概 要
2002年、我が国の国内総生産(GDP)は前年比8%増、人口自然増加率は6.45‰という状況であったが、汚染処理対策は継続して強化されたため、工業廃水と工業アンモニア性窒素の排出量を除く、その他の主要産業汚染物質排出量は昨年よりそれぞれ減少し、産業汚染物質排出の基準達成率がある程度高められた。2002年の工業廃水排出量は前年比2.3%増、工業化学的酸素要求量(COD)排出量は3.9%減、工業アンモニア性窒素排出量は1.9%増、産業固形廃棄物排出量は8.9%減、工業二酸化硫黄(SO2)排出量は0.3%減、ばい塵排出量は5.6%減、粉塵排出量は5.0%減であった。工業廃水排出の基準達成率は昨年より2.7%向上し、工業二酸化硫黄排出の基準達成率も昨年より10.9%向上した。
我が国の都市における生活汚水処理力の強化および都市・農村での生活用ガス普及率の絶えまぬ上昇に伴い、生活汚水と生活アンモニア性窒素の排出量を除く、その他の生活汚染物質の排出量は昨年よりある程度減少した。2002年、都市生活汚水処理率は22.3%に達し、前年より3.8%上昇した。生活COD排出量は前年比1.8%減、生活二酸化硫黄排出量は4.3%減、生活ばい塵排出量は4.4%減少した。
環境保全への資金投入については、政府、企業、社会資本、外資の多元化した資金投入ルートが引き続き重要な効力を発揮している。2002年、環境汚染対策への投入額は1,363億4,000万元で、同年GDPの1.33%に当たる。(前年比0.18%増)そのうち、工業汚染対策プロジェクトへの投入額は188億4,000万元で、「三同時」 [1]プロジェクトの環境保全事業向けへの投資額は389億7,000万元、都市環境インフラ整備向けの投資額は785億3,000万元であった。
2002年、全国環境保全系統の各級機構は1万1,798ヵ所、従業員数は15万4,000人であった。環境アセスメント制度の実施状況は良好で、実施率は98.3%、「三同時」実施率は安定して上昇し、実施合格率は96.1%(前年比0.1%増)となった。排汚費億4,000万元で、「三同時」 [2]徴収総額は67億4,000万元で、排汚費使用総額は徴収額の98.8%に上る。生態環境保全も強化され、2002年末での全国自然保護区は1,757ヵ所に達し、前年より206ヵ所増えている。全国で継続して汚染物質排出申告と汚染物質排出許可書制度を推進。都市環境の総合整備は強化され、汚染対策への注力度は大幅に高められた。
1. 統計対象企業の基本状況
2002年、全国重点調査統計の対象となった汚染物質を排出した企業数は7万831社で、対象外となったその他の非重点企業の汚染物質排出量に対しては、推計が行われた。
重点統計企業の工業総生産額は6兆1,000億元(時価計算)、企業内で専門に環境保全業務に従事する者は17万4,000人だった。これら企業に設置されている廃水対策施設は6万3,000セット、除去された工業CODや工業アンモニア性窒素など汚染物質は1,774万t、投入された施設稼動費は181億元に上り、約184億tの工業廃水が6万2,630ヵ所の排出口(うち1,303ヵ所は海に直接流入する汚水排出口)を通じて排出された。使用中の工業オイラーは8万6,000台、工業炉・かまどは8万3,000台で、13万8,000セットの廃ガス対策施設が据え付けられ、設備稼働費として147億元(前年比32%増)が投入された。これらの処理設備によってばい塵1億3,998万t、粉塵5,570万tが除去され、そのうち脱硫設備は1万8,783セットで、二酸化硫黄698万tが除去された。
2. 廃水
2.1 全国の廃水および主要汚染物質排出状況
1)全国の廃水排出状況
2002年の全国の廃水排出総量は439億5,000万tで、前年に比べ1.5%伸びた。
表1 全国の廃水およびCOD排出量の年度別比較
項目
年度 |
廃水排出量
(億t) |
COD排出量
(万t) |
アンモニア性窒素排出量
(万t) |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
1998年 |
395.3 |
200.5 |
194.8 |
1495.6 |
800.6 |
695.0 |
― |
― |
― |
1999年 |
401.1 |
197.3 |
203.8 |
1388.9 |
691.7 |
697.2 |
― |
― |
― |
2000年 |
415.2 |
194.2 |
220.9 |
1445.0 |
704.5 |
740.5 |
― |
― |
― |
2001年 |
433.0 |
202.6 |
230.3 |
1404.8 |
607.5 |
797.3 |
125.2 |
41.3 |
83.9 |
2002年 |
439.5 |
207.2 |
232.3 |
1366.9 |
584.0 |
782.9 |
128.8 |
42.1 |
86.7 |
増減率(%) |
1.5 |
2.3 |
1.0 |
-2.7 |
-3.9 |
-1.8 |
2.9 |
1.9 |
3.3 |
注:増減率は2002年と2001年の比較を意味する。以下同様。
工業廃水の排出量は207億2,000万tで、廃水排出総量の47.1%を占めた。工業廃水の排出量は前年に比べて4億5,000万t増加し、2.3%増となった。
生活廃水排出量は232億3000万tで、廃水排出総量の52.9%を占めた。生活廃水排出量は前年に比べて2億3000万t増加し、1.0%増となった。
工業廃水と生活廃水排出量の増加率は前年を下回り、それぞれ廃水排出量に占める割合に変化があり、生活廃水はやや減少し、工業廃水はやや増加した。
2)全国のCOD排出状況
2002年、廃水中のCOD排出量は1,367万tで、前年に比べ2.7%減少した。
工業廃水中のCOD排出量は584万t(同3.9%減)で、24万t減少した。工業COD排出量はCOD排出総量の42.7%を占め、前年よりやや減少した。
生活廃水中のCOD排出量は783万t(前年比1.8%減)で、14万t減少した。生活COD排出量はCOD排出総量の57.3%を占め、前年よりやや増加した。

図1 全国の廃水排出量の年度別比較
表1、図1より、工業廃水排出量は、2001年から緩やかに増加していることが見て取れる。また、生活廃水排出量は1999年~2002年、工業廃水排出量を超え、生活廃水排出量は連続増加の傾向を示し、廃水排出総量は毎年逓増している。

図2 全国COD排出量の年度別比較
2002年、生活COD排出量は1998年より減少をたどっているが、依然工業COD排出量を上回っている。工業COD排出量が目立って減少したことが奏功し、全国のCOD排出量は引き続き減少傾向にある。(図2参照)
3)全国のアンモニア性窒素排出状況
2002年、廃水中のアンモニア性窒素排出量は129万tで、前年に比べ2.9%増加した。そのうち、工業アンモニア性窒素排出量は42万t(前年比1.9%増)で、アンモニア性窒素排出総量に占める割合は32.6%であった。生活アンモニア性窒素排出量は87万t(前年比3.3%増)で、アンモニア性窒素排出総量に占める割合は67.4%となった。
4)全国の廃水中のその他主要汚染物質排出状況
2002年、工業廃水中のその他の主要有毒汚染物質(水銀、カドミウム、六価クロム、鉛、砒素、揮発性フェノール、シアン化物(青酸化物))排出量は4,000tで、そのうちシアン化物排出量は773t(前年比14.1%減)、揮発性フェノール排出量は2,132t(前年比12.8%減)であった。工業廃水中の石油類排出量は2万5,000tで、前年比13.8%減であった。
全国の工業廃水中の鉛や砒素の排出量は直線的に減少してきたが、2002年は緩やかな減少となった。水銀、カドミウム、六価クロムの排出量はやや減少した。(図3を参照)
以上の重金属排出傾向から、環境保全部門の重視のもと、我が国の工業廃水中の重金属排出状況は既に効果的に抑制されていることが見て取れる。が、そのリバウンド防止策の管理を強める以外に、やや偏りのある工業廃水汚染物質規制の重点を、アンモニア性窒素、総リン等その他の汚染物質に移行するべきであろう。

図3 工業廃水中の重金属5種類の排出変化
2.2 地域別廃水および主要汚染物質排出状況
1) 地域別廃水排出状況
2002年、廃水排出量が20億tを超えた地域は広東、江蘇、浙江、河南、湖北、山東、四川、湖南の8つで、これら地域の合計廃水排出量は232億9,000万tとなり、全国の廃水排出量の53.0%を占める。工業廃水排出量が最も多いのは江蘇で、生活廃水排出量が最も多いのは広東となっている。

図4 地域別廃水排出状況
2)地域別COD排出状況
COD排出量が60万tを超えている地域は、順に、広東、四川、山東、広西、江蘇、河南、湖南、湖北、河北で、この9つの地域の合計COD排出量は、全国COD排出量の52.4%を占める。(図5参照)図6からわかるように、広西の工業COD排出量濃度が最も高く、これは、当地の相対的に発達している製糖業と因果関係がある。生活COD排出濃度が最も高いのは四川省となっている。全国COD排出量分布は図7を参照。

図5 地域別COD排出状況

図6 重点廃水排出省のCOD濃度対比

図7 全国COD排出量分布
3)地域別アンモニア性窒素排出状況
アンモニア性窒素排出量が6万tを超えている地域は順に、湖南、広東、山東、河南、江蘇、湖北、河北、浙江、遼寧、四川で、これら10地域のアンモニア性窒素排出量は、全国アンモニア性窒素排出量の60.1%を占める。10地域中、湖南、河北、浙江における生活アンモニア性窒素排出量は工業アンモニア性窒素排出量をやや下回っているが、その他7地域では、おしなべて生活アンモニア性窒素排出量が工業アンモニア性窒素排出量を大きく上回っている。(図8参照)

