大気環境

状況

 我が国の都市における大気質は、総体的には好転してきているが、依然として3分の2の都市において、その大気質が二級基準に達していない。そして粒子状物質が都市の大気質に影響を与えている主な汚染物質となっている。また一部の都市における二酸化硫黄汚染が深刻なものとなっている。その他、南方地区での酸性雨汚染がかなり深刻で、酸性雨規制区内の90%以上の都市で酸性雨が発生している。

都市の大気 2002年は、モニタリングを実施している343の市(県)の内、116都市で国家大気質二級基準に達しているか又はそれよりも良いものとなっており、統計都市数の33.8%を占めていた。その内、海口等といった11都市の大気質は一級基準に達している。また120都市の大気質が三級となっており、これは統計都市数の35.0%を、そして107都市では三級以下となっており、こちらの方は統計都市数の31.2%を占めていた。前年と比べると、大気質が二級基準に達している都市の割合はほぼ横ばいで、三級以下の都市の割合は2ポイントほど減少している。

 大気質が基準を達成している都市における人口の割合は、わずかに統計都市の人口総数の26.3%を占めるだけで、基準未達成の大気質に晒されている都市人口は、統計都市人口の4分の3近くにもなっている。

 また、特大そして超大型都市における大気汚染が明らかに中小都市よりも深刻で、とりわけ人口の規模が100~200万人の特大都市にける大気汚染が最もひどい。そして大気中の主な汚染物質である二酸化硫黄及び粒子状物質濃度がその基準を超えている特大、超大型都市の割合も明らかに中小都市よりも高く、逆に大気質が基準に達している都市の割合は中小都市よりも低くなっている。

一級   二級   三級   三級以下

3.2%   30.9%  34.7%  31.2%

全国の都市における大気質ランクの割合

基準達成   三級   三級以下

26.3%    41.6%  32.1%

異なる大気質状況下での人口の割合

都市の割合  大気質基準達成   SO₂基準超過   粒子状物質基準超過

規模の異なる都市における大気汚染程度の比較

大気中の主な汚染物質 粒子状物質が都市の大気質に影響を与えている主な汚染物質であり、63.2%の都市で粒子状物質の濃度が国家大気質二級基準を超えていた。また総体的には、北方都市における粒子状物質汚染が南方都市よりもひどく、その汚染が比較的深刻である都市は主に華北、西北、東北そして中原及び四川東部、重慶市に分布している。

 その他、22.4%の都市で二酸化硫黄が基準を超えており、こちらの方は主に山西や河北、貴州、四川そして甘粛等といった省・区や重慶市に分布している。

 2002年には全てのモニタリング都市の二酸化窒素がいずれも国家環境大気質二級基準に達していたが、一部の都市の濃度は相対的に比較的高くなっていた。

全国の都市における粒子状物質濃度のランク別の割合

        都市の割合

濃度ランク

1998年

2000年

2002年

二級達成(基準達成)%

32.1

36.9

36.8

二級超過(%)

その内:三級超過(%)

67.9

37.7

63.1

30.3

63.2 

29.8

全国平均値(㎎/㎥)

0.289

0.270

0.269

TSP二級基準年間平均値

(一般居住区大気質基準)

0.20㎎/㎥

PM10二級基準年間平均値

(一般居住区大気質基準)

0.10㎎/㎥

全国の都市における二酸化硫黄濃度のランク別の割合

        都市の割合

濃度ランク

1998年

2000年

2002年

二級達成(基準達成)%

70.8

78.7

77.6

二級超過(%)

その内:三級超過(%)

29.2

15.2

21.3

 11.7

22.4

7.9

全国平均値(㎎/㎥)

0.056

0.049

0.043

SO₂二級基準年間平均値

(一般居住区大気質基準)

0.06㎎/㎥

 “二規制区(SO₂汚染規制区、酸性雨規制区)”におけるSO₂汚染状況 モニタリングを行った343都市の内、64都市がSO₂汚染規制区に、そして117都市が酸性雨規制区に属しており、両区内においてSO₂の年間平均濃度が二級基準に達している都市の割合は、それぞれに40.6%と79.5%であった。1998年と比べると、SO₂汚染規制区におけるSO₂基準達成都市の割合は7.8ポイント増えているが、依然として60%近くの都市が二級基準に達していない。酸性雨規制区内でのSO₂基準達成都市の割合は、1998年よりも8.9ポイントほど増えている。

