海洋環境

状況

■ 海水の水質

2006年、全国の沿海海域の大部分の水質は良好であったものの、局部の海域では依然汚染が深刻であった。遠海海域の水質は良好であった。

全国の沿海海域における1、2類海水の比率は67.7%で、前年に比べて0.5ポイントアップ、3類海水は0.9ポイントダウンの8.0%、4類および4類以下の海水は0.4ポイントアップの24.3%であった。

4大海域のうち、南シナ海、黄海沿海海域の水質は良好で、渤海沿海海域の水質は軽度の汚染であり、東シナ海沿海海域の水質は中度の汚染であった。

渤海 沿海海域の1、2類海水の比率は69.6%で、前年に比べて3.6ポイントアップ、4類および4類以下の海水は2.5ポイントアップの21.7%であった。主要汚染因子は無機窒素、活性リン酸塩、石油類である。

黄海 沿海海域の1、2類海水の比率は83.7%で、前年に比べて2ポイントダウン、4類および4類以下の海水は5.0ポイントダウンの6.1%であった。主要汚染因子は無機窒素、pH、活性リン酸塩である。

東シナ海 沿海海域の1、2類海水の比率は41.5%、前年に比べて6.0ポイントアップ、4類および4類以下の海水は0.5ポイントダウンの52.2%であった。主要汚染因子は活性リン酸塩、無機窒素、石油類である。

南シナ海 沿海海域の1、2類海水の比率は83.8%、前年に比べて2.0ポイントダウン、4類および4類以下の海水は2.0ポイントアップの8.1%であった。主要汚染因子は活性リン酸塩、無機窒素、pHである。


9つの重要海湾のうち、黄河口および北部湾海域の水質は良好で、1、2類海水の比率は80%を超えている。膠州湾は軽度の汚染で、1、2類海水の比率は75%。福建江口は中度の汚染で、2類および4類海水の比率がそれぞれ50%。杭州湾、長江口、遼東湾、珠江口および渤海湾の水質はいずれも重度の汚染で、1、2類海水の比率は40%に満たなかった。

■ 沿海海域の堆積物環境

沿海海域の堆積物環境は総体的に良好で、汚染が生態環境に及ぼす潜在的リスクは低い。一部海域の堆積物はDDT、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ヒ素などに汚染されており、このうちポリ塩化ビフェニル(PCB)による汚染が程度・範囲ともに増加している。

■ 沿海海域の貝類の汚染

2006年、中国は引き続き沿海海域においてイガイ類のモニタリングを実施した。主なモニタリング対象はアサリ、ハマグリ、シオフキガイ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカガイ、マテガイ、「僧帽牡蠣」[1]などである。長年にわたるモニタリングの結果、中国沿海海域の貝類に残留するDDT、鉛、ヒ素、カドミウムおよび全石油系炭化水素(TPH)の量は総体的に減少傾向を示しており、特にDDTの減少が顕著であった。

■ 赤潮

2006年、中国の全海域で合計93回の赤潮が発生、前年に比べて約13%増加した。累計発生面積は約1万9,840㎢で、前年に比べて約27%減少した。

全海域で100㎢以上での赤潮発生は31回、累計発生面積は1万8,540㎢、赤潮発生回数が33%、累積発生面積は93%である。1,000㎢以上での赤潮発生は7回、前年に比べて2回減少し、累計発生面積も51%減少した。

赤潮は東シナ海海域で集中的に発生しており、その発生回数は68%、累積発生面積は76%である。大面積の赤潮は主に渤海湾、長江口外および浙江中南部などの海域で発生した。

赤潮を引き起こす主な生物は、有毒性のギムノディニウム、プリムネシウムおよび無毒性のスケレトネマ・コスタトゥム、プロロセントラムデンタタム、夜行虫などである。有毒性の赤潮生物、または有毒性のものを含む赤潮生物により発生した赤潮は41回で、累積発生面積は約1万4,970㎢、年間赤潮累積発生回数は44%、累計発生面積は75%で、ほぼ前年並みであった。

2006年中国海域で発生した大面積の赤潮

発生・終止日

地点

面積

赤潮生物の種類

53日~58

浙江舟山外至六橫島東南シナ海域

1000

プロロセントラム デンタタム、スケレトネマ・コスタトゥム

514日~517

長江口外海域

1000

プロロセントラム デンタタム、ギムノディニウム

520日~527

漁山列島附近海域

3000

プロロセントラム デンタタム、ギムノディニウム

612日~614

浙江南部海域(洞頭至北麂列島)

