状況
種 中国にはおよそ6266種の脊椎動物がおり(このうち、獣類約500種、鳥類約1258種、爬虫類約376種、両生類約284種、魚類約3862種)、世界の脊椎動物種類の約10%を占めている。中国にはおよそ3万種余りの高等植物が存在し、世界で植物が最も豊富なマレーシア及びブラジルに次いで、世界第3位に位置している。このうちコケ植物は106科に上り、世界の科数の70%を占める。ワラビ類植物は52科2600種で、世界の科数と種数のそれぞれ80%、26%を占めている。木本植物は8000種に上り、このうち喬木は約2000種。全世界の裸子植物12科71属750種のうち、中国には11科34属240種余りが存在している。針葉樹の総種数は世界の同類植物の37.8%を占める。被子植物は世界全体の科、属の54%、24%をそれぞれ占める。このほか、中国で既に命名されている昆虫は3000種余りに上る。
中国の大部分の地域は第三紀及び第四紀の大陸氷河の影響を受けていないことから、大量の特有種が保存されている。統計によると、約476種の陸棲脊椎動物が中国特有のものであり、中国の陸棲脊椎動物種類数の19.42%を占めている。このうち約3分の2の両生類が特有種である。3万種余りの高等植物のうち、約50~60%が中国特有種となっている。ジャイアントパンダ、キンシコウ、トキ、華南トラ、ターキン、チベットアンテロープ、ミミキジ、カラニジキジ、「白鰭豚(LipotesvexilliferMiller)」、ヨウスコウワニ、メタセコイア(アケボノスギ)、カタヤ・アルギロフィルラ、ハンカチノキ(ダビディア)、タイワンスギ、イチョウ、「百山祖冷杉(AbiesbeshanzuensisM.H.Wu)」、「香果樹(EmmenopteryshenryiOliv.)」などはいずれも中国特有の絶滅のおそれのある希少野生動物及び植物である。
絶滅のおそれのある種の現状及びその変化 野生動植物種保護事業の継続的な推進に伴い、絶滅のおそれのある種の生息地に対する保護及び回復を通じて、大部分の国家重点保護野生動植物の野外資源が急減するという傾向は既に効果的に抑制されており、個体群の状況も徐々に安定に向かっている。絶滅のおそれのある種の救済・繁殖措置を通じて、200種余りの絶滅のおそれのある希少野生動物について、安定した人工個体群が確立され、千種にも及ぶ絶滅のおそれのある希少野生植物が植物園、樹木園などの育成基地で良好な保護を受けている。特にジャイアントパンダ、トキ、ヨウスコウワニ、イチイ、ラン科植物、ソテツなど極度の絶滅のおそれのある野生動植物の個体群が拡大し続けており、2005年にはジャイアントパンダだけで全国における繁殖頭数は25頭に達し、21頭が生育した。2005年末現在、全国で飼育されているジャイアントパンダの個体群数は183頭に上る。ジャイアントパンダ、トキ、野生のウマ、シフゾウ(四不像)、ヨウスコウワニなど絶滅のおそれのある野生動物の自然回帰活動が安定的に推進されている。
しかしながら、全体的に見た場合、中国における野生動植物資源総量の不足、過度の消耗といった状況は依然として深刻であり、これは主に以下の面に現れている。一部の生息地で破壊及び過度な開発利用などの原因によって、一部の国家重点保護対象外の野生動植物、特に経済価値が比較的高い野生動植物の個体群について、依然として減少傾向に歯止めがかかっていない。
湿地 中国は湿地資源大国であり、世界の各種類型の湿地が中国にはすべて存在している。中国はまた世界でも独特な高原湿地を有する。全国湿地資源調査(1995~2003年)の統計によると、全国における現有の100ha以上の各種湿地の総面積は3848万haに上り、このうち、自然湿地は3620万haで、国土面積の3.77%を占め、人工湿地は228万haとなっている(ダム・池のみを含む)。自然湿地が湿地総面積に占める比率は94%で、このうち、海岸湿地は594万ha(対全体比15%)、河川湿地は821万ha(同21%)、湖沼湿地は835万ha(同22%)、沼沢湿地は1370万ha(同36%)となっている。人工湿地が湿地総面積に占める比率は6%。2005年、中国は新たに9つの湿地を国際重要湿地に指定した。現在までに、中国では30の湿地が国際重要湿地リスト入りしている。
