大気環境

状況

都市の大気質について、全体としては前年に比べて好転したものの、一部都市では汚染が依然深刻である。

2005年にモニタリングを行った522都市のうち、地区レベル以上の都市は319、県レベルの都市は203だった。大気質が1級基準を達成した都市は22(対全体比4.2%)、2級基準を達成した都市は293(同56.1%)、3級基準を達成した都市は152(同29.1%)、3級基準以下の都市は55(同10.6%)だった。主要汚染物質は吸入可能粒子状物質(Particularmatterlessthan10㎛、PM10)。

前年に比べて、比較可能な都市のうち、都市の大気質が2級を達成またはそれを上回った都市の比率は前年に比べて12.6ポイントアップした。3級以下の都市の比率は前年に比べて9.9ポイントダウンした。都市の大気質は改善した。

比較可能な都市の環境大気質年度別比較

大気質のレベル

2005

2004

2級達成またはそれ以上

(基準達成)、%

51.9

39.3

3級、%

37.5

40.2

3級以下、%

10.6

20.5

空気中の主要汚染物質 粒子状物質(PM)は依然として大気質に影響を及ぼす主要な汚染物質となっているものの、全体としては前年に比べて好転している。比較可能な都市のうち、粒子状物質(PM)について、2級基準以上の都市は40.5%で、前年に比べて12.0ポイントダウンした。3級基準以下の都市は5.5%で、前年に比べて9.4ポイントダウンした。

粒子状物質(PM)による汚染が比較的深刻な都市は主に山西、寧夏、内モンゴル、甘粛、四川、河南、陝西湖南、遼寧、新彊、北京などの省(自治区・直轄市)に分布している。

大気質のレベル

2005

2004

2級達成(基準達成)、%

59.5

47.5

3級、%

35

37.6

3以下、%

5.5

14.9

都市の二酸化硫黄の全体的な水準はほぼ前年並みで、比較可能な都市のうち、二酸化硫黄の年平均濃度が国家2級基準(0.06㎎/㎥)に達している都市は77.4%を占めた。国家3級基準(0.10㎎/㎥)以下の都市は6.5%を占めた。二酸化硫黄による汚染が深刻な都市は主に山西、河北、甘粛、貴州、内モンゴル、雲南、広西、湖北、陝西、河南、湖南、四川、遼寧、重慶などの省(自治区・直轄市)に分布している。

二酸化硫黄濃度のレベル別都市比率

               都市の比率、%

2005

2004

SO2濃度レベル

2達成(≤0.06mg/m3

77.4

74.5

2以下(>0.06mg/m3

22.6

25.5

 

このうち:3級以下(>0.10mg/m3)

6.5

8.8

       

すべての統計対象都市の二酸化窒素濃度がいずれも2級基準を達成したものの、広州、北京、寧波、上海、杭州、ハルビン、ウルムチ、南京、成都、武漢などの大都市の二酸化窒素濃度は相対的に高くなっている。

「両控区」の二酸化硫黄汚染状況 二酸化硫黄汚染抑制区内の比較可能な62都市のうち、二酸化硫黄の年平均濃度が2級基準を達成している都市は45.1%を占め、前年に比べて4.5ポイントアップした。2級基準以下の都市は54.9%を占め、このうち13都市が3級基準以下で、全体の210%を占めており、その比率は前年に比べて8.7ポイントダウンした。一部の二酸化硫黄による汚染が深刻な都市で、二酸化硫黄による汚染のレベルがやや軽減されている。酸性雨抑制区内の比較可能な都市のうち、二酸化硫黄の年平均濃度が2級基準を達成している都市は73.9%を占め、前年に比べて0.9ポイントアップした。3級基準以下の都市は4.5%で、前年に比べて2.5ポイントダウンした。

「両控区」の二酸化硫黄汚染状況

SO2濃度レベル

二酸化硫黄汚染抑制区

酸性雨抑制区

2005

2004

2005

2004

2級を達成またはそれ以上の都市の比率、%

45.1

40.6

73.9

73

SO20.06mg/m3

3都市の比率、%

33.9

29.7

21.6

20

0.06mg/m3SO20.10mg/m3

3級以下の都市の比率、%

21

29.7

4.5

7

SO2>0.10mg/m3

重点都市の大気質 113の大気汚染防止重点都市のうち、海口、北海の2つの都市の大気質が1級(対全体比1.8%)、湛江など46都市の大気質が2級(同40.7%)、58都市の大気質が3級(同51.3%)を達成、7都市の大気質が3級以下だった(同6.2%)。前年に比べて、基準達成都市は15増え、3級以下の都市は23減った。国家環境保護重点都市の大気質は明らかに改善されている。

