が既に完了、瀬溪河、大溪河、花溪河、彭溪河については既に流域水質汚濁総合整備計画が完成、残り10本の2級河川は計画編成等の準備作業が展開されている。
『三峡ダム地区及びその上流の水質汚濁防止計画』に組み込まれた65件の重点工業汚染対策プロジェクトは、既に29件が完了した。重慶民豊農化公司のクロム含有廃水処理場は既に完成、運営が開始されている。1日当たりのクロム含有廃水処理量は800㎥、クロム含有廃水分流堰堰工事は既に完成した。電気メッキ業の汚染対策を展開、全市176社の電気メッキ業者(工場)に対する汚染対策が完了した。炭酸ストロンチウム事業の汚染対策が完了、小規模の炭酸ストロンチウム取扱事業者の操業を停止、一定規模以上の企業には厳格な汚染対策措置を講じた。
12艘の大中型船舶の生活汚水整備モデル事業及び20艘余りの船舶の汚水整備事業が完了した。
ダム地区本流及び支流の川面浮遊物及び岸辺のゴミの引き上げと清掃が実施された。回収された川面浮遊物は5万t以上に上った。三峡ダムの3、4期貯水ダム底の固形廃棄物調査を展開、調査の結果、生活ゴミ339万6,400t、一般工業固形廃棄物332万7,200t,危険廃棄物53万800t,廃放射源1つがあることが判明した。
【自然生態系保護】
小都市における環境保全活動が着実に推進された。重慶市政府は『都市化過程における環境保全活動の強化に関する意見』に意見を書き込んで関係機関に転送した。全市の45の主要な鎮で環境計画編成活動が開始された。南岸の黄桷椏等8つの鎮の環境保全計画は既に完成している。南岸の黄桷椏鎮におけるアメニティ郷鎮の創設は既に市級専門家チームの審査・検収にパスした。
観光景観区の環境保全活動が積極的に展開された。大足石刻、万盛黒山谷、豊都名山、永川重慶野生動物園が既に市級環境保護モデル景観区に指定された。
自然保護区建設で新たな進展があった。黔江小南海国家級自然保護区の申請活動が完了した。涪陵大木山、綦江老瀛山、豊都南天湖、雲陽歧躍山の4つの市級自然保護区が新設された。全市の自然保護区のカバー率は既に10.26%に達している。
生態環境の構築が更に強化された。退耕還林[3]10万6,700ha、天然林の管理保護238万8,000haが完了、封山育林[4]は3万1,400ha、水土流失の整備は2,530万8,000k㎡に達し、新たに増えた保護面積は3,800k㎡、山水園林都市4ヵ所が新設された。全市の森林被覆率は27.1%に達し、中心市街地の緑化被覆率は2.1ポイント増加した。
農村及び農業環境保全活動が強化された。大足国家級生態モデル区の建設試行活動が国家検収グループの審査・検収に合格、巫山県の3,700haに及ぶ有機食品基地が国家認証を取得、家畜・家禽飼育汚染対策モデル活動が展開され、全市で既に100万㎥以上の大中型メタン処理拠点5lヵ所が設けられ、年間72万tの家畜・家禽の糞便処理能力を備えた有機複合肥料生産場7ヵ所が完成した。
【市街地の大気汚染防止】
2004年、重慶市は自動車排気ガスの汚染抑制を強化、中心市街地の9人乗り以下のキャブレタータイプの小型車累計3万台をEFI及び三元触媒に改造、CNG車への改造は1万2,000台を数え、19人乗り以下のディーゼル車1,400台について、中心市街地での走行を禁止した。累計33ヵ所のCNGスタンドを設けた。全市の車両年検[5]台数は40万3,700台,路検[6]台数は3万7,177台に上り、排気ガス年検初回検査基準達成率と路検基準達成率はそれぞれ93.5%、80.9%に達した。大気汚染企業4社について閉鎖、移転、改造、調整が完了した。重慶九竜電力股フン公司の20万kw設備の排煙脱硫工事が完了、試験運営が開始された。
施工による揚塵抑制の大検査を展開、相次いで6回にわたり354ヵ所の基準未達成の大気汚染源リストを報告、関係組織に対する整備・改造を促した。中心市街地の幹線道路をアスファルト道路に改造した。中心市街地において、漏出し易い物質に対する密閉輸送を実施、車両3,500台の密閉改造が完了した。中心市街地「100人動員・100日行動」合同法執行活動を展開、60ヵ所余りの固定の法執行番所と40ヵ所の移動法執行検査拠点を設置し、密閉輸送処置を施していない車両や路上放散がある車両に対する処分を行った。工業炉粉(煙)塵の整備・改造157台、飲食業の油煙排ガス汚染対策575ヵ所を完了、いずれも年間計画任務を超過達成した。31ヵ所の基本的に石炭の燃焼がない区・街道(鎮)が新設され、都市化区域では基本的に石炭の燃焼がない区が既に全面的に完成している。
【環境モニタリング】
環境質定例モニタリングの完了を踏まえて、ダム地区の13本の支流に対する水質警告・緊急モニタリング活動を展開、回水区水質モニタリング月報制度を確立した。渝北、黔江、南川の3ヵ所に環境空気自動ステーションが新設された。環境汚染緊急モニタリング活動を強化し、「4·16」天原化工総廠の液体塩素漏れ、達州紅岩化工廠のシアン化物漏れ等延べ30回余りに及ぶ汚染事故の緊急モニタリングを完了した。ダム地区17ヵ所の既存汚水処理場のうち、10ヵ所についてオンラインモニタリング装置の設置が基本的に完了した。