都市の割合   酸性雨規制区   全国   SO₂規制区

“二規制区(SO₂汚染規制区、酸性雨規制区)”におけるSO₂の基準達成状況

“二規制区(SO₂汚染規制区、酸性雨規制区)”都市におけるSO₂濃度基準達成状況

SO₂の濃度ランク

SO₂汚染規制区

酸性雨規制区

1998年

2000年

2002年

1998年

2000年

2002年

二級都市の割合(%)

SO₂≦0.06㎎/㎥

32.8

47.7

40.6

70.6

81.2

79.5

三級都市の割合(%)

0.06㎎/㎥SO₂<0.1㎎/㎥

29.7

24.6

31.3

13.7

6.3

13.7

三級超過都市の割合(%)

SO₂>0.1㎎/㎥

37.5

27.7

28.1

15.7

12.5

6.8

 重点都市における大気質状況 国務院が承認した113の大気汚染防止重点都市の内、2002年には30都市で大気質基準に達しており、その他は44都市で三級、39都市で三級以下の大気質となっていた。またその内、全国における47の環境保全重点都市の中では、18都市の大気質が二級基準に達しており、その他の18都市は三級、そして11都市は三級以下で、大気汚染は深刻なものとなっている。

この47の全国環境保全重点都市の内、石家荘、太原、ウルムチ、長沙、貴陽、蘭州、重慶、天津、北京、瀋陽、南昌という11都市で二酸化硫黄濃度が基準を超えており、また蘭州、石家荘、太原、瀋陽、西安、北京、ウルムチ、重慶、長沙、天津、フフホト、銀川等といった29都市において、粒子状物質の濃度が基準を超えていた。

47の環境保全重点都市における大気汚染状況

年度

1995

1998

2002

SO₂平均濃度(㎎/㎥)

0.076

0.060

0.047

TSP/PM10平均濃度(㎎/㎥)

0.287

0.252

0.110

NOx/NO平均濃度(㎎/㎥)

0.051

0.051

0.037

SO₂基準超過都市の割合(%)

48.9

36.2

23.4

粒子状物質基準超過都市の割合(%)

72.3

63.8

61.7

大気質基準達成都市の割合(%)

21.3

27.7

38.3

①2002年はPM10の平均濃度;②2002年はNO₂の平均濃度

総合汚染指数

蘭州   石家荘   ウルムチ   太原   北京   重慶   長沙

瀋陽   フフホト   西寧   天津   貴陽   武漢   杭州

済南   ハルピン   成都   広州   南昌   銀川   鄭州

南京   蘇州   上海   西安   温州   青島   南通

秦皇島   連雲港   南寧   ラサ   昆明   大連   煙台

合肥   寧波   長春   深セン   福州   アモイ   珠海

汕頭   桂林   湛江   北海   海口

環境保全重点都市における大気総合汚染指数の比較

酸性雨 我が国における酸性雨は主に長江以南や青蔵高原以東の地区、そして四川盆地に分布しており、また北方でも一部の地区において降水の酸性が比較的強い所がある。酸性雨区域の分布形態はほぼ変わっておらず、一部の地区における酸性雨が幾分深刻なものとなっている。

2002年に全国においてモニタリングした555の市及び県の降水年間平均pH値の範囲は4.03~8.31となっていた。また酸性雨が発生した市(県)は279ヶ所あり、統計都市数の50.3%を占め、降水年間平均pH値が5.6以下であった市(県)は181ヶ所で、こちらの方は統計都市数の32.6%を占めていた。

 前の年と比べて、全国における降水年間平均pH値が5.6以下の都市の割合はほぼ変わっていないが、年間平均pH値が4.5未満の都市の割合は2.8ポイントほど増加しており、一部の地区における酸性雨が幾分深刻化してきている。また酸性雨が発生しなかった都市の割合も、前の年に比べて8.5ポイントほど増加している。

 酸性雨規制区における酸性雨の状況 2002年の酸性雨規制区内にある109都市の降水年間平均pH値の範囲は4.04~7.23の間となっており、その内年間平均pH値が5.6以下であった都市は79ヶ所で、モニタリング都市数の72.5%を占め、また酸性雨が発生した都市は101ヶ所あり、こちらの方は92.7%を占めていた。そして宜賓、紹興、吉首、温州及び懐化という5都市で酸性雨頻度が90%を超えており、一方、掲陽、徳陽、賀州、合山、雲浮、曲靖、巣湖、潜江といった8都市では酸性雨が発生していない。

