状況
森林 第五回全国森林資源詳細調査によれば、全国における現有林業用地面積は2億6,329万4,700ヘクタール、森林面積は1億5,894万900ヘクタール、そして活立木(生きている立ち木)の総蓄積量は124.88億万㎥、森林蓄積量は112.67億㎥で、その森林被覆率は16.55%となっており、世界の平均水準の61%に相当し、その水準よりも10.48ポイントほど低いものとなっている。また全国における人口一人当たりの占有森林面積は0.13ヘクタールで、世界における人口一人当たりの森林面積の5分の1、人口一人当たりの蓄積量の方は9.05㎥で、世界における人口一人当たりの蓄積量72㎥のわずかに8分の1となっている。前回の全国森林資源詳細調査の結果と比べると、森林面積と蓄積量は共に引き続き増加しており、林木の成長量はその消費量よりも多くなっている。
2002年は、林業重点事業が牽引力となって、全国における造林面積は761.23万ヘクタールとなっており、前の年に比べて53.7%ほど増えている。その内、人工造林が673.73万ヘクタール、上空からの種まきによる造林が87.49万ヘクタール、そして伐採を禁止しての造林育成が256.01万ヘクタールとなっており、造林面積増加のスピードは著しく速まっている。
草原 全国には各種天然草原が3.93億ヘクタールあり、国土面積の約41.7%を占め、オーストラリアに次いで世界第二位にランクされている。しかしながら人口一人当たりの占有草原はわずかに0.33ヘクタールしかなく、世界における人口一人当たりの面積の半分となっている。また2002年には、全国において人工による草の種まき面積が新たに360万ヘクタール余り増えており、柵で囲った草原の面積についても新たに250万ヘクタール余り増えている。
目下の所、草原での過剰放牧の趨勢は根本的には変わっておらず、草原の利用が科学的ではなく、またむやみやたらな摘み取りや掘り起こし等といった草原を破壊するような現象が時折発生し、中国における90%の利用可能な天然草原が異なる程度で退化しており、また毎年200万ヘクタールというスピードで拡大してきている。草原生態環境はその一部で改善が見られているが、総体的な悪化の勢いはいまだ抑えられていない。
病虫害とネズミによる被害 2002年の全国の主な森林における病虫害発生面積は847万ヘクタールとなっており、前の年よりも16.1万ヘクタールほど増えている。その内、森林害虫による被害が687.5万ヘクタール、病害による被害が81.0万ヘクタール、そしてネズミによる被害が78.5万ヘクタールとなっていた。この他にも、荒野林や灌木林、胡楊(ヤナギ科ハコヤナギ属の植物)林そして天然次生林における病害虫発生面積が344万ヘクタールほどあった。これらの主な病害虫の種類は、松材線虫病やキクイムシ、松や楊(ハコヤナギ属の植物の総称)の葉を食べる害虫等となっている。
一方、2002年に全国でネズミの被害に遭った草原の面積は8,000万ヘクタール余りに上っており、その被災面積は2,000万ヘクタール余りで、主に青海や内蒙古、四川、甘粛、新疆、寧夏、チベット、黒龍江、山西、河北、陝西、吉林そして遼寧という13の省(区)に分布しており、この被災面積は10年来の平均面積(1,600万ヘクタール)よりも28%ほど広くなっていた。またその防止面積の方は790万ヘクタール余りで、被災面積の25%を占め、7億人民元余りの経済損失を取り戻している。
その他、2002年には内蒙古、新疆、青海、甘粛、チベット、寧夏、四川、陝西、山西、河北、遼寧、吉林そして黒龍江という13の省(区)と新疆生産建設兵団における2,324.8万ヘクタールの草原でイナゴの害が発生しており、その内の1,266.3万ヘクタールでの被害は深刻で、これらの面積は前の年よりもそれぞれ9.4%と8.0%ほど増えており、建国以来草原におけるイナゴが大発生した年となった。とりわけ内蒙古や新疆、青海、チベット、甘粛、河北、黒龍江、吉林そして遼寧等といった省・区の草原と農業放牧との交錯地帯の草地が多大な損失を被っており、牧草という一項目だけで、全国において合わせて1,046万トンの新鮮な草を失っており、これを換算した経済損失は20.9億人民元にも上っている。
