状況
全国の放射線環境の質 2005年度の全国放射線環境モニタリングネットワークにおけるγ放射線の空気吸収線量率モニタリング結果から、モニタリングを展開している一部省・直轄市・自治区管轄区内の環境中のγ放射線の空気吸収線量率は天然放射能レベル調査時のバックグラウンドレベル平均値域の範囲内にあることが分かった。
北京、包頭、南京、南寧、ハルビン、重慶、ウルムチなどの都市における空気中のラドン濃度は2.8~164.8Bq/m3で、過去のモニタリング結果と基本的に一致している。その室内ラドン濃度は国が公布した『住宅内ラドン濃度抑制基準』を下回っている。上海、ウルムチなどの都市における環境エアロゾルの全α放射能、全β放射能は正常レベルを維持している。

汚染源周辺の放射線環境 2005年、浙江の秦山原子力発電基地と広東の大亜湾/嶺澳原子力発電所は安全かつ正常に運行された。モニタリング結果から、浙江の秦山原子力発電基地と広東の大亜湾/嶺澳原子力発電所周辺の環境エアロゾルの全α放射能、全β放射能及びγ核種含有量、大気降下物中の全β放射能の比放射能はいずれもバックグラウンド域の範囲内にあることが明らかになった。
秦山原子力発電基地の周辺地区の井戸水と付近海域の海水中の放射性核種の比放射能に異常は見られず、飲用水の全α放射能、全β放射能の比放射能はいずれも国家生活飲用水の水質基準を下回っており、飲用要件に合致している。その周辺環境の土壌、潮間帯の土壌、海底泥、池底泥の標準物質からは天然γ核種238U、232Th、226Ra、40Kが検出されたのを除き、人工放射性γ核種は137Csが検出されたのみで、その含有量と原子力発電所運転前のバックグラウンド値には顕著な差はなく、かつ対照ポイントは同一レベルにあり、その他の人工放射性核種の含有量はいずれも最低限界値を下回っている。
2005年度における秦山原子力発電基地の周辺環境中のトリチウムに対するモニタリング結果から、個別の周辺モニタリングポイントで降水中トリチウム、大気中トリチウムが観測され、含有量は運転前のバックグラウンド値を上回っていることが分かった。夏家湾モニタリングポイントの大気中トリチウム含有量の月平均値は379.2mBq/m3·airで、降水中トリチウム含有量の月平均値は10.1Bq/Lとなっている。その周辺地区の湖・池の水中トリチウム比放射能は対照ポイントのモニタリング値と運転前のバックグラウンド値を上回っている。秦山第三原子力発電所ではある時間帯において排出口の海水のトリチウム比放射能が取水口のそれを上回っている。秦山原子力発電基地における通年の大気中の放射性流出物のトリチウム排出量の累計は管理目標値を下回っており、公衆に対する付加線量は国家規定の限界値を下回っている。
西大亜湾海域のうち、海水中トリチウムの含有量は13Bq/Lで、バックグラウンドレベルを上回っている。その他の人工放射性核種はいずれもバックグラウンド域の範囲内にある。海洋の水生生物カキの標準物質から、原子力発電所から排出される重要な核種110mAgが観測されており、含有量は0.04Bq/kg(生)で、前年に比べて、その含有量はやや減少している。
電磁波汚染源 モニタリング結果から、個別の移動通信基地局のアンテナが設置されている屋上の電磁波レベルが国家関連標準を超えているのを除き、ほとんどの基地局周辺の建築物の室内及び環境的にセンシティブなポイントの電磁波レベルはいずれも国の『電磁波防護規定』(GB8702-88)の限界値に合致していることが分かった。110kV送電線周辺における個別のセンシティブなポイントの無線障害については、国家標準を超えている。一部の500kV高圧送電線周辺の環境電磁波レベルは国家規定の限界値を超過、一部ラジオ・テレビの電波発射施設周辺の環境的にセンシティブなポイントの電磁波レベルが電磁波放射線環境保全規定の限界値を超えている。
措置・行動
【原子力の安全に関する法律、法規及び管理規定】2005年10月4日、国務院は『放射性同位元素及び放射線装置安全・防護条例』を公布、2005年12月1日から施行した。
【放射源の安全監督と管理】2005年、全国で発生した各種放射源の紛失・盗難事故は12件に上った。内訳は、重大事故3件(黒竜江省の7.13事故、上海のイリジウム-192ガンマ線源紛失事故、吉林のイリジウム-192ガンマ線源紛失事故)、一般事故9件となっている。紛失、盗難に遭った危険源はいずれも発見され、元の場所に戻された。7.13事故で1人が死亡したのを除き、死傷者は出ていない。放射安全状況は前年に比べて比較的大きく好転した。
2005年、放射源と非密封放射性物質の輸出入計400回が許可され、通年で放射源3000個余りが輸入された。このうちCo-60線源、Cs-137線源、Po-210線源、Am-241線源の数が比較的多く、それぞれ1422個、509個、340個、104個に達している。
2005年、11組織の放射安全許可証の審査・発給活動を完了、6つの原子力技術応用類建設プロジェクトの環境アセスメント文書をめぐる専門家による審査・評価活動が完了した。
【ウラン鉱製錬放射性汚染防止特別行動】2005年、全国のウラン鉱製錬施設が設けられている14の主要省で「ウラン鉱製錬放射性汚染防止特別行動」を展開した。登記申告及び詳細な調査を通じて、全国のウラン鉱製錬業種の基本状況を全面的に把握し、歴史的な遺留問題と盗掘などの状況を基本的に明らかにした。環境アセスメントの許認可手続きに不備がある、「三廃」処理施設が不完全である、モニタリング手段が完備していない、放射防護措置が徹底されていないなどの組織に対して、期限内の整備・改善意見を示し、ウラン鉱製錬施設の放射性汚染防止活動の展開を効果的に促進した。
【全国の放射線環境モニタリングと応急措置】国家環境保護総局放射線環境モニタリング技術センターと核・輻射事故応急技術センター及び全国31の1級ステーション(省・自治区・直轄市)と2つの2級ステーション(包頭、青島)が続々と運営を開始し、全国放射線環境モニタリングネットワークが形成され、重点放射能汚染源及びその流出物に対する監督的なモニタリングが強化された。大部分の省・直轄市の環境保護局が放射能事故をめぐる応急チームを設け、応急プランを編成するとともに、放射源の紛失など放射性汚染事故の発生後、放射線環境のモニタリングを速やかに展開し、事故処理に適時有効なサポートを提供した。
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