【環境科学技術】
「四大行動計画」と地表水、中心市街地の大気環境容量の確定等、重大科学研究課題研究が着実に展開された。大気汚染防止行動計画の成果は既に「藍天行動」実施プランに盛り込まれた。水質汚濁防止行動計画の成果を受けて、現在「碧水行動」実施プランを編成中である。汚染源調査行動計画は既にデータ調査及び整理が完了、既に『重慶市汚染源データバンク技術プラン及び活動プラン』の編成が完了し、現在データバンクを構築中である。生態保護行動計画ではサブプロジェクト4件の検収が完了、現在総報告を編纂中である。
【環境情報構築】
環境情報化構築の進度が加速している。『重慶市環境保護情報化計画』(2005~2010年)が編成され、「重慶環境地理情報システム」1期構築(重慶大気汚染モニタリング地理情報システム)が完成した。
【核安全及び放射環境管理】
核技術応用組織放射安全許可証制度、放射源移転報告登記制度及び放射線事故緊急処理制度等が確立された。重慶市都市放射性廃棄物倉庫建設プロジェクトが順調に進んでいる。「放射源の精査による大衆の懸念解消」特別行動を展開、このうち197の廃放射源に対して集中貯蔵を実施した。電磁輻射建設プロジェクト環境保全許認可業務の規範化が図られた。
【環境広報・啓蒙】
環境保全センチュリーキャラバン及び「6·5」シリーズの広報活動が引き続き展開された。全市36の区県(自治県、市)と5つの大学、中学で40回余りにわたり「環境警示教育図画巡回展」が行われ、120万人余りが見学した。小中学生環境原稿募集コンテスト活動及び「グリーンスクール」、「グリーン幼稚園」、青少年環境教育基地等の創設活動が精力的に展開された。全市で市級「グリーンスクール」55校、市級「グリーン幼稚園」14園、青少年環境教育基地2ヵ所が新設された。重慶市環境保全事業創始30周年を記念する一連の活動が展開され、環境保全事業に対して際立った貢献があった団体・個人が表彰された。
【環境に対する投書・陳情】
民衆の提案及び投書・陳情を真摯に処理した。2004年の「両会」期間中に、重慶市環境保護局が受理した提案は計73件(うち市人大代表の提案33件、市政治協商会議委員の提案40件)で、処理率及び満足率は100%だった。民衆からの投書は458件、民衆からの陳情は76回・213人で、全案件の処理率は100%、一般投書・陳情への回答率は95%、特別整備案件の処理率は100%だった。「12369」受理センターが受けた民衆からの苦情は計1万9,787件に上り、すべて既に処理を完了している。
【人事異動】
2004年5月、重慶市共産党委員会、市政府は張紹志氏の重慶市環境保護局党グループ書記、局長の職務を年齢規定により解き、市共産党委員会巡視グループのリーダーに転任させた。徐淑碧氏の党グループメンバー、副局長の職務を解かれ、同氏は巡視員に異動。曹光輝氏を重慶市環境保護局党グループ書記、局長に任命。黄紅、張智奎の両氏を局党グループメンバー、副局長に任命した。
【機構及び部隊構築】
核安全監督管理機能の見直しと放射線環境監督管理ステーションの構築が完了、重慶市固形廃棄物管理センターが発足した。環境監察及びモニタリング標準化構築が強力に推進され、全市24の区県(市)と1つの区でそれぞれ環境監察、モニタリング標準化構築基準達成検収が終了した。
全市環境保全部門(重点は局部門)について行政評価活動が展開された。重慶市環境保護局が全市8ヵ所の行政評価重点組織で評価を行ったところ、民衆満足度は2位だった。執務風紀評議活動の展開によって、機関における業務姿勢に顕著な成果が見られ、市環境保護局は円滑に市級文明組織の創設検収に合格した。全市40の区・県(自治県、市)環境保護局は現地の執務風紀評議総合評価において比較的良好な成績をあげた。うち、北碚、開県、忠県、巫溪、酉陽の5つの区・県環境保護局は1位を獲得した。
【対外協力・交流】
国際協力及び対外交流で新たな進展があった。世銀第2期借款による「重慶環境モニタリングセンター水環境モニタリング能力プロジェクト」について、環境モニタリング設備と分析設備の2つの国際調達契約が完了、設備の検収が既に行なわれた。日中環境モデル都市・重慶市重点汚染源自動監視制御システム構築が順調に進展し、現場モニタリングステーション建設任務が基本的に完了、監視制御センターのデータ通信及び情報発信機能が基本的に実現し、汚染源自動モニタリング要件を満たした。 (許声強)
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[1] 全国人民代表大会と政治協商会議―――訳注
[2] 党と政府―――訳注
[3] 林を開墾してできた耕地に再び植林すること―――訳注
[4] 伐木・放牧などを一定期間禁じ、森林を造成すること―――訳注
[5] 商工局が毎年行う車両の検査。これを受けないと公道走行ができない―――訳注
[6] 警察が行う路上での検査―――訳注
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