火災、雪害、干害 2002年には、我が国において合わせて7,527件の森林火災が発生しており、その内、森林火災警報が4,450件、一般火災が3,046件、重大火災が24件、そして特大火災が7件で、被災森林面積は47,630ヘクタールとなっており、その森林火災被災率は0.3‰であった。また森林火災による死傷者は98名となっている。これらを過去三年の年間平均値と比べると、森林火災の回数は27.5%ほど上昇しており、被災森林面積と死傷者については、それぞれ19.8%と55.3%ほど減少している。
その他にも2002年には、合わせて448件の草原火災が発生しており、その内草原火災警報が366件、一般草原火災が76件、重大及び特大火災がそれぞれに3件で、その被災面積は6.2万ヘクタール、火傷を負った者1名、そして焼け死んだ(または火傷を負った)家畜が31頭となっている。また内蒙古と新疆ではいずれもかなり深刻な雪害が発生しており、内蒙古の全区域だけでも11の盟(市)の34の旗(県)における13.36万放牧世帯の56万人が被害を被り、被災した草原の面積は3.1億ムー(地積の単位、約6.667アールに当たる)、家畜は1407.15万頭に上り、その他にも12.15万頭が死亡し、1.28億㎏の牧草と0.16億㎏の飼料が不足する事態となった。
措置と行動
六大生態事業の進展 天然林資源保全事業は1998年にその試験業務をスタートさせて以来、累計で人工造林146.6万ヘクタール、上空からの種まきによる造林165.3万ヘクタール、伐採を禁止しての造林育成478.1万ヘクタールを完了させており、また9,496.7万ヘクタールの森林に対してその管理保全を行っている。その内、2002年には人工造林22.9万ヘクタールと上空からの種まきによる造林82.5万ヘクタール、そして伐採の禁止しての造林育成40.0万ヘクタールを完了させている。
重点地区における保安林体系建設事業 これには“三北(東北、華北、西北)”保安林第四期事業や長江・沿海・珠江保安林第二期事業、そして太行山・平原緑化第二期事業が含まれている。2002年には、6つの保安林事業で合わせて人工造林70.3万ヘクタールと上空からの種まきによる造林7.3万ヘクタールを完了させており、その内“三北(東北、華北、西北)”保安林事業で45.4万ヘクタール、長江流域保安林事業で11.0万ヘクタール、沿海保安林事業で5.6万ヘクタール、珠江保安林事業で4.7万ヘクタール、太行山緑化事業で7.6万ヘクタール、そして平原緑化事業で3.3万ヘクタールとなっている。また事業実施エリアにおいては、77.12万ヘクタールの伐採を禁止しての造林育成と5.28万ヘクタールの効率の悪い保安林の改造を完了させている。
退耕還林(耕地を森林に戻す)事業 1999年より始まった退耕還林(耕地を森林に戻す)事業は、2002年には25の省(区、市)及び新疆生産建設兵団にまで広がっている。そして累計で583.1万ヘクタールの任務を完了させており、これには耕地を造林した所269.2万ヘクタールと森林に適している荒れ果てた山や土地を造林した所313.9万ヘクタールが含まれている。その内2002年には、425.7万ヘクタールの任務を完了させており、これには耕地を造林した所195.8万ヘクタールと森林に適している荒れ果てた山や土地を造林した所229.9万ヘクタールが含まれている。