図8 地域別アンモニア性窒素排出状況
2.3 工業業種別廃水および主要汚染物質排出状況
1)業種別廃水排出状況
2002年、廃水排出量の10%以上を占める業種は、順に、化学製品製造業、製紙業、電力業、鉄金属製錬業で、各業種の廃水排出量が重点統計企業廃水排出量に占める割合はそれぞれ17.5%、17.4%、11.4%、10.3%となり、廃水排出合計量は重点統計企業廃水排出量の56.5%を占める。

図9 工業業種別廃水およびCOD排出状況
2)業種別COD排出状況
2002年、COD排出量の70%を占める業種のうち、上位3業種は昨年同様、製紙業、食品・タバコ加工および食品・飲料品製造業、化学製品製造業で、4番目は紡織業となった。(図9参照)
表2 重点業種の廃水中のCOD排出比率の推移 (単位:%)
業 種 |
1998年 |
1999年 |
2000年 |
2001年 |
2002年 |
製紙業 |
45.9 |
43.2 |
43.8 |
40.8 |
35.3 |
食品・タバコ加工および食品・飲料品製造業 |
22.6 |
24.3 |
24.7 |
20.5 |
23.0 |
化学製品製造業 |
8.4 |
8.2 |
7.4 |
9.3 |
10.5 |
紡織業 |
4.7 |
5.3 |
5.9 |
4.8 |
5.7 |
累計 |
81.6 |
80.9 |
81.8 |
74.9 |
74.6 |
表2より、製紙業のCOD排出量の占める比率は、5年間で約10%減少し、そのほか3つの業種の占める比率はやや上昇した。
表3 重点業種別1万元当たり生産額にかかるCOD排出の推移 (単位:t/万元)
業 種 |
1998 |
1999 |
2000 |
2001 |
2002 |
平均値 |
製紙業 |
0.462 |
0.332 |
0.249 |
0.168 |
0.121 |
0.267 |
食品・タバコ加工および
食品・飲料品製造業 |
0.034 |
0.035 |
0.029 |
0.019 |
0.017 |
0.027 |
化学製品製造業 |
0.021 |
0.015 |
0.010 |
0.010 |
0.010 |
0.013 |
紡織業 |
0.014 |
0.013 |
0.013 |
0.008 |
0.009 |
0.011 |
表3より、製紙業のCOD平均排出強度は0.267t/万元で、その次は食品・タバコ加工および食品・飲料品製造業で0.027t/万元、化学製品製造業と紡織業の平均排出強度は、ほtど同レベルである。ここ5年間で、製紙業のCOD排出強度は大幅に下降したが、そのほかの業種でもやや下降が見られた。(図10参照)しかし、依然として製造業のCOD平均排出強度はその他3つの業種の10~20倍であることから、製紙業はCOD削減、単位あたりの生産額排出量を下げる必要のある重点業種である。

図10 重点業種別COD排出強度の推移
3) 業種別アンモニア性窒素排出状況
2002年、重点統計企業のアンモニア性窒素排出量の10%以上を占める業種は、主に化学製品製造業と製紙業で、この2つの業種が占める割合はそれぞれ50.8%、14.4%となっており、全体の65.2%を占める。(図11参照)

| 図11 工業業種別アンモニア性窒素排出状況 |
図12 三峡ダム地区およびその上流各省の廃水排出状況 |
2.4 三峡ダム地域およびその上流に流入する廃水と主要汚染物質状況
2002年、三峡ダム地域およびその上流に流入する廃水は34億8,000万t(前年比11.2%減)で、そのうち工業廃水は19億6,000万t(前年比3.9%減)で、生活廃水は15億2,000万t(同19.0%減)となっている。(表4参照)
流入CODは126万2,000t(前年比8.1%減)で、そのうち工業CODは56万5,000t(前年比9.7%減)、生活CODは69万7,000t(同6.7%減)となっている。
流入アンモニア性窒素は8万1,000t(前年比8.2%減)で、そのうち工業アンモニア性窒素は2万3,000t(同32.4% 減)、生活アンモニア性窒素は5万8,000t(同17.6%減)であった。
三峡ダム地域およびその上流の四川省で排出される廃水・COD・アンモニア性窒素量が最も多く、ついで重慶、貴州、雲南、湖北となっている。三峡ダム貯水後の水質を保証するために、三峡ダム地区への廃水・COD、アンモニア性窒素などの汚染物質排出を規制しなければならない。(図12参照)
表4 三峡ダム地域およびその上流の主要汚染物質排出状況
区 域 |
省・直轄市 |
廃水排出量(億t) |
COD排出量(万t) |
アンモニア性窒素排出量(万t) |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
ダム地域 |
湖北 |
0.84 |
0.09 |
0.93 |
0・10 |
0.29 |
0.39 |
0.02 |
0.03 |
0.05 |
重慶 |
5.26 |
3.38 |
8.64 |
8.00 |
10.51 |
18.51 |
0.64 |
1.00 |
1.60 |
合計 |
6.10 |
3.50 |
9.60 |
8.10 |
10.80 |
18.90 |
0.70 |
1.00 |
1.70 |
影響が及ぼす地域
|
湖北 |
0.02 |
0.07 |
0.09 |
0.11 |
0.24 |
0.35 |
0.01 |
0.03 |
0.04 |
重慶 |
2.69 |
1.17 |
3.90 |
4.73 |
4.09 |
8.80 |
0.40 |
0.39 |
0.80 |
四川 |
1.39 |
1.19 |
2.58 |
5.24 |
8.17 |
13.41 |
0.28 |
0.64 |
0.92 |
貴州 |
0.07 |
0.12 |
0.19 |
0.31 |
0.60 |
0.91 |
0.01 |
0.05 |
0.06 |
合計 |
4.20 |
2.60 |
6.80 |
10.40 |
13.10 |
23.50 |
0.70 |
1.10 |
1.80 |
上流地域 |
重慶 |
0.04 |
0.09 |
0.13 |
0.10 |
0.31 |
0.40 |
- |
0.03 |
0.03 |
四川 |
7.76 |
6.26 |
14.02 |
36.02 |
30.99 |
67.01 |
0.80 |
2.51 |
3.31 |
貴州 |
0.93 |
2.13 |
3.06 |
0.90 |
10.28 |
11.18 |
0.08 |
0.81 |
0.89 |
雲南 |
0.57 |
0.62 |
1.19 |
0.98 |
4.26 |
5.24 |
0.05 |
0.35 |
0.40 |
合計 |
9.30 |
9.10 |
18.40 |
38.00 |
45.80 |
83.80 |
0.90 |
3.70 |
4.60 |
総 計 |
19.60 |
15.20 |
34.80 |
56.50 |
69.70 |
126.20 |
2.30 |
5.80 |
8.10 |

図13 三峡ダム地域、上流地域、影響が及ぼす地域分布図
2.5 重点流域に流入する廃水および主要汚染物質状況
2002年、我が国の長江、黄河、珠江、松花江、「三河三湖」 [3]の重点流域の5万3,722社の企業を調査統計したところ、全統計企業数の75.8%を占め、基本的に前年と同じであった。
重点流域に流れ込む廃水は351億tで、全国廃水排出総量の79.9%を占めた。そのうち、工業廃水は145億tで全国工業廃水排出量の69.9%を占める。(前年比2.8%増)
また、流入生活廃水は206億tで全国生活廃水排出量の88.7%を占める。工業廃水排出の基準達成率は89.4%で、前年より2.9%上昇した。(表5、図14参照)
表5 重点流域における工業企業による廃水排出状況
流域名 |
廃水(億t) |
COD(万t) |
アンモニア性窒素(万t) |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
遼河 |
11.1 |
4.4 |
6.7 |
47.8 |
10.3 |
37.5 |
4.9 |
0.5 |
4.3 |
海河 |
35.7 |
15.7 |
20.0 |
113.2 |
46.5 |
66.7 |
12.9 |
4.6 |
8.3 |
淮河 |
36.8 |
13.4 |
23.4 |
102.8 |
25.8 |
77.0 |
13.9 |
3.7 |
10.2 |
巣湖 |
15.3 |
0.8 |
14.5 |
34.3 |
0.9 |
33.3 |
3.9 |
0.2 |
3.7 |
太湖 |
27.1 |
11.4 |
15.6 |
47.4 |
10.9 |
36.5 |
4.6 |
1.2 |
3.4 |
デン池 |
1.5 |
0.2 |
1.3 |
4.0 |
0.3 |
3.7 |
0.3 |
0.01 |
0.2 |
長江 |
162.0 |
71.3 |
90.5 |
481.1 |
137.7 |
342.4 |
45.9 |
13.7 |
32.1 |
黄河 |
36.4 |
15.5 |
21.0 |
140.4 |
61.6 |
78.8 |
15.1 |
5.1 |
10.1 |
珠江 |
51.0 |
18.1 |
32.9 |
134.1 |
50.8 |
83.3 |
9.4 |
2.2 |
7.2 |
松花江 |
17.8 |
6.3 |
11.5 |
74.8 |
16.6 |
58.1 |
7.7 |
0.6 |
7.1 |
合計 |
350.6 |
144.6 |
206.0 |
1093.1 |
349.3 |
743.8 |
109.8 |
30.4 |
79.3 |
注:“三湖”のデータは“長江”流域のデータに含まれている。