 前の年と比べて、2002年に酸性雨規制区内の都市でその降水年間平均pH値が5.6以下であった割合はほぼ変わっていないが、4.5未満であった都市の割合と酸性雨頻度が80%以上であった都市の割合はそれぞれに9.9ポイントと1.6ポイント増えており、酸性雨規制区内における一部の地区で、その汚染が前年よりも幾分深刻なものとなっている。

都市の割合

異なる降水酸性度の都市の割合

都市の割合   酸性雨頻度

異なる酸性雨頻度の都市の割合

 

都市の割合   酸性雨頻度

酸性雨規制区における酸性雨頻度の統計

都市の割合   pH値

酸性雨規制区における異なる降水酸性度の都市の割合

酸性雨区域の分布 酸性雨区域の分布形態はほぼ変わっておらず、降水年間平均pH値が5.6未満の都市は、主に長江以南や青蔵高原以東の地区、そして四川盆地に分布している。また北方地区では吉林省の延吉、図們、琿春、蛟河や遼寧省の阜新、葫蘆島、そして陝西省の渭南等といった一部の地区でその降水酸性度が比較的強くなっている。

その他、華東、華南、華中そして西南地区に降水酸性度が強く、酸性雨頻度も高い酸性雨汚染の深刻な中心区域が存在している。

2002年における全国酸性雨区域の分布見取り図

廃ガス中の主な汚染物質の排出量

 2002年の全国における廃ガスの内、SO₂の総排出量は1926.6万トンとなっており、その内工業からの排出量は1562.0万トン、生活からの排出量は364.6万トンであった。また煤煙の総排出量は1012.7万トンで、その内の工業煤煙排出量は804.2万トン、生活煤煙排出量は208.5万トンとなっている。その他、工業粉塵の総排出量は941.0万トンであった。

全国における近年の廃ガス中の主な汚染物質の排出量

単位:万トン

年度

SO₂排出量

煤煙排出量

工業粉塵排出量

合計

工業

生活

合計

工業

生活

1998

2091.4

1594.4

497.0

1455.1

1178.5

276.6

1321.2

1999

1857.5

1460.1

397.4

1159.0

953.4

205.6

1175.3

2000

1995.1

1612.5

382.6

1165.4

953.3

212.1

1092.0

2001

1947.8

1566.6

381.2

1069.8

851.9

217.9

990.6

2002

1926.6

1562.0

364.6

1012.7

804.2

208.5

941.0

増減率(%)

1.1

0.3

4.4

5.3

5.6

4.3

5.0

措置と行動

 《二規制区(SO₂汚染規制区、酸性雨規制区)“第10次五ヵ年計画”酸性雨及び二酸化硫黄汚染防止計画》 国家環境保護総局、国家計画委員会、国家経済貿易委員会そして財政部が共同で作成し、国務院の回答を経ている。

 《113の大気汚染防止重点都市確定プラン》 国務院の承認を経て、基準達成期限と実施する措置について提起している。

 二酸化硫黄総量規制及び汚染排出取引試験業務 国家環境保護総局が二酸化硫黄の総量規制と汚染排出取引の試験業務を実施し、山東、山西、江蘇、河南、上海、天津、広西の柳州そして華能電力がこれに参加している。

 北京市における大気汚染規制 廃ガス汚染源の処理と規制とを引き続き強化しており、2002年は年間で大気汚染指数がⅡ級及びそれよりも良かった日数が55%以上に達している。また国務院が北京と上海において国家自動車第二段階排出基準をその時期を早めて実施することを許可している。

 二酸化硫黄汚染の処理 2002年末までに“二規制区(SO₂汚染規制区、酸性雨規制区)”内で合わせて3,800の二酸化硫黄処理重点プロジェクトを完了させており、その内、火力発電ユニットの脱硫施設が403万キロワットとなっている。また四川や山東、江西、甘粛といった省と重慶、北京、太原、青島といった市で、いくつかのまとまった火力発電所脱硫プロジェクトを完成させている。

新車に対する環境保全基準達成のための監督管理 2002年、国家環境保護総局では3度目の3,000車種近くに上る新車の環境保全基準達成リストを公表し、また初めての《国家自動車第二段階排出基準到達車種に対する審査許可公告》を発布している。