状況
2000年、中国七大重点流域における地表水には有機汚染が普遍的に見られ、各流域主流の57.7%の断面が、Ⅲ類水質要求を満たしており、また21.6%の断面がⅣ類水質、6.9%の断面がⅤ類水質、そして13.8%の断面がⅤ類以下の水質となっている。また、主な湖沼での富栄養化問題が著しかった。

<グラフ>2000年度の七大重点流域水質類別の割合
主要水系
長江流域 主流における43の水質モニタリング断面は、いずれもⅡ類~Ⅲ類の水質基準に達していた。また、主な一級支流である漢江の水質はⅡ類に、嘉陵江ではⅡ類~Ⅲ類に、そして岷江、湘江、及び?江ではⅡ類~Ⅳ類の水質基準に達していた。その主な汚染項目は、油分とアンモニア性窒素となっている。
黄河流域 主流の7つの水質モニタリング断面におけるⅡ、Ⅲ、Ⅳ、そしてⅤ類水質の割合は、それぞれ28.6%、42.8%、14.3%、そして14.3%となっており、その主な汚染項目は、過マンガン酸塩指数等であった。また黄河主流でのSS(浮遊物質)の濃度は、1500~5500mg/lにも達していた。二大支流である渭河と汾河での汚染も深刻で、その主な汚染項目は、アンモニア性窒素、過マンガン酸塩指数、BOD、そして油分となっている。
珠江流域 28の水質モニタリング断面の内、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、そしてⅣ類水質の割合は、それぞれ57.1%、28.6%、3.6%、10.7%となっており、水質は良好であった。但し広東省内の一部の河川区間で、有機汚染指標がⅢ類基準を超えていた。
松花江流域 16の水質モニタリング断面中、Ⅲ及びⅣ類水質の割合は、それぞれ43.8%と56.2%であった。その内、嫩江ではⅢ類水質要求に達しており、第二松花江ではⅢ~Ⅳ類が主で、松花江主流ではⅣ類水質が主となっていた。また主な汚染項目は、過マンガン酸塩指数とBODであった。
淮河流域 82の水質モニタリング断面中、54.8%がⅠ~Ⅳ類の水質要求に達しており、8.9%の断面がⅤ類水質、そして36.3%の断面がⅤ類以下の水質となっていた。主流の水質は、計画目標である過マンガン酸塩指数Ⅲ類の要求にほぼ達していた。流域での渇水期の水質はやや悪いが、水量が豊富な時期と平常時での水質は相対的にかなり良い。主な汚染項目は、アンモニア性窒素と過マンガン酸塩指数となっている。
海河流域 56の水質モニタリング断面中、Ⅰ~Ⅲ類の水質要求に達している所は30.3%を占め、これらは主に水源地や上流の生態保全区内に分布しており、またⅤ類及びⅤ類以下の水質の占める割合は、それぞれに7.1%と60.7%で、こちらの方は主に一般監視管理河川や省と省とに跨っている河川、そして渤海湾の入り口の所に分布していた。そしてその主な汚染項目は、過マンガン酸塩指数、BODそしてアンモニア性窒素となっていた。
遼河流域 16の水質モニタリング断面中、Ⅱ、Ⅳ、Ⅴ類そしてⅤ類以下の水質の割合は、それぞれ6.3%、25.0%、6.3%そして62.4%となっており、またその主な汚染項目は、過マンガン酸塩指数とBODであった。
浙江・福建一帯の河川 総体的な水質は良好で、Ⅰ類に達している断面は7.0%、Ⅱ類は30.0%、Ⅲ類は45.0%、Ⅳ類は9.0%、そしてⅤ類は6.0%、Ⅴ類以下は3.0%を占めており、またその主な汚染項目はアンモニア性窒素となっていた。金華江と衢江の一部の河川区間での汚染は、総体的にかなり深刻なものとなっている。
内陸河川 汚染は比較的軽く、Ⅰ類水質の断面は21.0%を占めており、Ⅱ類水質は52.0%、Ⅲ類水質は26.0%、そしてⅣ類水質は1.0%となっていた。
七大水系の汚染の程度は、深刻な所から順に遼河、海河、淮河、黄河、松花江、珠江、そして長江となっており、各流域における主な汚染河川区間は、いずれも都市の中の河川区間に集中している。
大型淡水湖沼
太湖 101ヶ所のモニタリングポイントの内、80.0%のポイントでの過マンガン酸塩指数は、その計画要求に到達していた。しかしながら22ポイントにおいては、全窒素や全りん等の基準超過が著しく、富栄養化状態となっていた。また、湖を取巻く主要河川及びその湖との境目の部分での汚染も深刻なものとなっている。
デン池 13のモニタリングポイントは、いずれもⅤ類以下の水質となっており、とりわけ草海の汚染が際立っている。外海の過マンガン酸塩指数は、Ⅲ類水質要求にほぼ達しているが、全窒素と全りんによる汚染は依然として非常に深刻であり、重度の富栄養化状態にある。
巣湖 12のモニタリングポイントの内、54.0%のポイントがⅤ類水質となっており、残りの46.0%はⅤ類以下の水質であった。そして全窒素及び全りんの基準超過が顕著で、中富栄養の状態となっている。
その他の大型淡水湖沼 ?海や興凱湖、そして博斯騰湖の水質は良好で、いずれもⅢ類水質基準に達していた。また、洞庭湖、鏡泊湖、及び洪澤湖の水質は、Ⅳ類水質基準に達しており、そして白洋淀や達ライ湖、そして南四湖では汚染が深刻で、いずれもⅤ類以下の水質となっている。
大型ダム
北京の密雲、撫順の大?房、吉林の松花湖、天津の于橋、湖北の丹江口、合肥の董舗、青島のラオ山、煙山の門楼、漢口の石門、そして杭州の千島湖という10の大型ダムの内、千島湖がⅠ類水質、于橋ダムと松花湖がⅢ類水質で、その他の7つのダムは、いずれもⅡ類水質となっており、大型ダムの水質は総体的に良好なものであった。また、丹江口ダムと千島湖、そして石門ダムは貧栄養状態にあり、その他の7つのダムは中富栄養の状態にあった。
地下水