図14 重点流域廃水流入状況
重点流域COD流入量は1,093万t、全国COD排出量の80%を占める。流入工業CODは349万tで、全国工業COD排出量の60%を占め、流入工業CODは前年比7%減であった。流入生活CODは744万t、全国生活COD排出量の95%を占める。(図15参照)

図15 重点流域COD流入状況
重点流域流入アンモニア性窒素は110万tで(図16)、全国アンモニア性窒素排出量の85%を占める。流入工業アンモニア性窒素は30万tで、全国工業アンモニア性窒素排出量の71%を占める。流入生活アンモニア性窒素は79万tで、全国生活アンモニア性窒素排出量の91%を占める。

図16 重点流域アンモニア性窒素流入状況
2.6 「三河三湖」重度汚染業種のCODとアンモニア性窒素排出状況
1) 遼河
遼河の重度汚染業種は製紙業、飲料品製造業、製薬業、鉄金属製錬業、化学製品製造業、食品加工業である。製紙業のCOD汚染寄与率が32%で最高であるが、経済寄与率は最低で、0.7%に過ぎず、汚染寄与率はその経済寄与率の46倍である。そのほかの業種のCOD汚染寄与率は比較的近似している。アンモニア性窒素汚染寄与率が高いのは化学製品製造業と鉄金属製錬業であるが、鉄金属製錬業は遼河流域で唯一経済寄与率が汚染寄与率を超えている業種である。
表6 遼河流域重度汚染業種の経済・汚染寄与率 (単位:%)
業 種 |
経済寄与率 |
COD汚染寄与率 |
アンモニア汚染寄与率 |
製紙業 |
0.7 |
32.0 |
1.3 |
飲料品製造業 |
1.6 |
10.5 |
7.4 |
製薬業 |
2.0 |
10.4 |
3.8 |
鉄金属製錬業 |
23.9 |
7.7 |
16.5 |
化学製品製造業 |
4.6 |
7.6 |
39.2 |
食品加工業 |
1.8 |
7.0 |
3.9 |
合計 |
34.6 |
75.2 |
72.1 |
注:経済寄与率とはある業種の工業総生産額(時価)と統計業種の総生産額(時価)の比率。汚染寄与率とはある業種の特定汚染物質排出量と統計業種の特定汚染物質排出総量の比率。以下同様。
2) 海河
海河流域の主な重度汚染業種は、製紙業、製薬業、化学製品製造業、食品製造業、鉄金属製錬業、電力業である。製紙業の海河流域COD汚染寄与率が最も高い(39.9%)が、その経済寄与率は僅か2.4%。アンモニア性窒素汚染寄与率が最も高い業種は、化学製品製造業で43.7%となっている。(表7参照)
表7 海河流域重度汚染業種の経済・汚染寄与率 単位(%)
業 種 |
経済寄与率 |
COD汚染寄与率 |
アンモニア性窒素汚染寄与率 |
製紙業 |
2.4 |
39.9 |
19.2 |
製薬業 |
3.1 |
15.4 |
3.3 |
化学製品製造業 |
7.4 |
9.9 |
43.7 |
食品製造業 |
2.1 |
6.3 |
2.6 |
鉄金属製錬業 |
14.7 |
4.3 |
3.1 |
電力業 |
6.7 |
3.4 |
1.1 |
合 計 |
36.4 |
79.2 |
73 |
3) 淮河
淮河流域の重度汚染業種は主に製紙業、化学製品製造業、飲料品製造業、紡織業、食品製造業である。この5つの業種の経済寄与率の合計は26.6%、COD汚染寄与率の合計は78.4%、アンモニア性窒素汚染寄与率の合計は94.2%となっている。これら業種は、政府の産業構造調整、生産能力削減を行う上での最も重要な対象業種となるべきである。(表8参照)
表8 淮河流域重度汚染業種の経済・汚染寄与率 単位:%
業 種 |
経済寄与率 |
COD汚染寄与率 |
アンモニア性窒素汚染寄与率 |
製紙業 |
3.6 |
47.5 |
4.0 |
化学製品製造業 |
9.4 |
16.2 |
77.3 |
飲料品製造業 |
3.5 |
5.9 |
1.8 |
紡織業 |
7.2 |
4.6 |
0.7 |
食品製造業 |
2.9 |
4.2 |
10.4 |
合 計 |
26.6 |
78.4 |
94.2 |
4) 巣湖
巣湖流域の重度汚染業種は鉄金属製錬業、化学製品製造業、非鉄金属製錬業、電気機械・機械製造業である。鉄金属製錬業の経済寄与率はわずか5.9%、COD汚染寄与率は39.2%にのぼり、アンモニア性窒素汚染寄与率は30.0%となっている。アンモニア性窒素汚染寄与率が最も高いのは化学製品製造業で、44.1%であるが、その経済寄与率は僅か6.8%。電気機械・器材製造業の経済寄与率は相対的に最も高く、汚染寄与率は最も低い。(表9参照)
表9 巣湖流域重度汚染業種の経済・汚染寄与率 単位:%
業 種 |
経済寄与率 |
COD汚染寄与率 |
アンモニア性窒素汚染寄与率 |
鉄金属製錬業 |
5.9 |
39.2 |
30.0 |
化学製品製造業 |
6.8 |
19.1 |
44.1 |
非鉄金属製錬業 |
1.8 |
10.0 |
0.2 |
電気機械・器材製造業 |
15.7 |
8.5 |
0.7 |
合計 |
30.2 |
76.8 |
75.0 |
5) デン池
デン池の主な重点汚染業種は、鉄金属製錬業とタバコ加工業である。鉄金属製錬業の経済寄与率は20%、COD汚染寄与率は83.4%、アンモニア性窒素汚染寄与率は90.4%となっている。タバコ加工業の経済寄与率は相対的に最も高く48.8%で、COD汚染寄与率とアンモニア性窒素汚染寄与率は相対的に低く、それぞれ5.4%、1.4%となっている。(表10参照)
表10 デン池流域の重点汚染業種の経済・汚染寄与率 単位:%
業 種 |
経済寄与率 |
COD汚染寄与率 |
アンモニア性窒素汚染寄与率 |
鉄金属製錬業 |
20.0 |
83.4 |
90.4 |
タバコ加工業 |
48.8 |
5.4 |
1.4 |
紡織業 |
0.4 |
2.3 |
0.8 |
製薬業 |
7.3 |
1.9 |
0.7 |
合計 |
76.5 |
93.0 |
93.3 |
デン池の水質改善のためには、雲南省の鉄金属製錬業による廃水・COD・アンモニア性窒素などの大量排出規制がポイントである。
6) 太湖
太湖流域の主な重点汚染業種は、紡織業、化学製品製造業、製紙業、鉄金属製錬業、食品加工・製造業で、COD汚染寄与率が最も高いのは紡織業で30.2%に達した。これは、江蘇・浙江地域でのシルク産業やアパレル業が発達していることと多少因果関係があるが、同時に紡織業の経済寄与率もこのなかで最も高い。いかに、地方経済の発展を支援するという前提のもとで、汚染物質排出を減少させるか、は、研究する価値がある。アンモニア性窒素汚染寄与率が最も高いのは食品加工・製造業であるが、その経済寄与率は逆に低く、3.9%となっている。表11参照。
表11 太湖流域重点汚染業種の経済・汚染寄与率 単位:%
業 種 |
経済寄与率 |
COD汚染寄与率 |
アンモニア性窒素汚染寄与率 |
紡織業 |
13.1 |
30.2 |
9.2 |
化学製品製造業 |
8.4 |
22.5 |
19.6 |
製紙業 |
1.9 |
11.5 |
2.4 |
鉄金属製錬業 |
11.5 |
6.6 |
3.9 |
食品加工・製造業 |
3.9 |
2.3 |
42.7 |
合計 |
38.8 |
73.1 |
77.8 |
「三河三湖」流域の業種別COD・アンモニア性窒素排出状況を分析してわかることは、その重度汚染業種は主に製紙業、化学製品製造業、鉄金属製錬業、食品・飲料加工製造業で、これらの業種の経済寄与率はみな低く、汚染寄与率は逆に高いということである。
各重度汚染業種の経済寄与率と汚染寄与率の差は大きい。製紙業の経済寄与率は他と比較すると最低であるが、汚染寄与率(特にCOD)は最も高い。化学製品製造業のアンモニア性窒素汚染寄与率は比較すると最も高く、その汚染寄与率は経済寄与率の約6~9倍である。鉄金属製錬業の経済寄与率はその汚染寄与率に対して比較的高く、食品・飲料加工製造業の経済寄与率と汚染寄与率は、化学製品製造業と鉄金属製錬業の中間である。
業種毎に各汚染物質排出寄与率が異なる。例えば、製紙業は主にCODを排出し、アンモニア性窒素排出は少ない。化学製品製造業のアンモニア性窒素排出寄与率は高く、COD排出寄与率は低い。鉄金属製錬業のCOD排出寄与率とアンモニア性窒素排出寄与率の差はほとんどない。
2.7 「南水北調」[4]事業東ライン沿線の流入廃水および主要汚染物質状況
「南水北調」事業の東ラインは、6つの省市の101の県(区、市)を通過し、その内訳は、天津3ヵ所、河北24ヵ所、江蘇17ヵ所、安徽4ヵ所、山東43ヵ所、河南10ヵ所となっている。図17参照。

