状況
全国における放射環境質 全国における放射環境モニタリングネットワークの観測結果によれば、2002年度は北京、陝西、浙江、江蘇、福建、山西、山東、そして黒龍江等の省でγ輻射空気吸収線量率が51.5~96.7nGy/h、その他の地区では93.9~107.0nGy/hとなっており、各地における宇宙放射線の寄与を差し引いて考えれば、そのγ輻射空気吸収線量率は天然放射能水準調査時の測定値と一致している。また長江、黄河そして松花江等といった水系における全α及び全β放射能水準も、例年のモニタリング結果とほぼ一致しており、U、Th、226Ra、40K、90Srそして137Csの含有量についても、全国における天然放射能水準調査時の測定値とほぼ一致している。その他、北京や河北、黒龍江、新疆、包頭等といった省や市における大気中のラドン濃度は28.2~66.5Bq/㎥となっており、こちらの方も例年のモニタリング結果とほぼ一致している。
2002年 水準調査
北京 包頭 河北 吉林 江蘇 安徽 浙江
福建 広東 貴州 陝西 寧夏 黒龍江 山西
山東 新疆
2002年度の一部の省、自治区、市における環境γ輻射空気吸収線量率
汚染源周辺における放射環境 2002年度の秦山原子力発電所周辺の環境γ輻射空気吸収線量率は83.1~106.0nGy/h、その平均値は92.8∓9.7nGy/hで、この発電所が作動する前の当該地区における元々の最低値92.5∓20.5nGy/hと同じ水準にある。また広東・大亜湾原子力発電所周辺の環境γ輻射空気吸収線量率は106.1~150.0nGy/h、その平均値は118.4∓15.2nGy/hで、こちらの方もこの発電所が作動する前の当該地区における元々の最低値117.7∓12.4nGy/hと同じ水準にある。
本年度は大亜湾原子力発電所と嶺澳原子力発電所周辺の一部の海水モニタリングポイントで、3Hと58Coが観測できるようになっており、またその他の各種環境媒体中においても、原子力発電所から排出される放射能核種濃度はいずれも上昇していない。秦山原子力発電所周辺の個別の海水モニタリングポイントでは3H濃度の上昇が観測されているが、その年間液体流出物の累計トリチウム放出量は依然として管理目標値よりも低く、周辺海域に対するトリチウム汚染の心配はない。
2002年度の四川、甘粛、包頭、新疆、陝西そして北京等といった地での多くの核施設に対するモニタリング結果によれば、中国原子力科学研究院のモリブデン・テクネチウム生産ラインの外で、一部環境γ輻射空気吸収線量率が環境水準を数十倍超えており、土壌中の人工放射能核種137Csと60Coも高めで、一部の土壌が汚染されていた。その他の核企業の周辺環境における環境γ輻射空気吸収線量率は、依然として環境水準にあり、また環境媒体中の放射能核種水準にも明らかな上昇は見られていない。
包頭の北150㎞の所にある白雲鄂博鉱山付近の白雲及び達茂地区の地下水の全α放射能水準が《地下水質基準》を超えており、最大で8.5倍も基準を超えていた。また一部の希土類金属工場周辺の大気中における土気娘核種とラドン娘核種の割合が全国平均値の3倍となっており、希土類金属工場周辺の環境γ輻射空気吸収線量率も包頭市街区より明らかに高くなっている。これは白雲鄂博鉱山の開発発展に伴い、その随伴天然放射能であるトリウムが周辺の一定範囲における地下水環境と大気環境とに汚染をもたらしていることを説明するものである。
都市における放射性廃棄物一時保管倉庫 都市における放射性廃棄物一時保管倉庫エリア及びその周辺の環境γ輻射空気吸収線量率、大気エアロゾル、水、土壌そして農作物中の放射能核種含有量は、その他の環境と比べても同じ水準にあった。
電磁放射汚染源 一部の電磁放射汚染源に対するモニタリング結果によれば、移動通信基地ステーションで個別の基地ステーションビル屋上の電磁放射水準が関連基準を超えていた以外、その周辺の民家或いはオフィスの室内等といった環境敏感ポイントでの電磁放射水準は、いずれも国家基準に符合していた。また高圧送変電事業で、一部の220kVと500 kVの高圧送電線の周辺環境において、その電磁放射水準が国が定める限界値を超えており、個別のポイントでの工頻電場強度は限界値の約二倍となっていた。ラジオ・テレビ塔でも、その周辺環境中の一部アンテナに比較的近い敏感ポイントでは、その電磁放射水準が電磁放射環境保全で規定されている限界値を超えていた。電磁放射汚染源は急増する勢いを見せており、一部の環境において基準超過現象が見られるが、その総体的な電磁放射環境質は依然として比較的良いものとなっている。
措置と行動
全国放射環境モニタリングネットワークの構築 2002年、国家環境保護総局では全国放射環境保全業務会議を開いて、“第10次五ヵ年計画”期間における全国の放射環境保全業務を検討し、割り当てている。そして《放射環境監督ステーション建設基準(試行)》を策定、公布して、また《全国環境モニタリングネットワーク(放射部分)構築事業に関するフィージビリティスタディ》を作成し、国家計画委員会のプロジェクト立案審査に通っている。当該報告書によれば、2004年末までに、国が1億人民元余りを投入して全国放射環境モニタリングネットワークと放射環境モニタリング技術センター、そして核及び放射事故応急技術センターの建設を行うことになっている。その他にも、《全国放射環境モニタリング試験業務プラン》を作成し、また全国放射環境モニタリングネットワークの機関におけるγ輻射線量率測量比較対照業務を行っている。
環境輻射線量率自動連続モニタリングシステム 新たな秦山原子力発電所基地環境輻射連続モニタリングシステムを構築し、2002年12月20日その正式な使用が始まっている。それと同時にまた、嶺澳原子力発電所が商業ベースでの運行を始めたことにより、北龍と楊梅坑という2ヶ所の環境放射連続モニタリングポイントを増やしている。
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