状況
生物種
中国には脊椎動物6,266種があり、世界の脊椎動物種の10%に上る。また、中国にはおよそ3万種余りの高等植物があり、世界で植物が最も豊富なマレーシアとブラジルに次いで世界第3位となっている。このうち、世界の12科71属750種の裸子植物のうち、中国には11科34属240種余りがある。針葉樹の種総数は世界のこの種の植物の37.8%を占める。
危機に瀕した生物種の現状とその変化
1980年代以来、中国は野生動植物の保護に全面的に力を入れてきた。危機に瀕した生物種の救済を行い、保護システムの建設に努め、乱獲を叩き、科学的研究を展開するといった一連の保護活動を行い、顕著な効果を得た。現在までで、大部分の国家重点保護野性動植物資源の急激な減少傾向は食い止められており、種の動態は少しずつ安定してきている。また多くの危機に瀕した生物種のうち、パンダ、トキ、ゴールデンターキン、ヨウスコウワニ、アケボノスギ、ハトノキは安定的に増加傾向をたどっている。だが全体的に見ると、生息地の開墾や環境汚染などの原因により、中国の野生動植物資源の総量は不足しており、過度の消費状況は相当に深刻だ。
湿地
中国の現有の湿地面積は6,594万ha(河川や池を含まない)で、世界の湿地の10%を占めアジア第1位、世界第4位となっている。このうち天然湿地は2,594万haで、沼沢約1,197万ha、天然湖沼約910万ha、干潟約217万ha、浅瀬の海域270万haが含まれる。人工湿地は約4,000万haで、ダム面積約200万ha、水田約3,800万haが含まれる。初歩的な統計によると、中国の湿地植生は約101科あり、このうち維管束植物は94科だった。中国の湿地における高等植物のうち、危機に瀕している種は約100種余りある。海岸地帯の湿地生物種は約8,200種で、このうち植物は5,000種、動物は3,200種だった。内陸の湿地における高等植物は約1,548種で、高等動物は1,500種余りとなっている。中国には淡水魚類770種と亜種が生息している。この数には多くの回遊魚類が含まれ、これらは湿地の特殊な環境によって産卵と繁殖を行っている。中国の湿地における鳥類の種類は非常に多く、アジアの危機に瀕した鳥類57種のうち、中国の湿地には54%にあたる31種が生息する。世界のガンカモ類は166種あり、中国の湿地には30%にあたる50種が生息する。世界の鶴類15種のうち、中国だけで9種が記録されている。
措置と行動
自然保護区
全国では各種、異なる級の自然区1,999ヵ所が建設されており、保護区の総面積は1万4,398ha(うち陸地面積1万3,975ha、海域面積603万ha)と国土面積の14.4%を占めている。自然保護区の数は前年より242ヵ所拡大し13.8%増となり、面積も1,103万1,000ha拡大し8.3%増となった。現在建設中の自然保護区のうち、国家級の保護区は226ヵ所、面8,871万3,000haだった。2003年に新たに建設が承認された国家級自然保護区は38ヵ所だった。
野生動植物保護区
2003年末までで、国家は禁猟区2,553ヵ所を策定し、総面積は3,828万5,000haとなった。全国には国際重要湿地20ヵ所があり、面積は303万haに上っている。
生物種資源保護部門間連合会
2003年8月、国務院の承認を経て、国家環境保護総局会議は16の部・委員会と、生物種資源保護部門間連合会を組織し、生物種資源の保護活動に協力して力を入れた。また、専門家17人で組織する「国家生物種資源保護専門家委員会」を立ち上げた。2003年9~12月、国家環境保護総局会議は13の部・委員会と合同で、全国の12省(区・市)の企業50社余りに対して、生物種資源の法執行大規模検査を行った。
湿地生物多様性の保全
2002年末までに、長江など7大流域に合わせて535ヵ所の湿地類型保護区を設立した。面積は1,600万haに上り、40%近くの天然湿地と33種の国家重点保護動物に対し、保護区エリアで比較的良好な保護を与えた。貴重で危機に瀕している水禽類を保護するために、中国はすでに11種類の水禽を国家1級重点保護野生動物に組み入れている。また、今後は22種の水禽を国家2級重点保護野生動物とする。一部の貴重で危機に瀕している種には、保護区内での保護のほかに、人工繁殖事業も行った。すでにヨウスコウワニ、カラチョウザメ、チョウコウチョウザメ、シラヘナチョウザメ、ヨウスコウカワイルカ、チュウゴクオオサンショウウオやそのほかの危機に瀕した水生野生動物の保護区あるいは繁殖センターを設立している。安徽省のヨウスコウワニ繁殖育成センターのヨウスコウワニはすでに8,000頭余りに上っている。世界の淡水イルカの研究分野において、中国はヨウスコウカワイルカの科学研究で先進的地位を誇る。ヨウスコウワニ、カラチョウザメ、エンツユイなどの種の人工繁殖はすでに成功している。チュウゴクオオサンショウウオ、ウミガメ、コブクビスッポンなどの種の人工飼育と関連する研究分野では、一部の研究が大きな進展を見た。
湿地の調査と科学研究
国家林業局会議と関連部門、科学研究組織は湿地に関する調査、分類、形成演習、生態保護、汚染防止、合理的開発利用と管理などの分野について多方面の科学研究を行った。また、全国の湿地資源調査を行い、湿地資源の状況を初歩的に掌握した。沼沢、湖沼、マングローブ林、珊瑚礁などの生態システムに対し、長期的かつ深い研究を行い、多くの資料を蓄積した。一部の貴重な水鳥については地理分布や種・群れの数量、生態習性、飼育繁殖、危険要素、保護計画などの方面で多くの研究が行われた。鳥類の環境誌事業を行うことを通して、中国の鳥類、特に水鳥の移動について深い理解が得られた。
外来生物の予防
2003年、農業部は「農業部外来生物管理弁公室」と「農業部外来生物予防と研究抑制センター」を設立した。遼寧省全土、雲南省開遠市、騰冲県、四川省の西昌市、寧南県、攀枝花市仁和区(1省5県)は、ブタクサ、Eupatorium adenophorumを重点にした外来生物絶滅除外試行活動を行った。これら1省5県はブタクサとEupatorium adenophorum を取り除く活動に年間で社会の各分野から800万人近くを動員し、ブタクサ192億株を取り除いた。活動を行った区域は86万ha余りに上り、重点地域においてブタクサを取り除いた率は80%以上だった。また、Eupatorium adenophorum は4,000ha余りで取り除いた。
エコロジーモデル区、エコロジー県・市・省の建設
2003年末までで、国家環境保護総局は8回にわたり全国のエコロジーモデル区の建設試行地点484ヵ所を承認した。また、「エコロジー県・市・省の建設基準(試行)」を発表し、生態体系をつくる活動の指導と管理に力を入れた。審査や検査に合格し、国家級エコロジーモデル区と命名されたのは82ヵ所あった。海南、吉林、黒竜江、福建、浙江、山東、安徽、江蘇の8省がエコロジー省の建設に取り組んだ。
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