放射環境

状況

全国の放射線環境の質 

2003年の全国放射能環境観測網によるγ放射線の空気吸収線量率モニタリング結果が示しているように、北京、天津、重慶、吉林、河北、浙江、貴州、寧夏、南京、済南、青島、福州、南寧、昆明、西安、蘭州、西寧、ウルムチ、包頭、伊寧などの省・市管轄区内のγ放射線の空気吸収線量率は37.5~69.8Gy/hで、天然放射能水準調査時の基準値42.9~92.6Gy/hの範囲内にあった。

北京、包頭、石家庄、南京、長沙、南寧、貴州、ウルムチなどの省・市における大気中のラドン濃度は6.0~51.0 Bq/㎥で、例年の観測結果と基本的に一致した。このうち、室内のラドン濃度は国家が頒布している「住居内のラドン濃度抑制基準」より低かったが、包頭市の大気中における土気娘核種とラドン娘核種の比は0.72とわが国の平均水準の3.6倍だった。上海、天津、石家庄、青島、杭州、西安などの市の環境エアロゾルの全α、全β比放射能は正常なレベルを保った。

2003年の一部の省・市におけるγ放射線空気吸収線量率の変化傾向

汚染源周辺の放射線環境

2003年、浙江の秦山原子力発電基地と、広東の大亜湾/嶺澳原子力発電所は安全かつ正常に運転していた。

秦山原子力発電基地の各原子力発電所では、通年の放射性流出物の排出量が国家の規定した限界値よりも低く、周辺環境のγ放射線空気吸収線量率は若干上昇した。秦山原子力発電基地における大気を媒介とした流出物が放出するトリチウム含有量は5.2~386.7mBq/㎥・airよりも小さく、平均値は128.5±107.8mBq/㎥・airと運転前のバックグラウンド値より若干高い。そのほかのさまざまな環境媒質のうち、原子力発電所が排出する放射性核種濃度はいずれも運転前のバックグランド値の上下範囲内だった。

2003年、広東の大亜湾/嶺澳原子力発電所の周辺環境におけるγ放射線空気吸収線量率と大気中の放射性核種濃度の含有量は、依然として原子力発電所運転前の自然のバックグラウンドレベルを保っている。西大亜湾海域において、海水のトリチウム含有量が1.3~70.7Bq/Lよりも小さかった以外、そのほかの人工放射性核種含有量はバックグラウンド値の上下範囲内にあった。海洋水生生物のカキをサンプルとしたとき、その中から原子力発電所が排出する重要核種110mAgを観測した。その範囲は0.06~0.27Bq/kg・生で、年平均値は0.14Bq/kg・生だった。そのほかのさまざまな環境媒質のうち、原子力発電所が放出する放射性核種濃度はいずれも発電所運転前のバックグラウンド値の上下範囲内だった。

電磁波汚染源

モニタリング結果によると、個別の移動通信基地局の屋上プラットフォームでの電磁波水準が国家の関連基準をオーバーした以外、大部分の基地局周辺の建築物の室内および環境敏感ポイントの電磁波水準はすべて国家の「電磁波防護規定」(GB8702-88)の限界値に適合していた。一部の500kVの高圧送電線の周辺環境では、電磁波レベルが国家の定める限界値を上回った。テレビ・ラジオ基地局については、アンテナに比較的近い一部の高層建築屋上と住民宅の窓付近など周辺の敏感ポイントで、電磁波水準が国家の電磁波防護規定の値を上回った。またアンテナから比較的遠く、建物の高さが比較的低いかアンテナ塔に直接面していない敏感ポイントでは、電磁波レベルが国家基準に合致した。

措置と行動

全国放射線環境観測網の建設

2003年、全国放射線環境観測網のうち、広東省環境放射線研究モニタリングセンターと江蘇省放射線環境モニタリング管理ステーションが国家級の計量認証の再審査に合格した。天津市放射線環境管理所、雲南省放射線環境監督ステーションが国家級の計量認証に合格し、四川省放射線環境管理モニタリングセンターと包頭市放射線環境管理所が省級の計量認証の再審査に合格した。これらのうち、江蘇省放射線環境モニタリング管理ステーションは、国家実験室の認可にも合格している。

測量訓練と比較

2003年、全国放射線環境観測網の全α、全β放射性測量とワイヤレスの妨害電波の測量訓練と比較作業を行った。全国の25省・市の放射線環境観測技術人員90人がこの測量訓練と比較作業に参加した。

核と放射能事故、テロ攻撃事件に対する緊急対応

国家環境保護総局の要求に基づき、北京、天津、山西、河北、河南、黒竜江、湖南、浙江、広西、江蘇、寧夏、安徽、貴州、新疆などの省・自治区・直轄市はそれぞれ、管轄区域内の「核事故と放射能事故の緊急対応方案」を固めた。新疆、黒竜江、河南、浙江、広西、江蘇、寧夏、四川、山西、陜西などの省・市・自治区はそれぞれ、管轄区域内の「核と放射能テロ事件処理に関する実施法案」を固めた。

放射能源に対する安全な統一的監督管理の強化

社会の公共安全をより一層保障するために、中央政府は、環境保全部門(核安全主管部門)が放射能源の生産、輸出入、販売、使用、運輸、貯蔵、廃棄処分の安全な統一的監督管理に責任を負うことを明文化し、放射能源の安全管理体制を整えた。

反テロ演習

2003年、「国家環境保護総局による核と放射能テロ襲撃事件処理の緊急実施方案」の適切さと操作性を検証し、反テロ緊急対応組織の迅速かつ適時な対応能力、反テロの緊急通信システムの有効性、反テロ現場のモニタリングおよび事故評価能力を確認するため、国家環境保護総局は2003年2月25日と9月27日の2度にわたり、核と放射能テロ襲撃事件の緊急演習を行った。