図17 南水北調工事ルート見取り図
沿線の重点調査企業数は2,957社で、工業廃水排出量は8億576万t、工業COD排出量は24万8,000t、工業アンモニア性窒素排出量は2万4,000t、そのほかの汚染物質排出量は546tとなっている。沿線各地の工業廃水の平均排出基準達成率は93.5%であった。
沿線総人口は、7390万200人で、そのうち都市非農業人口は1308万4,700人。2002年、生活廃水排出量は6億8,791万t、生活COD排出量は27万8,000t、生活アンモニア性窒素排出量は3万3,000tであった。表12参照。
表12 「南水北調」東ラインにおける主要汚染物質排出状況
地区 |
廃水(万t) |
COD(t) |
アンモニア性窒素(t) |
合計 |
産業 |
生活 |
合計 |
産業 |
生活 |
合計 |
産業 |
生活 |
天津 |
7,430 |
5,647 |
1,783 |
15,131 |
6,884 |
8,247 |
1,625 |
701 |
924 |
河北 |
12,402 |
6,166 |
6,236 |
56,837 |
29,320 |
27,517 |
9,901 |
5,986 |
3,915 |
江蘇 |
34,652 |
17,506 |
17,146 |
95,489 |
34,333 |
61,156 |
9,539 |
2,494 |
7,045 |
安徽 |
17,485 |
6,571 |
10,914 |
62,075 |
24,407 |
37,668 |
5,195 |
800 |
4,395 |
山東 |
56,455 |
29,003 |
27,452 |
197,945 |
73,588 |
124,357 |
24,639 |
10,380 |
14,259 |
河南 |
20,943 |
15,683 |
5,260 |
97,970 |
79,076 |
18,894 |
5,997 |
3,832 |
2,165 |
合計 |
149,367 |
80,576 |
68,791 |
525,446 |
247,607 |
277,839 |
56,895 |
24,192 |
32,703 |
2.8海に流入する陸上汚染源からの廃水および主要汚染物質排出状況
2002年、海に流入する陸上汚染源が及ぶ地域の統計上の範囲を沿海部の11省市163県(区、市)とした。4大海域の重点調査対象企業は9,652社で、全国重点調査企業数の13.6%を占める。沿海地域163県(区、市)の総人口は、1億354万5,000人、そのうち都市部の非農業人口は2,938万8,000人である。
4大海域に排出した廃水総量は47億7,000tで、そのうち工業廃水排出量は25億2,000t(前年比28.6%増)。生活廃水排出量は22億5,000tで、海に流出する汚水総量の47.2%を占めた。工業廃水流入量が最も多いのは東海で、生活廃水流入量が最も多いのは南海、廃水流入総量が最も多いのは南海となっている。表13、図18参照
表13 2002年 沿岸海域主要汚染物質流入状況
海域 |
汚水(億t) |
COD(万t) |
アンモニア性窒素(万t) |
合計 |
産業 |
生活 |
合計 |
産業 |
生活 |
合 計 |
産業 |
生活 |
渤海 |
5.2 |
3.2 |
1.7 |
23.0 |
16.1 |
6.9 |
1.6 |
0.7 |
0.9 |
黄海 |
5.9 |
2.7 |
3.2 |
16.2 |
4.3 |
11.9 |
1.8 |
0.3 |
1.5 |
東海 |
17.8 |
11.5 |
6.3 |
36.8 |
15.6 |
21.2 |
2.9 |
0.9 |
2.0 |
南海 |
18.8 |
7.5 |
11.3 |
44.2 |
15.9 |
28.3 |
3.3 |
0.5 |
2.9 |
合計 |
47.7 |
25.2 |
22.5 |
120.2 |
51.9 |
68.3 |
9.7 |
2.4 |
7.3 |
4大海域に流入する陸上汚染源からのCOD排出総量は120万2,000tで、そのうち工業CODは51万9,000t(前年比2.4%増)、生活CODは68万3,000tでCOD排出総量の56.8%を占めた。工業COD流入量が最も多いのは渤海で、生活COD流入量が最も多いのは南海、COD流入量が最も多いのは南海となった。図18参照。
図19が示す通り、4大海域に流入するアンモニア性窒素排出総量は9万7,000tで、そのうち工業アンモニア性窒素は2万4,000t(前年比14.3%減)で、生活アンモニア性窒素は7万3,000tとなっている。工業アンモニア性窒素流入量が最も多いのは東海で、生活アンモニア性窒素流入量が最も多いのは南海、アンモニア性窒素流入量が最も多いのは南海となった。

図18 4大海域に流入する陸上汚染源からの廃水・COD排出状況
4大海域に流入する陸上汚染源からのその他の汚染物質排出量は1,709tで、そのうち石油類は1,606t、シアン化物は40tであった。石油類などのその他の汚染物質の排出量は東海が最多で、黄海が最少となった。

図19 4大海域に流入する陸上汚染源からのアンモニア性窒素・その他の汚染物質排出状況
2.9 渤海に流入する主要汚染物質状況
2002年、渤海海域に流入する廃水量は5億2,000万tで、そのうち工業廃水は3億5,000万t(前年比12.9%増)、生活廃水は1億7,000万tとなっている。渤海海域の工業廃水排出の基準達成率は91.2%(前年比2.8%増)であった。流入COD総量は23万tで、そのうち工業CODは16万1,000t(前年比19.9%減)で、生活CODは6万9,000tであった。流入アンモニア性窒素総量は1万6,000tで、そのうち工業アンモニア性窒素は7,000t、生活アンモニア性窒素は9,000tであった。その他の流入汚染物質は322t。渤海地域では6つの都市に汚水処理場があり(主に山東省)、都市の生活廃水処理率は14.3%で、全国平均を下回っている。
2002年の統計データによると、渤海に直接排出される90%以上(3万8,000t)のCODは、主に製紙業、化学製品製造業、石油・コークス製造業に集中している。そのうち製紙業のCOD排出量が渤海に直接排出されるCOD量の78.0%(3万2,000t)を占め、主に河北省と山東省に集中しており、特に河北省が比重を占める。渤海に直接流入するアンモニア性窒素の排出量の95%(2,295t)は製紙業、化学製品製造業、石油・コークス製造業に集中している。
3. 廃ガス
3.1 全国の廃ガスおよび主要汚染物質排出状況
2002年、全国石炭消費総量は15億t(前年比7.4%増)、そのうち工業石炭消費量は13億t(前年比9.8%増)、生活石炭消費量は約2億t(前年比6.8%減)で、全国工業廃ガス量は17兆5,354億N㎥(前年比9.0%増)。廃ガス中の汚染物質排出状況は表14を参照。
表14 全国の廃ガス中の主要汚染物質排出量状況 単位:万t
項目
年度 |
二酸化硫黄排出量 |
ばい塵排出量 |
工業粉塵排出量 |
合計 |
工業 |
生活 |
合計 |
工業 |
生活 |
1998年 |
2091.4 |
1594.4 |
497.0 |
1455.1 |
1178.5 |
276.6 |
1321.2 |
1999年 |
1857.5 |
1460.1 |
397.4 |
1159.0 |
953.4 |
205.6 |
1175.3 |
2000年 |
1995.1 |
1612.5 |
382.6 |
1165.4 |
953.3 |
212.1 |
1092.0 |
2001年 |
1947.8 |
1566.6 |
381.2 |
1069.8 |
851.9 |
217.9 |
990.6 |
2002年 |
1926.6 |
1562.0 |
364.6 |
1012.7 |
804.2 |
208.5 |
941.0 |
増減率(%) |
-1.1 |
-0.3 |
-4.3 |
-5.4 |
-5.6 |
-4.4 |
-5.0 |
1) 二酸化硫黄排出状況
2002年、全国の二酸化硫黄排出量は1,926万6,000t(前年比1.1%減)、そのうち工業二酸化硫黄排出量は1,562万t(前年比0.3%減)で、工業二酸化硫黄排出量は全国二酸化硫黄排出量の81,1%を占める。生活二酸化硫黄排出量は364万6,000t(前年比4.3%減)、生活二酸化硫黄排出量は全国二酸化硫黄排出量の18.9%を占める。

図20 全国二酸化硫黄・ばい塵・工業粉塵排出量の推移
2) ばい塵および工業粉塵排出状況
2002年、ばい塵排出量は1,012万7,000t(前年比5.4%減)で、そのうち工業ばい塵排出量は804万2,000t(前年比5.6%減)、工業ばい塵排出量の全国ばい塵排出量に占める割合は79.4%。生活ばい塵排出量は208万5,000t(前年比4.4%減)、生活ばい塵排出量の全国ばい塵排出量に占める割合は20.6%。工業粉塵排出量は941万t(前年比5.0%減)であった。
3.2 地域別廃ガス中の主要汚染物質排出状況
1) 二酸化硫黄排出状況
二酸化硫黄排出量が100万tを超える地域は順に山東、貴州、河北、山西、江蘇、四川で、この6省の二酸化硫黄排出量は全国の二酸化硫黄排出量の40.1%を占め、比率は前年より上昇した。工業二酸化硫黄排出量が最も多い地域は山東で、全国工業二酸化硫黄排出量の8.9%を占める。生活二酸化硫黄排出量が最も多いのは貴州省で、全国二酸化硫黄排出量の20.5%を占める。図21、22参照