酸性雨 2005年、全国で酸性雨のモニタリングが展開された696市(県)のうち、酸性雨が出現した都市は357(対全体比51.3%)に上り、このうち浙江省の象山県、安吉県、福建の邵武市、江西の瑞金市における酸性雨の出現頻度は100%だった。

2005年、全国696市(県)の降水pHの年平均値の範囲は3.87(江西省貴渓市)~8.35(新彊庫爾勒市)の間だった。降水pHの年平均値が5.6を下回る都市は267(対全体比38.4%)で、このうち、降水pHの年平均値が≤4.0の都市は江西省の貴渓市、湖南省の長沙市と瀏陽市、湖北省のツ帰県、広東省の仏山市順徳区だった。

前年に統計を行った527都市と比較すると、酸性雨が出現した都市の比率は1.8ポイントアップした。降水pHの年平均値が5.6以下の都市の比率は0.7ポイントアップした。このうちpH値が4.5以下の都市の比率が1.9ポイントアップした。酸性雨の出現頻度が80%を超える都市の比率は2.8ポイントアップした。降水pHの年平均値が低い都市及び酸性雨の出現頻度が高い都市の比率がいずれも前年に比べてやや増加しており、2005年の酸性雨汚染は前年に比べてやや増していることが分かる。

前年に比べて、2005年の華東地域における酸性雨の出現頻度は全体的にやや増加したが、その他の地域の酸性雨の出現頻度はほぼ安定を維持した。全国の主な酸性雨地域は長江以南、四川、雲南以東で、主に浙江、江西湖南、福建、貴州、広西、重慶の一部地域が含まれる。酸性雨が比較的深刻な地域は主に浙江、江西、湖南の3省に分布している。広西西北部と広東珠江デルタ地域にも比較的深刻な酸性雨汚染が存在している。

北方の都市のうち、北京、天津、遼寧の大連、丹東、鉄嶺、吉林の図們、黒竜江の琿春、河北の承徳、河南の洛陽、南陽、陝西の渭南、商洛などの都市で降水pHの年平均値が5.6以下となっている。

酸性雨抑制区 酸性雨抑制区111都市における降水pHの年平均値の範囲は4.02(湖南長沙市)~6.79(広東雲浮市)の間となっている。酸性雨が出現した都市は103(対全体比92.8%)で、酸性雨の出現頻度が80%以上の都市は25(同22.5%)に達し、全体に占める比率は前年に比べて3.7ポイントアップした。降水pHの年平均値が5.6以下の都市は81(同73.0%)で、前年に比べて1.1%減少した。降水pHの年平均値が4.5以下の都市は27(同24.3%)で、前年に比べて2.8ポイントアップした。酸性雨抑制区内の酸性雨の汚染範囲は基本的に安定しているものの、汚染レベルはやや増している。

2005年 酸性雨抑制区内の都市における各降水酸性度の比率

降水の酸性度

pH値)

5.6

5.6

総計

4.5

4.5~5.0

5.0~5.6

都市の比率%

2005

73

24.3

34.2

14.5

27

2004

74.1

21.5

33

19.6

25.9

2005年 酸性雨抑制区内の都市における各酸性雨の出現頻度比率

酸性雨の出現頻度%

0

0-20

20-40

40-60

60-80

80-100

都市の比率%

2005

7.2

21.6

7.3

20.7

20.7

22.5

2004

9.8

17

13.4

19.6

21.4

18.8

■廃ガス中の主要汚染物質排出量

2005年、二酸化硫黄排出量は2549.3万t(このうち、工業系の排出量は2168.4万t、生活系の排出量は380.9万t)だった。ばい塵排出量は1182.5万t(このうち、工業系の排出量は948.9万t、生活系の排出量は233.6万t)、工業粉塵排出量は911.2万tだった。