2000年、東北、華北及び西北地区では、降水量が普遍的に少なく、また主要都市における採取量が増加したことによって、地下水の水位は総体的に低下の様相を呈している。また東南、中南そして西南地区では、降水量が比較的多く、地下水採取の程度も相対的に低いため、その水位の変化は比較的平均している。
黄淮海地区においては、地下水の採取量の益々の増加と降水量の減少とによって、近年来地下水の水位は引き続き低下しており、その漏斗状に低下した部分の面積とその中心での水位の深さは、益々大きくなっている。また河北や河南の豫北地区、及び山東西北地区における地下水水位の低下は、すでに一帯に広がり、北京及び天津をも含んだ華北平原地下水水位低下地区を形成するまでになっており、その面積は4万平方キロメートルを超えている。
また2000年には、全国における多くの都市の地下水が、ある一定の点状又は面状汚染を受けており、一部地域における地下水の一部の水質では、基準を超過している。その主な基準には、鉱化度、全硬度、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニア性窒素、鉄、マンガン、塩化物、硫酸塩、フッ化物、そしてpH値等がある。汚染の程度から見れば、北方都市が南方都市よりも酷く、特に華北地区の汚染が著しい。我が国の大部分の地区における地下水の水質は、安定或いは幾分改善の方向へ向かっているが、以前として一部の都市及び地区で、その地下水汚染が深刻さを増している。
廃水と主な汚染物質の排出量
2000年の全国における工業及び都市生活廃水の排出総量は415億トンで、その内、工業廃水の排出量が194億トン、都市における生活汚水が221億トンであった。また、廃水中の化学的酸素要求量(COD)の排出総量は1445万トンとなっており、その内、工業廃水中のCOD排出量は705万トン、生活汚水中のCOD排出量は740万トンであった。
2000年における全国での工業廃水処理率(県及び県以上における工業及び重点郷鎮工業汚染源を含む)は、94.7%となっており、工業廃水の排出基準達成率は、82.0%であった。また、県及び県以上での工業廃水処理率とその排出基準達成率の方は、それぞれ95.0%と82.1%となっている。
<表>2000年と1995年の廃水及びCODの排出量の対比
廃水排出量(億トン) COD排出量(万トン)
| 年度 |
工業 |
生活 |
総量 |
工業 |
生活 |
総量 |
| 2000年 |
194.2 |
220.9 |
415.1 |
705 |
740.5 |
1445.0 |
| 1995年 |
281.6 |
133.7 |
415.3 |
1622.9 |
610.3 |
2233.2 |
| 増減(%) |
-31.0 |
65.2 |
0 |
-56.6 |
21.3 |
-35.3 |
措置と行動
"三河三湖"流域での水質汚濁防止 淮河及び"三湖"における水質汚濁防止事業での第二段階目標の一部を達成し、また海河及び遼河における水質汚濁防止事業も、現在第一段階に突入している。淮河流域ですでに完成しているものと現在建設中である都市生活汚水処理施設は38ヶ所あり、その規模は312.5万トン/日で、必要な規模の86.0%を占めている。また太湖においても、53ヶ所の都市生活汚水処理施設がすでに完成しているか、又は現在建設中である。デン池では5つの都市汚水処理プロジェクトが現在実施されている所であり、その内の一つは拡張工事で、その他の4つは新たに建設されるものとなっている。そして巣湖における汚染の総合整備事業もまた、全面的に展開されている。
全国給水・節水と水質汚濁防止業務会議 2000年6月に、国務院では"全国給水・節水と水質汚濁防止業務会議"を開き、又併せて《給水・節水及び水質汚濁防止業務を強化する事に関する国務院の決定》を下達している。
黄河主流での生態用水 2000年、黄河の主流においては、その水資源を合理的に調整し、長年に渡って枯渇状態が続くといった状況下で、生態用水管理業務を強化することによって、2000年度の用水の基本流量を確保しており、年間を通じて枯渇現象が見られなかった。
コラム 重点流域での水質自動モニタリングシステムの確立
重点流域における水質の自動監視規制力を強化するため、国家環境保護総局では、淮河や太湖等といった重点流域に水質自動モニタリングステーションを建設している。2000年末までに、国が投資して40の水質自動モニタリングステーションを建設しており、"第10次五ヵ年計画"の末期までには、それを98ケ所にまで増やす計画である。この他、広東や山東、江蘇、天津、黒龍江、そして上海等の省や市でも、独自に投資を行って16の水質自動モニタリングステーションを建設している。
コラム 農村における飲用水及びトイレの改善
2000年末までに、全国(チベットは含まない)9.54億の農村人口の内、飲用水の改善による受益者は、8.81億人にも達しており、農村人口の92.4%を占めている。全国の農村には、浄水場と給水ステーションが67.46万ヶ所あり、その水を飲用している人口は5.27億人で、農村人口の55.2%を占めている。また、手動式の井戸は4891万あり、この水を飲用している人口は2.23億人で、23.3%を占めている。全国範囲でのモニタリングから、2000年の農村地区における飲用水の衛生合格率は62.1%に達していた。
また、2000年末までで、全国(チベットは含まない)2.38億の農家の内、すでに1.07億戸に様々な形式の衛生トイレがあり、その普及率は45.0%となっている。その内、衛生トイレでの糞便の無害化処理率は、31.2%である。
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