図21 全国の二酸化硫黄排出分布図

図22 地域別二酸化硫黄排出順位
2) ばい塵排出状況
ばい塵排出量が60万tを超える地域は順に、山西、河北、河南、遼寧、山東で、この6省のばい塵排出量は全国ばい塵排出量の44.8%を占め、比率は昨年より上昇した。工業ばい塵排出量が最も多いのは山西で、全国工業ばい塵排出量の10.2%を占める。生活ばい塵排出量が最も多いのは遼寧で、全国ばい塵排出量の10.1%を占める。図23参照

図23 地域別ばい塵排出順位
3) 工業粉塵排出状況
工業粉塵排出量が40万tを超える地域は順に河南、河北、湖南、山東、山西、広西、四川で、これら7地域の工業粉塵排出量は全国工業粉塵排出量の41.2%を占める。

図24 地域別工業粉塵排出順位
以上のことから、工業二酸化硫黄・ばい塵・粉塵排出では、山東、河北、四川、山西の4省の汚染寄与率が高く、生活二酸化硫黄・ばい塵排出では、貴州、山東、山西、河北、遼寧、四川の汚染寄与率が高いことがわかる。
3.3 工業業種別廃ガス中の主要汚染物質排出状況
1) 二酸化硫黄排出状況
2002年、重点統計企業の二酸化硫黄排出量の80%以上を占める業種は、主に電力業、非金属鉱物製品業、鉄金属製錬業、化学製品製造業、非鉄金属製錬業で、これら5業種の二酸化硫黄排出量はそれぞれ55.0%、11.4%、6.0%、5.4%、4.9%となっている。
表15 重点業種の二酸化硫黄排出比重の推移 単位:%
業 種 |
1998年 |
1999年 |
2000年 |
2001年 |
2002年 |
電力業 |
41.6 |
42.1 |
43.2 |
53.5 |
54.9 |
非金属鉱物製品業 |
18.9 |
20.1 |
20.4 |
11.6 |
11.4 |
化学製品製造業 |
5.6 |
5.5 |
5.5 |
5.8 |
5.4 |
鉄金属製錬業 |
4.7 |
4.7 |
4.6 |
5.4 |
5.9 |
非鉄金属製錬業 |
4.2 |
4.4 |
4.4 |
4.5 |
4.9 |
表15より、電力業の二酸化硫黄排出総量に占める割合が毎年上昇し、5年間で10%増加したことがわかる。また、鉄金属製錬業と非鉄金属製錬業の二酸化硫黄排出量の全体に占める割合はやや上昇している。非金属鉱物製品業の二酸化硫黄排出量の全体に占める割合は2年連続で約8%減少し安定傾向にある。化学製品製造業の二酸化硫黄排出量の全体に占める割合は、さしたる変化がない。
表16 重点業種の1万元当たり生産額にかかる二酸化硫黄排出量の推移
業 種 |
1998年 |
1999年 |
2000年 |
2001年 |
2002年 |
平均値 |
電力業 |
0.229 |
0.240 |
0.211 |
0.229 |
0.185 |
0.219 |
非金属鉱物製品業 |
0.123 |
0.103 |
0.104 |
0.049 |
0.056 |
0.087 |
化学製品製造業 |
0.028 |
0.022 |
0.022 |
0.016 |
0.016 |
0.021 |
鉄金属製錬業 |
0.028 |
0.023 |
0.067 |
0.017 |
0.015 |
0.030 |
非鉄金属製錬業 |
0.063 |
0.053 |
0.020 |
0.034 |
0.038 |
0.041 |
表16と図25より以下のことが読みとれる。電力業の二酸化硫黄平均排出強度は0.219t/万元で、その他の4業種を上回っている。この5年間、電力業の二酸化硫黄排出強度は減少傾向にあるが、減少傾向は不安定で下降率も比較的小さい。火力発電所は続々と建設され、それに伴って電力業の二酸化硫黄排出量が重点統計企業の二酸化硫黄排出量に占める比率は毎年上昇している。よって、電力業の脱硫への注力度を強化しなければならない。その他4つの業種の排出強度は、毎年減少または比較的安定した水準に維持しており、二酸化硫黄排出量の削減は主に生産技術の改善にかかっている。

図25 重点業種別二酸化硫黄排出強度の変化
2)ばい塵排出状況
重点統計企業のばい塵排出量の75%以上を占める業種は主に、電力業、非金属鉱物製品業、化学製品製造業、鉄金属製錬業で、この4業種のばい塵排出量は順に45.4%、18.1%、6.5%、5.5%となっている。
3)粉塵排出状況
非金属鉱物製品業と鉄金属製錬業の粉塵排出量は重点統計企業の粉塵排出量の88%を占め、そのうち非金属鉱物製品業が75.4%(前年比11%増)、鉄金属製錬業は12.6%(前年比3%増)となった。
3.4 火力発電所の二酸化硫黄排出状況
2002年、全国重点統計内の1,077ヵ所の火力発電所は合計5億5,000万tの石炭を燃焼し、全国の工業石炭燃焼総量の57.2%を占める。全国火力発電所による二酸化硫黄排出量は666万t(前年比1.8%増)で、その排出量は全国排出量の42.6%を占める。1,077ヵ所の火力発電所は脱硫設備858セットを取り付け、二酸化硫黄を合計85万t除去したが、除去率は11.3%で、全国平均の30.9%をはるかに下回っている。火力発電所の二酸化硫黄排出量が40万tを超える地域は順に、山東、江蘇、河北、広東、河南で、これら5地域の火力発電所の二酸化硫黄排出量は全国の火力発電所二酸化硫黄排出量の38.0%を占める。図26参照

図26 地域別火力発電所二酸化硫黄排出量ランキング
3.5 「両控区」[5]における二酸化硫黄排出状況
2002年、「両控区」における二酸化硫黄排出総量は1,148万8,000tで、全国の二酸化硫黄排出量の59.6%を占めている。そのうち、工業二酸化硫黄排出量は900万9,000t(前年比0.4%減)で、工業二酸化硫黄排出量が全国の工業二酸化硫黄排出量に占める割合は57.7%となった。生活二酸化硫黄排出量は248万tで、全国生活二酸化硫黄排出量の68.0%を占める。表17参照
表17 「両控区」における工業二酸化硫黄排出量 単位:万t
年 度 |
合 計 |
酸性雨地域 |
二酸化硫黄地域 |
1999年 |
994.1 |
492.2 |
501.9 |
2000年 |
1,073.2 |
633.3 |
439.9 |
2001年 |
904.1 |
548.4 |
355.7 |
2002年 |
900.9 |
520.1 |
380.8 |
「酸性雨地域」の二酸化硫黄排出総量は603万3,000tで、そのうち工業二酸化硫黄排出量は520万1,000t(前年比5.2%減)で、生活二酸化硫黄排出量は83万2,000tとなった。
「二酸化硫黄地域」では、二酸化硫黄排出総量は545万5,000tで、そのうち、工業二酸化硫黄排出量は380万8,000t(前年比7%増)で、生活二酸化硫黄排出量は164万7,000となった。
「両控区」内の重点統計火力発電所は574ヵ所で、二酸化硫黄排出量は398万6,000tとなり、「両控区」における工業二酸化硫黄排出量の44.2%を占める。そのうち、「酸性雨区」の火力発電所数は352ヵ所で、223万5,000tの二酸化硫黄を排出している。「二酸化硫黄地域」の火力発電所は222ヵ所で、二酸化硫黄を175万1,000t排出している。
3.6 北京市の廃ガスおよび主要汚染物質排出状況
2002年、北京市の廃ガス中の主要汚染物質排出量はそれぞれ減少し、生活二酸化硫黄排出量は前年並みで、生活ばい塵排出量は前年よりある程度増加した。
北京市の廃ガス排出量は2,966億N㎥(前年比2.3%減)、二酸化硫黄排出総量は19万2,000tで、そのうち工業二酸化硫黄排出量は12.1万t(前年比7.7%減)、生活二酸化硫黄排出量は7万1,000tで前年並みとなった。ばい塵排出総量は8万2,000tで(前年比8.9%減)、そのうち工業ばい塵排出量は3万3,000t(前年比25.0%)、生活ばい塵排出量は4万9,000t(前年比6.5%増)、工業粉塵排出量は4万6,000t(前年比23.3%)となった。
2002年、北京市は引き続き廃ガス処理を強化し、4億5,000万元を投入した(前年比36.4%増)。今年度施工される廃ガス対策プロジェクトは115件で、そのうち107件は竣工され、廃ガス処理能力は一時間あたり90万N㎥に高まった。
4.工業固形廃棄物
4.1 全国の工業固形廃棄物の発生および排出・利用状況
2002年、全国工業固形廃棄物の発生量は9億4,509万t(前年比6.5%増)で、工業固形廃棄物排出量は2,635万t(同8.9%減)となった。全国危険廃棄物発生量は1,000万t(同5%増)で、危険廃棄物排出量は1万7,000t(同19.0%減)となった。表18、図27参照
表18 全国工業固形廃棄物産出および処理状況 単位:万t
年度 |
発生量 |
排出量 |
総合利用量 |
貯蔵量 |
処置量 |
合計 |
危険廃棄物 |
合計 |
危険廃棄物 |
合計 |
危険廃棄物 |
合計 |
危険廃棄物 |
合計 |
危険廃棄物 |
1998 |
80,068 |
974 |
7,048 |
45.8 |
33,387 |
428 |
27,546 |
387 |
10,527 |
131 |
1999 |
78,442 |
1,075 |
3,880 |
36.0 |
35,756 |
465 |
26,295 |
397 |
10,764 |
132 |
2000 |
81,608 |
830 |
3,186 |
2.6 |
34,751 |
408 |
28,921 |
276 |
9,152 |
179 |
2001 |
88,746 |
952 |
2,894 |
2.1 |
47,290 |
442 |
30,183 |
307 |
14,491 |
229 |
2002 |
94,509 |
1,000 |
2,635 |
1.7 |
50,061 |
392 |
30,040 |
383 |
16,618 |
242 |
増減率% |
6.5 |
5.0 |
-8.9 |
-19.0 |
5.9 |
-11.3 |
-0.5 |
24.8 |
14.7 |
5.7 |
注:「総合利用量」と「処置量」には過去の量が含まれている。
工業固形廃棄物の総合利用量は5億61万t(前年比5.9%増)で、工業固形廃棄物貯蔵量は3億40万t(同0.5%減)、そのうち危険廃棄物は383万t(同24.8%増)となった。工業固形廃棄物処理量は1億6,618万t(同14.7%増)で、そのうち危険廃棄物は242万t(同5.7%増)となった。