項目

二酸化硫黄排出量

ばい塵排出量

工業粉塵

年度

合計

工業

生活

合計

工業

生活

排出量

2000

1995.1

1612.5

383

1165.4

953.3

212.1

1092

2001

1947.8

1566.6

381

1069.8

851.9

217.9

990.6

2002

1926.6

1562

365

1012.7

804.2

208.5

941

2003

2158.7

1791.4

367

1048.7

846.2

202.5

1021

2004

2254.9

1891.4

364

1095

886.5

208.5

904.8

2005

2549.3

2168.4

381

1182.5

948.9

233.6

911.2

措置・行動

【山西・陝西・内モンゴル・寧夏境界地域におけるカーバイド・鉄合金・コークス業種整備・整頓】2005年、産業政策に合致しない企業185社を閉鎖し、産業政策に合致している企業933社に対して、14.3億元を投資し、除塵・集塵対策を図った。目下のところ、検収に合格し、生産を許可された企業は369社(対全体比39%)に上る。264社が依然として生産を停止し、整備を行っている(同28.3%)。約300社が市場の要因によって、生産停止状態に陥っている(同32.7%)。

複数の違法汚染排出企業に閉鎖・生産停止を命じた。第1期の特に重要な監督処理案件9件は企業1159社に及び、199社が閉鎖・生産停止とされ、384社が整備を経て、基準達成後に生産を再開した。2005年10月29日から11月2日、監察部が国家環境保護総局と合同で、期限内に閉鎖・生産停止を行わなかった16の小規模コークス企業に関する問題について、烏海市政府に対する調査及び証拠収集を行った。烏海市政府は短期間内に16の小規模コークス企業に対して、電力及び水道供給を停止する措置を講じた。2年余りの持続的な整備を経て、山西・陝西・内モンゴル・寧夏の境界地域におけるカーバイド・鉄合金・コークス業種をめぐって過去に見られた、「村々で点火し、そこかしこで煙が立ち上る」といった状況に初歩的な変化が生じた。

【エンジン付き車両汚染防止】2005年、全国におけるエンジン付き車両保有台数は急速に増加、通年の自動車生産台数は570.7万台、自動車販売台数は575.82万台に上り、前年に比べてそれぞれ12.6%、13.5%増加した。自動車、自動二輪車の保有台数はそれぞれ4300万台、9400万台を超え、前年に比べてそれぞれ20.6%、23.6%増加した。全国におけるエンジン付き車両の保有台数の増加に伴い、エンジン付き車両による汚染が日に日に際立ってきている。

国家環境保護総局は新車、使用中の車両及び車両用燃料に対する監督管理をさらに強化するために、通年で国家環境保全基準達成車種に関する公告を15回公布した。2005年7月1日から、全国において国家第2段階排出基準を全面的に実施すると同時に、国家第1段階排出基準の各種エンジン付き車両(エンジン)について、以後審査・許可を行わないこととし、かつ中国の車両用燃料の低硫黄化活動を積極的に推進することで、国の第3段階エンジン付き車両排出基準の全国範囲におけるスムーズな実施を保証した。2005年12月末、国務院の認可を経て、北京市が国の第3段階エンジン付き車両排出基準を全国に先駆けて実施することとなった。

【北京市による第11段階大気汚染防止措置の実施】2005年、北京市は煤煙による汚染の抑制を引き続き強化し、20t以下の石炭燃焼ボイラー249台のクリーンエネルギーへの改造を完了、27の組織の20t以上の石炭燃焼ボイラー81台に対して脱硫対策を行った。エンジン付き車両の排出基準を段階的に引き上げ、2005年7月1日から、国Ⅲ排出基準の要件に合致する燃料製品を供給し、使用中の車両の管理を強化し、旧型タクシー2.8万台、旧型ディーゼル・オイル公共交通車両3900台余りの更新・淘汰を完了、更新された車両は国Ⅲ排出基準を達成している。各種建築(工事)現場に対する管理・監督を強化し、化学工業の汚染抑制を強め、首都鋼鉄の調整・移転、北京化工廠(=工場)の生産停止などの活動を開始した。一連の大気汚染措置を通じて、北京市は大気環境質が2級及び2級を上回る日数63%達成という目標を実現した。