2100

ギムノディニウム、プロロセントラム デンタタム

615日~621

漁山列島、象山附近海域

1000

ギムノディニウム、アカシオウズムシ

624日~627

浙江中部漁山列島至韭山列島海域

1200

Chaetoceros curvisetus Cleve、ギムノディニウム

1022日~115

河北黄驊附近海域

1600

プリムネシウム

措置と行動

【重点海域碧海行動計画】 「長江口および周辺海域の碧海行動計画」の各プロジェクトは安定的に推進された。2006年末、長江口地域の環境状況調査が終了し、汚染源調査、海へ流入する汚染物質量のモニタリング、海洋生態環境状況の調査・評価が完了し、全面的に碧海行動計画を展開するための基礎となった。

「珠江口および周辺海域の碧海行動計画」の基礎事業も順調に進展した。2006年、増水期および平時の珠江口ならびに周辺海域における汚染物質の海洋流出量および海洋生態環境の現地調査を完了し、陸域に非点源汚染と乾性降下物の連続モニタリングポイントを設立した。

【海洋保護区の建設】 2006年、国務院は山東の浜州貝殻堤島および湿地保護区を国家レベル海洋自然保護区とすることを決定した。国家レベルの海洋自然保護区はこれで29ヵ所となった。現在、全国の各レベルの海洋自然保護区は149ヵ所、保護面積は3万7,584㎢(当該海域に面する海岸地帯の面積も含む)で、中国が管理する海域面積の約1.2%を占める。沿海の11省(自治区、直轄市)はいずれも海洋自然保護区を有する。海洋特別保護区の整備も比較的早い速度で発展してきた。2006年末現在、全国で計7ヵ所の海洋特別保護区が整備され、このうち国家レベルの海洋特別保護区は4ヵ所であった。

【陸上活動からの海洋環境の保護に関する世界行動計画(GPA)】 2006年10月18~20日、国連環境計画(UNEP)の「陸上活動からの海洋環境の保護に関する世界行動計画第2回政府間レビュー会合」が北京で開催された。102のGPAメンバー国政府、国際組織、非政府組織および全世界・地区の金融グループの代表者約600人が出席した。会合では『陸上活動からの海洋環境の保護に関する世界行動計画をさらに進展させるための北京宣言』が採択された。

コラム

2006年主要汚染物質排出量抑制計画の達成状況

2006年、全国のSO2排出量は2,588万8,000tで、2005年に比べ1.5%増加した。COD排出量は1,428万2,000tで、2005年に比べ1.0%増加した。年初に設定した主要汚染物質排出量2%削減という目標は達成できなかった。しかし2005年と比較すると、2006年の二酸化硫黄の排出量の増加幅は11.6ポイント、化学的酸素要求量(COD)は4.6ポイント減少した。

2006年7月21日、国務院の委託を受け、国家環境保護総局の周生賢局長ならびに河北、遼寧、江蘇、浙江、山東、河南、湖南、広東など9省の人民政府は「第11次5ヵ年計画」水質汚染物質排出量削減責任書に署名を行った。


海洋への汚染物質排出モニタリング調査

2006年、全国沿海海域環境モニタリングネットワークは、引き続き海洋への汚染物質排出調査を実施し、汚水の1日あたりの排出量が100㎥を超える587の垂れ流しの海洋汚染源に対してモニタリングを実施した。同時に、156の海に注ぐ河川断面における汚染物質に対してもモニタリングを実施した。

587の垂れ流しの海洋汚染源のうち、工業汚染源は323ヵ所、生活汚染源は112ヵ所、総合汚染源は152ヵ所であった。汚水排出量は35億8,000万t、ODCr排出量は48億7,000万t、石油類排出量は9,720t、アンモニア性窒素排出量は4万6,600t、総リン排出量は1万2,000tであった。沿海省のうち、広東、浙江、遼寧は汚水排出量がやや多く、浙江、広西、広東はCODCr排出量がやや多かった。

156ヵ所の海に注ぐ河川断面におけるモニタリングの統計結果によると、海に注ぐ河川の水質は総体的にやや劣っていた。CODMnの海洋への排出総量は473万6,000t、石油類は6万7,000t、アンモニア性窒素は97万6,000t、総リンは24万5,000tであった。

重大船舶汚染および海洋漁業汚染事故

2006年、全国の沿海地域で発生した船舶汚染事故は124件、オイル漏れの総量は1,216t、このうち50t以上の石油および化学物質による汚染事故は5件あった。

2006年、全国で発生した海洋漁業水域の汚染事故は計89回、汚染面積は約6万9,000ha、直接経済損失は30億6,500万元に上った。そのうち、経済損失が1,000万元以上に上った特大規模の漁業汚染事故は8回あった。
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[1]学名:Ostrea cucullata Born、英名:glant Pacific oyster、カキの一種――訳注。