図27 全国工業固形廃棄物の発生量、処理量、排出量の推移
4.2 地域別工業固形廃棄物排出および処理状況
2002年、工業固形廃棄物排出量が100万tを超える地域は順に、山西、貴州、雲南、四川、重慶、湖南で、この6地域の工業固形廃棄物排出量は全国の工業固形廃棄物排出量の74.0%を占める。この6地域の工業固形廃棄物排出量とその発生量の比率は、山西7.5%、貴州8.3%、雲南6.8%、四川4.2%、重慶11.9%、湖南5.5%で、いずれも全国平均の2.3%を超えている。このことから、この6地域の工業固形廃棄物処理レベルは低いといえる。図28参照

図28 地域別工業固形廃棄物排出順位
4.3 業種別固形廃棄物排出状況
2002年、工業固形廃棄物排出量の80%以上を占める業種は順に、石炭採掘業、鉄金属製錬業、非鉄金属採掘業、鉄金属採掘業、化学製品製造業、非金属鉱物製品業の6業種で、各業種の工業固形廃棄物排出量はそれぞれ30.6%、16.7%、14.6%、8.6%、5.7%、4.0%となっている。
4.4 地域別危険廃棄物集中処理状況
2002年、全国統計危険廃棄物集中処理場は152ヵ所で、江西、河南、湖北、重慶、雲南、陝西、寧夏の7地域には同集中処理場が設置されていないが、そのほかの地域には数のばらつきはあるものの、みな設置されており、最多は上海の28ヵ所で最少は1ヵ所となっている。
2002年、危険廃棄物集中処理場運転費は、1億5,933万元で、処理能力は2,983t/日で、そのうち焼却能力は2,180t/日、埋め立て能力は803t/日となっている。危険廃棄物処理量は19万9,116tで、そのうち焼却量は15万2,842t、焼却量は処理量の76.8%を占める。処置された工業危険廃棄物は14万6,130tで全処理量の73.4%を占める。以上のことから、危険廃棄物の処理は、依然として主に焼却方式によっており、危険廃棄物の大半は工業危険廃棄物であることが見て取れる。1年を250日と計算した場合、実際の処理量と処理能力の比率は30%にも満たず、既に稼動している大多数の危険廃棄物集中処理場は、十分処理能力を発揮しているとはいえず、実際の処理量と処理能力の間に依然大きな差がある。
5. 工業企業汚染対策と基準達成状況
5.1 新旧汚染源対策と投資
2002年、環境汚染対策に1,363億4,000万元が投入され(前年比23.2%増)、環境汚染対策投入額はGDPの1.33%を占め、前年に比べ0.18%伸びた。汚染処理投入額の内訳は、工業汚染対策事業に188億4,000万元(前年比8.0%増)、「三同時」プロジェクト向けの環境保全事業に389億7,000万元(同15.8%増)、都市環境インフラ整備に785億3,000万元(31.8%増)となっている。総じて見れば、環境汚染処理のための投入額は昨年より大幅に増加した。
旧工業汚染源対策への投入額の内訳は、廃水処理71億5,000万元(前年比2%減)、廃ガス処理69億8,000万元(前年比6%増)、工業固形廃棄物処理16億1,000万元(前年比16%減)、騒音対策1億元(前年比67.0%増)となっている。このことから、人々の専らの関心である廃ガスと騒音対策への資金投入がある程度増えていることがわかる。
表18 環境汚染処理への資金投入状況 単位:億元
| 項 目 |
1998年 |
1999年 |
2000年 |
2001年 |
2002年 |
増加率%
|
| 投資総額
|
721.8 |
823.2 |
1,060.7 |
1,106.6 |
1,363.4 |
23.2 |
| 都市環境インフラ整備投資
|
456.0 |
478.9 |
561.3 |
595.7 |
785.3 |
31.8 |
| 旧工業汚染源対策投資 |
122.0 |
152.7 |
239.4 |
174.5 |
188.4 |
8.0 |
| 新規建設プロジェクト「三同時」環境保全投資 |
142.0 |
191.6 |
260.0 |
336.4 |
389.7 |
15.8 |
5.2 工業企業の汚染物質排出の基準達成状況
1) 工業廃水排出の基準値達成率
2002年、全国の工業廃水排出の基準達成率は88.3%で(前年比3.8%伸び)、工業廃水排出の基準達成率が90%を超える地域は順に、天津、北京、山東、浙江、江蘇、安徽、福建、上海、海南、黒竜江、河北、河南となった。

図29 地域別工業廃水排出の基準値達成率順位
2) 工業二酸化硫黄排出の基準値達成率
2002年の全国工業二酸化硫黄排出の基準値達成率は72.2%で(前年比10.9%伸び)、90%を超える地域は順に天津、北京、上海、福建、江蘇、浙江となっている。図30参照

図30 地域別工業二酸化硫黄排出の基準値成順位
3) 工業ばい塵排出の基準値達成率
全国工業ばい塵排出の基準達成率は75.5%で(前年比8%増)、90%を超える地域は順に天津、北京、河北、浙江、上海、黒竜江、山東、安徽となっている。図31参照

図31 地域別工業ばい塵排出の基準値達成順位
4) 工業粉塵排出の基準値達成率
全国工業粉塵排出の基準値達成率は61.7%(前年比10%伸び)で、80%を超える地域は順に北京、天津、浙江、黒竜江、海南、広東、山東となっている。

図32 地域別工業粉塵排出の基準値達成順位
5) 工業固形廃棄物総合利用率
全国工業固形廃棄物の総合利用率は52.0%(前年並み)で、80%を超える地域は順に、上海、天津、江蘇、山東、浙江となっている。図33参照

図33 地域別工業固形廃棄物総合利用率順位
6.都市生活廃水処理状況
2002年、チベットを除く全国30地域に都市廃水処理場が建設された。都市排水処理場で処理される汚水には工業廃水と生活廃水が含まれる。統計によると、2002年、全国都市で排出された232億2,000万tの生活廃水のうち、52億2,000万tが処理され、都市生活廃水の全国平均処理率は22.3%となった(前年比3.8%伸び)。生活廃水処理率が高い上位30都市は図34を参照