北京・天津風砂源処理事業 2000年に北京、天津、河北、山西そして内蒙古という5省(区、市)の75の県においてその試験事業をスタートさせて以来、2002年12月末までには、累計で228万ヘクタールの処理任務を完了させており、その内林業建設任務については、89.4万ヘクタールを完了させている。そして2002年にこの5つの省(区・市)が完了させた処理任務は141.6万ヘクタールとなっており、その内林業建設任務85.0万ヘクタール、草原処理任務47.9万ヘクタール、小流域処理任務8.7万ヘクタール、そしてまた4,324ヶ所の水利事業を完了させている。
野生動植物の保護と自然保護区の建設事業 達賚湖自然保護区が国連・人と生物圏保護区に加入することとなり、これで我が国における人と生物圏保護区ネットワークに加入している保護区の数は22ヶ所となった。またそれと同時に、21ヶ所の自然保護区が“国際重要湿地リスト”に盛り込まれることとなった。
重点地区における生長が速く生産量も多い木材基地の建設事業 この事業は2002年7月に正式にスタートしたもので、その事業計画における建設範囲は、全国18の省(区)とその他の速豊林(生長が速く生産量も多い木の種類を植えた林)の発展に適した地区に及んでいる。またその総建設予定規模は1,333万ヘクタールとなっており、その内パルプ原料林基地が586万ヘクタール、人造板原料林基地が497万ヘクタール、直径の太い丸太用の木材林基地が250万ヘクタールとなっている。
草原保全重大事業プロジェクト 2002年、中央政府は天然草原の植生回復や柵で囲っての草原の保護、そしてまた牧草種子の生産繁殖基地建設のために8億人民元の国債を西部に投資し、80.8万ヘクタールの草原を柵で囲い、また29万ヘクタールの天然草原と11の牧草種子基地を建設している。こうした建設を通じて、プロジェクトエリアにおける草原の植生被覆率は建設前よりもおしなべて10~20ポイントほどアップしており、草原の生産力も明らかに高まって、1ムー(地積の単位、約6.667アールに当たる)当たりの草の量は100㎏前後増えている。そしてまた草原の退化を有効的に抑制し、水土の流失を減らして、草原の貯水能力を高めることとなっており、プロジェクトエリア内における草原の生態機能は回復し、且つまた増強されている。
退牧還草(放牧地を草原に戻す)事業のスタート 2002年、国は12億人民元を投資して、内蒙古や新疆、青海、甘粛、四川、寧夏、雲南等といった省と区、及び新疆生産建設兵団の96の重点県(旗、団場(新疆生産建設兵団の編成単位で、軍隊の連隊級の農場に相当する))において、退牧還草(放牧地を草原に戻す)事業をスタートさせている。
《国連砂漠化防止条約》の履行状況 中国の砂漠化防止条約の履行業務は、国際社会に高く評価されている。その履行過程において、中国は国際資本や技術及び人材の競争への参加を国際協力の戦略任務として、条約の枠組み下での各項協力を繰り広げており、これには例えば、“北東アジア砂嵐協力国家諮問会”を成功裏に開催したことや、ドイツやアメリカ等といった国と砂漠化防止技術協力プロジェクトを実施していることが挙げられる。また条約におけるアジア地域ですでにスタートしている全ての専門テーマのネットワークに関するプロジェクト活動にも積極的に参加して、様々な方面における交流と協力とを強化している。その他にも、砂漠化モニタリング及び総合評価ネットワークのホスト国として、アジア地域における指標体系の制定業務を積極的に進めている。
緑化都市作り 2002年までに、すでに39の都市(区)が国家“緑化都市(区)”となっている。
中国人間居住環境賞 2002年までに、深セン、大連、杭州、南寧、石河子、青島、アモイそして三亜という合わせて8都市が、建設部が設けた“中国人間居住環境賞”を受賞している。また62の都市またはプロジェクトが“中国人間居住環境模範賞”を受賞しており、都市政府のその居住環境改善のための業務を有力に推し進めることとなっている。
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