中国の湿地の生物多様性は豊富であり、植生は約101科に上り、高等植物中の絶滅のおそれのある種は100種余りを数える。海岸帯の湿地生物の種類は約8200種(植物5000種、動物3200種)、内陸湿地の高等植物は約1548種、高等動物は1500種余り、淡水魚類は770種余り。中国の湿地における鳥類の種類は非常に多く、アジアにおける57種の絶滅のおそれのある鳥類のうち、中国の湿地内に31種(対全体比54%)が存在している。全世界のガンカモ類166種のうち、中国の湿地には50種(対全体比30%)が存在する。全世界のツル類15種のうち、中国で記録されているものは9種に上る。また、多くが国境を越えて渡りを行う鳥類に属している。中国の湿地の中には、世界の一部鳥類の唯一の越冬地または渡りの際に必ず経由しなければならない湿地となっているものもある。例えば、ポ[1] 陽湖で越冬するソデグロヅル(GrusLeucogeranus)は世界総数の95%以上に達している。
措置・行動
【自然保護区の建設】2005年7月、国務院弁公庁は国家レベル自然保護区17ヵ所の設立認可の通知を発した。総面積は72.8万haに達し、河北、内モンゴルなど12省・直轄市・自治区に及ぶ。2005年末現在、全国で各種類型、各種レベルの自然保護区2349ヵ所が設立されており、総面積は14995万haに及ぶ。このうち陸域面積は14395万haで、陸地国土面積の約15%を占める。前年に比べて、自然保護区の数は155増加、面積は172万ha増えた。このうち、国家レベル自然保護区は243ヵ所、面積は8899万haで、全国の自然保護区の総数及び総面積の10%、59%をそれぞれ占めている。
【湿地保護】2005年、中国の湿地保護活動は目立って強化された。湿地をめぐる立法は比較的大きく進展し、湿地保護管理機構の構築も強化された。湿地保護事業の積極的な実施、自然保護区の建設及び湿地公園の建設が図られた。2005年、国務院は『全国湿地保護事業実施計画』を認可した。現在までに、全国の1715万ha、45%近くの自然湿地が473ヵ所の保護区に組み込まれており、2005年だけで湿地類型の自然保護区20ヵ所余りが新たに増えた。
『特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)』を積極的に履行し、湿地保護を促進した。2005年11月8~15日、中国政府代表団はウガンダの首都カンパラで開かれた『ラムサール条約』第9回締約国会議(COP9)に出席し、『ラムサール条約』常設委員会メンバー及び財務グループのメンバーに選ばれた。これは中国にとって、1992年に『ラムサール条約』に加盟して以来、初の常務理事国入りである。中国科学院の蔡述明教授が中国初の「ラムサール湿地保全賞」の受賞者となった。2005年5月、中国は『ラムサール条約』事務局と協力し、北京で『ラムサール条約』アジア地域会議を成功裏に開催した。
【生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)の履行】国家環境保護総局は『生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)』第7回締約国会議の要件に基づき、関係部門と専門家を積極的に組織して、『生物多様性条約』第3回国家報告及びいくつかのテーマ報告を期日通りに完了した。『生物多様性条約』の履行に関する調整グループ活動会議を複数回招集し、部門間の意思疎通と理解を強化した。「国際生物多様性デー」をめぐる一連の広報活動を積極的に手配した。例えば、首都の主要メディア20社の記者が参加した国際生物多様性デー記念座談会、「国際生物多様性デー」プレスカンファレンス、「国際生物多様性デー」活動などが挙げられる。地方環境保全部門もさまざまな広報活動を積極的に手配し、生物多様性保護をめぐる良好な社会的雰囲気が醸成された。生物多様性保護研修コースの開講を手配し、生物多様性保護管理活動を推進した。
【バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書の履行】2005年4月27日、国務院は『生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書』(以下、『バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書』という)への加盟を批准し、審査・許可文書を2005年6月8日に国連本部に提出した。『バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書』は2005年9月6日に中国に対して発効し、中国は正式に『バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書』の締約国となった。
『バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書』第2回締約国会議が2005年5月30日から6月3日、カナダのモントリオールで開催された。国家環境保護総局、外交部、科学技術部、商務部、農業部、国家質量監督検験検疫総局、中国科学院、中国政法大学、香港特別行政区政府が人員を派遣し、中国代表団を組成、会議の各項議事日程に積極的に参加した。
【生物種資源保護活動の進展状況】2005年初、国家環境保護総局は生物種資源保護部(=省庁)間合同会議のメンバー組織と共に、全国生物種資源保護・利用計画の編成活動に着手し、『生物種資源保護管理条例』の研究を展開した。2005年11月、第3回生物種資源保護部(=省庁)間合同会議で原則的に計画文書が採択されるとともに、条例の起草について、建設的な意見が示された。
2005年、国家環境保護総局は教育部、農業部、国家林業局、中国科学院、国家中医薬(=漢方医・漢方薬)管理局などの部門と合同で、全国生物種資源重点調査活動を引き続き展開した。2005年、第1期生物種資源目録作成作業を完了した。
国家知的財産権戦略研究における10番目のテーマ「生物資源の知的財産権問題に関する研究」活動を確実に行うため、国家環境保護総局は外交部、科学技術部、農業部、商務部、衛生部、質量検験検疫総局、林業局、知的財産権局、国家食品薬品監督管理局、中国科学院、中医薬(=漢方医・漢方薬)管理局など11の責任組織と合同で、『生物資源知的財産権保護問題研究活動案』及びテーマ任務書の制定を完了し、生物資源の知的財産権保護をめぐる研究内容、目標及び各部門の任務・分業を明確にした。
【外来侵入種の防除状況】2005年、農業部は『農業をめぐる重大有害生物と外来侵入生物に関する突発事件応急事前案』を制定、公布した。300種余りの外来侵入生物の情報データを収集し、「中国外来侵入種」データベースを構築、『中国主要農林外来侵入種リスト』を編纂した。潜在的な主要侵入種10種に対して、生存適応性リスク評価を行った。主要侵入雑草8種、侵入昆虫4種の総合防除技術モデルを展開した。「10省・100県」外来侵入生物除毒・除害行動を引き続き実施し、延べ1000万人余りを動員して、「紫茎沢蘭(EupatoriumadenophorumSpreng)」、ブタクサ、ナガエツルノゲイトウ、花の少ないシンクリノイガなどを集中的に取り除いた。除去整備面積は2000万ムー余りに達した。
【国際協力】UNEP/GEF中国バイオセイフティ枠組プロジェクトの実施を推進した。『遺伝子組み換え生物技術の発展と影響に関する研究総括報告』、『中国バイオセイフティ政策・法規・管理制度研究報告』の修正、充実化を図った。遺伝子組み換え魚、害虫抵抗性を持つ遺伝子組み換え綿花、遺伝子組み換えイネ、遺伝子組み換え大豆、nifA遺伝子組み換えP.Stutzeri、遺伝子組み換えP.Fluorescens、遺伝子組み換え食品の安全など、遺伝子組み換え生物のリスク評価とリスク管理技術ガイドライン・事例研究報告のさらなる充実化を図るとともに、関連ガイドラインを編纂した。遺伝子組み換え綿花と遺伝子組み換え大豆のリスク評価及び環境モニタリング実験研究を展開し、国家バイオセイフティ情報交換所の設計プランを示した。
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[1] 番におおざと――訳注
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