図34 113重点都市における生活廃水処理率順位(上位30)
廃水処理場の設計処理能力で推計すると、いくつかの都市廃水処理場はいまだフル稼働に至っておらず、その主な原因は、廃水管の配管整備速度が廃水処理場建設速度に追いつかないこと、都市廃水処理場の運転資金不足、都市廃水処理場の運転システムと管理システムが旧式であることなどである。既存汚水処理場の設計処理能力で計算すると、我が国の都市生活廃水処理率は31.7%に達するはずで、これは実際の生活廃水処理率より10%高い。
7.重点都市の主要汚染物質排出状況
2002年、113ヵ所の重点都市の廃水排出総量は269億5,000万tで、全国廃水排出量の61.4%を占める。その内訳は工業廃水排出量127億4,000万t、生活廃水排出量142億1,000万tとなっている。重点都市工業廃水排出の基準達成率は91.7%で、全国平均を3.4%上回っている。重点都市COD排出量は656万8,000tで、全国COD排出量の48.1%を占め、その内訳は工業COD排出量が250万3,000t、生活COD排出量は406万5,000tとなっている。重点都市におけるアンモニア性窒素の排出量は69万2,000tで、全国アンモニア性窒素排出総量の53.7%を占め、その内訳は工業アンモニア性窒素排出量が42万1,000t、生活アンモニア性窒素排出量が86万7,000tとなっている。重点都市二酸化硫黄排出量は1,038万tで、全国二酸化硫黄排出総量の53.9%を占め、その内訳は、工業二酸化硫黄排出量が866万4,000t、生活二酸化硫黄排出が171万4,000tとなっている。重点都市のばい塵排出量は503万tで、全国二酸化硫黄排出量の49.7%を占め、その内訳は工業ばい塵排出量が400万6,000t、生活ばい塵排出量が101万9,000tとなっている。重点都市工業粉塵排出量は358万3,000tで、全国工業粉塵排出量の38.1%を占める。113の重点都市には309ヵ所の汚水処理場があり、都市生活廃水処理率は32.4%で、全国平均を10.1%上回っている。
2002年、6項目の国家総量規制指標の総計算結果によると、113の重点都市のうち汚染排出レベル(都市工業付加価値ベースで計算)が高い都市は、寧夏の石嘴山を筆頭に、次いで大同、金昌、銅川、陽泉、赤峰、宜賓、長治、臨汾等の中西部の鉱山都市となっている。また、汚染排出レベルが低いのは、深センや海口などの東南部の沿海都市となっている。
8.東部・中部・西部地域の主要汚染物質排出状況
総括工業企業数、工業廃水・生活廃水排出量等の項目別分析は、表19を参照。
表19 東部・中部・西部の主要汚染物質排出比率
項 目 |
東部(%) |
中部(%) |
西部(%) |
総 括 工 業 企 業 数 |
52.7 |
24.9 |
22.3 |
廃 水 |
工業 |
51.7 |
26.5 |
21.8 |
生活 |
51.6 |
29.4 |
19.0 |
C O D |
工業 |
38.1 |
28.6 |
33.3 |
生活 |
42.8 |
33.7 |
23.6 |
アンモニア性窒素 |
工業 |
39.4 |
37.7 |
22.8 |
生活 |
45.0 |
34.5 |
20.5 |
二酸化硫黄 |
工業 |
42.8 |
24.9 |
32.3 |
生活 |
30.1 |
24.7 |
45.2 |
ばい塵 |
工業 |
30.6 |
37.8 |
31.6 |
生活 |
32.9 |
26.7 |
40.4 |
工 業 粉 塵 |
35.3 |
36.5 |
28.2 |
工 業 固 形 廃 棄 物 |
7.8 |
37.2 |
55.0 |
東部地域の数値は全国の半数以上を占め、中部地域が占める比率は西部地域を大幅に超えている。東部地域のCOD・アンモニア窒素排出量の占める比率は3分の1を超え、中西部は基本的に偏りがない。工業ばい塵と工業粉塵排出では、東部・中部・西部はそれぞれ約3分の1を占め、生活二酸化硫黄と生活ばい塵排出では西部地域が40%を占め、東部地域の比重は中部地域をはるかに超えている。工業固形廃棄物排出では、西部地域が55%を占め、東部地域の比重は10%より低い。
表19のデータが示す通り、東部地域の重点統計企業数は全体の52.7%を占めるが、汚水排出量の比重が50%以上を超えている以外は、その他の汚染物質の比重は中西部をやや超えているに過ぎず、ある汚染物質の比重に至っては中西部より低いほどである。特に工業固形廃棄物は、中西部地域の占める比重が東部をはるかに超えている。このことから、中西部の汚染物質排出レベルは東部をはるかに超えており、未整備の工業化初期段階にあるといえる。また中西部の生態環境は比較的脆く、一旦破壊されると再生は非常に困難な状態である。従って、徐々に主要汚染物質の排出レベルを下げ、環境保全と経済発展の両面で成果を収めなければならない。
9. 環境管理制度実施状況
1) 環境アセスメント
図35が示すとおり、環境アセスメント制度の実施状況は良好である。

図35 地域別環境アセスメント実施状況
2002年、全国23万7,000件の建設プロジェクトのうち、23万3,000件が環境アセスメントを実行し、実施率は98.3%であった。(前年比1.3%増)。内訳は、環境影響報告書作成が3.1%、環境影響報告表記入が26.6%、環境影響登記記入が70.3%となっている。環境アセスメントプロジェクトに申告された環境保全投資額は2,034億3,000万元で、環境アセスメントプロジェクト投資申請総額の6.1%を占め、2001年より2.5%増加した。そのうち、同申請総額に占める比重は、新設プロジェクト6.9%、拡張プロジェクト3.1%、技術改良プロジェクト6.6%となっている。
2) 「三同時」実行状況
「三同時」実行率は緩やかに上昇し、2002年、全国で「三同時」を執行すべきプロジェクトは5万3,000件で、実際に執行されたのは5万2,000件であった。「三同時」に合格したプロジェクト数は5万1,196件で、全国レベルでの合格率は98.7%(前年比0.3%伸び)となった。
「三同時」執行の合格率は96.1%(前年比0.1%伸び)。「三同時」プロジェクトの環境保全向け投資額は389億7,000万元で、プロジェクト総投資額の5.2%を占めた。(前年比1.6%増)。種類別の総投資額に占める割合は、新規4.0%、拡張7.5%、技術改良12.7%だった。図36参照

3) 汚染物排出申告登記と汚染物排出許可証
汚染物排出申告と汚染物排出許可証の発行制度は引き続き実施されており、2002年全国で汚染物排出申請をした企業は47万1,000社で、前年に比べ8.7%増加した。各級の環境保全部門は既に13万3,000社の企業に対し、汚染物排出許可証を発行し(前年比30.5%増)、発行された汚染物排出許可証は15万4,000枚(前年比26.6%増)となった。
4) 期限付き整備対策
期間付き整備対策への注力度を強めることは、環境汚染の規制と産業構造を調整することにおいて効果がある。2002年、全国で2万4,700件の期限付き整備プロジェクトが終了した(前年比55.5%増)。そのために汚染処理資金が合計101億8,000万元(前年比4.6%減)投入された。2002年、各級人民政府は過度の資源浪費・環境汚染をもたらした企業、整備対策に有効性がない企業8,184社(前年比1,610社増)に対し、法により閉鎖・操業停止・合併・業種転換の処分を下した。
5)排汚費の徴収
排汚費徴収額は継続して増加した。2002年、全国で91万8,000社の企業が汚排汚費を納め、 納入総額は67億4,000万元(前年比8.5%増)となった。内訳は、基準超過排汚費45.3%、汚水排汚費4.1%、二酸化硫黄排汚費18.2%、四項目収入32.4%となっている。2002年、全国の排汚費使用総額は66億6,000万元(前年比11.3%増)で、そのうち53.7%が汚染源対策に用いられた。

図37 排汚費の徴収および使用状況の推移
6) 環境関連法律制度
環境関連法整備は新しい局面を迎えた。2002年、国家環境総局は2つの環境保全に関する規定を発布した。地方では32の環境保全条例と83の環境保全規則が発令された。国家環境保護総局は環境保全指標を18項目定め、これで合計477項目が規定されたことになる。地方での環境指標は7項目制定され、合計52項目となった。
2002年、全国で実施された環境保全行政処分は10万件(前年比40.8%増)で、罰金徴収額3億元(前年比25.8%増)となった。受理した環境保全行政再議件数は285件で、昨年より7件減り、そのうち元行政処罰が維持されたのが191件で、行政再議件数の67.0%を占めている。判決が下った環境保全行政訴訟は993件(前年比42.7%増)であった。2002年、全国で発生した2件の環境保全資源破壊罪と2件の環境監督職務執行怠慢罪に対し、調査・処置が行われた。
7) 都市環境総合整備
都市環境総合整備は進み、大気対策は大幅に強化された。2002年、全国で完成されたばい塵規制地域は3,582ヵ所で、前年に比べ11.8%増加した。ばい塵規制地域面積は2万6,000㎢で、前年より17.1%増えた。騒音規制基準達成地域は3,375ヵ所(前年比8.49%増)で、騒音規制基準達成地域面積は1万6,000㎢(同9.4%増)(図38参照)に達した。法律に則って建設された重度汚染燃料燃焼禁止地域は311ヵ所で(昨年の2.2倍)で、同面積は1万8,000㎢(昨年の2倍)となった。市街区のエネルギー使用量は、7億1,450万7,000t(SCE)で、前年より1.5%減少した。そのうちクリーンエネルギー使用量は2億748万9,000t(SCE)(前年比16.9%減)で、市街区の消費エネルギーの29.0%を占める。
図38 ばい塵規制地域および騒音基準達成地域建設数

図39 ばい塵規制地域および騒音基準達成地域の建設面積
8) 環境科学技術
環境科学技術は新しい進展を見せた。2002年、全国各地で3,786項目のタスク研究が行われ、その研究総費用は2億8,000万元で、前年に比べ44.2%伸びた。107のタスク研究が省級以上の科学技術賞を受け、そのうち1件は国家級の表彰を受けた。
9) 機構開設
2002年、全国の31の省・市・自治区に332ヵ所の地方級機構が設置され、その内訳は地区・市級では275ヵ所、県級では2,860ヵ所となっている。チベットを除く30の省・市・自治区の環境保全機構は、全て一級機構である。
2002年、全国環境保全系統の機構総数は1万1,798ヵ所に上り、その内訳は、国家・省級352、地区・市級1,939、県級7,621、郷鎮1,886となっている。そのうち、各レベルの環境保全行政機構は3,261ヵ所、各レベルのモニタリング機構2,356ヵ所、各レベルの環境科学研究所は269ヵ所である。
2002年全国環境保全部門には15万4,200人がおり、前年より1万1,400人増加した。そのうち環境モニタリング専属職員は4万6,500人で、環境保全系統全体の30.2%を占め、環境監理人員は4万1,900人で、同27.2%を占めている。
10) 投書・陳情
環境に関する投書・陳情については、2002年全国で環境保全部門が受け取った国民からの投書は43万5,400通であった。環境汚染と生態破壊に関する投書は39万9,900通で、その内訳は、水質汚染に関するもの4万7,400通、大気汚染16万300通、固形廃棄物汚染7,700通、騒音17万1,800通、その他1万2,800通となっている。(図40参照)。全国からの投書は昨年より17.8%増加し、対処率は95.1%。訪問は9万700件で、前年より12.6%増加した。対処率は81.8%。各級人民大会代表の環境保全に関する議案提出は4,990件で(前年比4.5%増)、各級の政治協商委員による環境保全に関する議案提出は6,175件(前年比2.9%増)であった。

図40 各種汚染事故の比率内訳
11) 環境汚染と破壊事故
2002年、全国で発生した環境汚染と破壊事故件は1,921件で、そのうち特大事故は27件、重大事故は31件、比較的大きな事故は251件、一般事故は1,612件で、全国環境汚染事故総数に占める割合はそれぞれ1.4%、1.6%、13.1%、83.9%となっている。(図41参照)。2002年、全国環境汚染と破壊事故がもたらした直接経済損失は4,640万9,000元で、前年の37.8%にとどまっている。特大環境汚染事故、重大環境汚染事故、比較的大きな環境汚染事故、一般環境汚染事故がもたらした直接経済損失が、同損失全体に占める割合はそれぞれ、41.5%、8.6%、15.4%、34.6%となっている。
12) 「両控区」の汚染抑制
「両控区」における汚染抑制はある程度強化された。2002年、「両控区」内の二酸化硫黄を排出している重点工業の汚染源基準達成率は84.5%(前年比2.3%減)で、「両控区」内での工業二酸化硫黄排出量は900万9,000tで、全国の工業二酸化硫黄排出総量の57.7%を占める。
2002年、「両控区」内で停止となった高硫黄炭鉱は1,485ヵ所で、749万6,000t減産した。また、停止となった小型火力発電ユニットは24台、その設備容量は21.6kwで、二酸化硫黄排出量は1万t減少した。
2002年、「両控区」内の小型火力発電ユニットの二酸化硫黄排出の基準達成率は88.7%で、設備容量基準達成率は89.9%となった。火力発電ユニットが排出した二酸化硫黄は512万5,000tで、同地域の二酸化硫黄総排出量の59.0%を占める。そのうち、排出基準に達した火力発電ユニットが排出した二酸化硫黄は、火力発電ユニット総排出量の77.0%を占める。
13) 自然生態保護
生態環境保全は強化され、2002年末での全国各種自然保護地域総数は1,757ヵ所で、昨年より206ヵ所増えた。全国の自然保護地域面積は、1億3,294万5,000haで、全国国土面積の13.2%を占める。(前年比0.3%増)。国家級、省級、地区・市級、県級の自然保護地域総数に占める割合はそれぞれ10.7%、34.7%、17.3%、37.3%で、各面積が自然保護区総面積に占める割合はそれぞれ、45.5%、44.4%、3.5%、6.6%となっている。
2002年、全国生態モデル地域に設置された試行地域と組織は合計322(前年比49.8%増)で、そのうち、82の国家級生態モデル地域が国家環境保護総局の管理下に置かれるようになった。
10. 原子力の安全と放射線環境管理
1) 原子力施設の安全監督管理
2002年、我が国の原子力施設は安全に運転され、従業員の健康や環境に影響を及ぼす事件や事故は発生していない。2002年、浙江秦山第三原子力発電所と江蘇田湾原子力発電所に対し、運転後の環境に与える影響を評価するために、運転前環境放射線バックグラウンド調査が実施された。
2002年の秦山原子力発電基地周辺の環境γ放射線空気吸収量率は83.1~106.0nGy/hで、平均値は92.8±9.7 nGy/hとなり、運転前バックグラウンド調査値92.5±20.5nGy/hと同レベルであった。広東大亜湾原子力発電所周辺での環境γ放射線空気吸収量率は106.1~150.0 nGy/hで、平均値は118.4±15.2nGy/hとなり、運転前バックグランウンド調査値117.7±12.4nGy/hとほぼ変わりなかった。
2002年、大亜湾原子力発電所、嶺澳原子力発電所周辺の部分海水モニタリングポイントで、³Hと58Coが観測されたが、その他各種環境媒質のうち、濃度が上昇した放射性ヌクレインは検出されていない。秦山原子力発電所周辺の個別海水モニタリングポイントでは、³H濃度が上昇しているのが確認された。しかし、年間液体流出累計トリチウム排出量は依然管理基準値より低いため、周辺海域はトリチウム汚染には至っていない。
2) 放射線環境監督管理
北京、陝西、浙江、江蘇、福建、山西、山東、黒竜江などの地域でのγ放射線空気吸収量率は51.5~96.7nGy/hで、この数値は全国天然放射性レベル調査時の測定値50.3~92.3nGy/hと一致する。そのほかの地域の環境γ放射線空気吸収量率は93.9~107.0nGy/hで、宇宙からの放射線寄与を差し除くと、そのγ放射線空気吸収量率も全国天然放射性レベル調査時の測定値と一致する。長江、黄河、松花江の総α・総β放射性比活性は過去の観測値と基本的に一致しており、238U、2323Th、226Ra、40K、90Sr、137Csの含量も全国天然放射性レベル調査時の測定値と基本的に一致する。北京、河北、黒竜江、新疆、包頭などでは空気中ラドン濃度が28.2~66.5Bq/㎥で、毎年の観測結果と基本的に一致している。
3) 放射性廃棄物監督管理
2002年、全国の各放射線環境監督ステーションが管轄区内の都市放射性廃棄物暫定保存庫エリアおよびその周囲の環境に対し、モニタリングを実施したところ、保存庫エリアおよびその周囲の環境γ放射線空気吸収量率、大気エアゾール、水、土壌、農作物中の放射性ヌクレイン含有量は、他環境との差が認められず、同レベルであった。
4) 電磁波発生源
2002年、全国の各放射線環境監督ステーションが一部の電磁放射発生源に対しモニタリングをしたところ、移動体通信基局については、各基局屋上のプラットホームでの電磁放射レベルが基準を超えていたのを除けば、その周囲の住宅内又はオフィス内等の環境反応ポイントの電磁放射レベルは全て国家基準内であった。高圧輸送変電工事については、部分的に220kvと500kvの高圧輸送電線周囲の電磁場レベルが国家規定限界値を超えていた。個別ポイントでの商用周波数電界強度は限界値を2倍超え、あるテレビ塔では、その周囲のアンテナに比較的近い反応スポットでの電磁放射レベルが電磁放射環境保全規定の限界値を超えていた。電磁放射発生源は急激な勢いで増えており、局部的に環境基準を超えてはいるが、総じて見れば、は電磁放射線環境は、依然としてよい状態を保っているといえる。
編成に関する説明
2002年は、国家「十五」 [6]環境統計報告制度実施の2年目に当たり、報告制度は2001年の環境統計報告制度に沿っており、報告内容は基本的に同じで、国家統計局の承認文書番号も変化していない。
1、報告制度のうち、個別報告および指標は若干修正してあるが、修正後の指標と2001年の年報中の指標データは変化していない。
2、工業汚染源重点調査対象となる企業の選別方法
基本的に区・県が重点調査対象企業の85%を選別しなければならず、上部組織から下部組織までもれなく選別し、下部組織は必ず上層組織を重点企業リストに中に加えなければならない。各級の選別リストは相互補完しあい、最終的に重点調査企業データバンクを完成させる。
重点調査の不足は企業集団による補足を提唱し、85%の重点調査企業一括報告後の現況に基づいて、非重点調査企業のデータを推定する。
3、専門報告についても2001年の報告制度と同様であるが、以下の点に調整を加えた。
1)「地域毎の年度別環境保全および資源の総合利用計画の完成状況」中の石油類排出量の計算単位を「万t」から「t」に改めた。
2)「地域別農業面源汚染および処理状況」中、「窒素肥料使用基準(㎏/ムー [7])」から「窒素肥料使用面積(ムー)」に、「リン肥料使用基準(㎏/ムー)」から「リン肥料使用面積(ムー)」に、「農薬使用基準(㎏/ムー)」から「農薬使用面積(ムー)」へとそれぞれ改めた。
2002年の全国環境統計年報は31の省・自治区・直轄市の環境統計データに基づき、一括整理して作成されたものである。年報には以下4種類のデータが含まれている。
1、 工業汚染物質排出およびその処理データ
2、生活汚染物質排出およびその処理データ
3、 工業、生活汚染処理データ
4、環境管理データ
なお、主要環境統計指標の注釈については、附録に記載した。
-------------------------------------------------------------
[1]中国特有の制度。投資プロジェクトの実施と同時に、環境汚染防止施設を計画、建設、操業すること。つまり生産施設の計画、建設、操業の三段階において、環境保護施設が同時に計画、建設、操業されることを指す。――訳注
[2] 「排汚費」=「汚染排出費」。「汚染者負担」という環境政策の具現化として実施されている汚染物排出料金徴収制度で、国や地方の排出基準を超えて環境汚染物質を排出している企業から、その排出基準超過分に応じて課徴金「排汚費」を徴収する。以下、「排汚費」とする――訳注
[3]三河=淮河、遼河(遼寧)、海河(天津)三湖=太湖(江蘇)、デン池(雲南)、巣湖(安徽)。――訳注
[4]中国北方地区の水不足を解決し、水資源の合理的な配置を実現することを目的として計画された、流域の枠を越えて水を輸送するプロジェクト。数十年に及ぶ計画策定、調査・測量、設計作業により、東部、中部、西部の3本の水路を建設することが計画されている。第10次五ヵ年計画期間には、その準備作業が進められ、水路に適当な地を選び、建設が開始された。――訳注
[5] 酸性雨規制地域と二酸化硫黄規制地域。以下訳文では「両控区」とする。――訳注
[6]第10次5ヵ年計画(2001~2005年)を指す。――訳注
[7] 1ムーは6.667a。――訳注
|