状況
2006年、全国の放射線環境の質は、全体的に大きな変化はなかった。全国の電離放射線環境の質は、全体的に平年並みのレベルを保っていた。大多数の核施設、ウラン鉱製錬、核技術を利用した活動は、周囲の環境にモニタリング可能な汚染を引き起こしてはいない。都市の放射性廃棄物一時保管施設も、周囲の環境に影響を及ぼしていない。大部分の電磁放射線施設周辺の電磁放射線レベルは、国家基準を満たしていた。しかし個別施設における一部の放射線による環境汚染には、依然として潜在的危険性がある。
環境中の電離放射線 2006年の全国の放射線環境のモニタリング結果によると、環境中のγ放射線の空気吸収線量率、エアロゾルおよび大気降下物の放射能は2005年と同一レベルにあった。モニタリングを行った一部都市の室内ラドン濃度は、国が公布した『住宅内ラドン濃度抑制基準』を下回っていた。海河、黄河、長江、松花江、淮河、珠江水系および福建江、銭塘江、伊犁河、和平渠の河川・湖沼・ダム水の各モニタリング断面における放射性核種濃度は、2005年と同一のレベルを保っていた。モニタリングを行った飲用水の全α放射能、全β放射能はいずれも国の生活飲用水水質基準を下回っており、飲用要件に合致していた。モニタリングエリア内の土壌中の放射性核種含有量は、全国の天然放射性レベルの測定値と同一レベルにあり、異常は認められなかった。モニタリングを行った生物サンプルのうち、天然放射性核種および人工放射性核種90Sr、137Csの含有量は、過去のモニタリング結果と同一レベルにあった。モニタリングを行った都市放射性廃棄物一時保管施設エリアおよびその周囲におけるγ放射線の空気吸収線量率、土壌壌中の放射性核種含有量は、その他の環境と比べて目立った差はなかった。
原子力発電所の周辺環境における電離放射線 2006年、浙江の秦山原子力発電基地、広東の大亜湾/嶺澳原子力発電所および江蘇の田湾原子力発電所は、安全かつ正常に運行された。そのうち浙江の秦山原子力発電基地周辺におけるγ放射線の空気吸収線量率年平均値は、102nGy/h(宇宙放射線による反応値を除外しない)、広東の大亜湾/嶺澳原子力発電所周辺におけるγ放射線の空気吸収線量率年平均値は、118nGy/h(宇宙放射線による反応値を除外しない)、江蘇の田湾原子力発電所周辺におけるγ放射線の空気吸収線量率年平均値は、60nGy/hだった。モニタリング結果によると、原子力発電所周辺におけるγ放射線の空気吸収線量率は、当該地区の自然のバックグラウンド域の範囲内にあった。
浙江の秦山原子力発電基地周辺の秦聯、夏家湾、楊柳村、秦山鎮、武原鎮の5つのモニタリングポイントにおける大気中トリチウムの平均値は145mBq/m3・airで、2005年に比べて大きな変化はなかった。夏家湾、秦聯周辺のモニタリングポイントにおける地表水中トリチウム濃度の年平均値は21.1Bq/Lで、対照ポイントおよび前年度の測定値を上回っていた。松の葉および茶の木の葉中のトリチウム濃度は前年に比べて増加した。
西大亜湾海域のうち、一部の海水サンプルから微量のトリチウムが検出された。東山の海に生息するカキのサンプルから微量の110mAgが検出された。含量は0.74Bq/kg・生である。
ウラン鉱製錬および劣化ウランの周囲環境中の電離放射線 2006年、全国の一部ウラン鉱山および浸出工程周囲の放射線量は抑制可能範囲内にあった。環境中のγ放射線の空気吸収線量率、周囲環境の水体における放射性核素濃度、周囲環境の土壌・海底泥・池底泥の放射性核素含有量、周囲環境の空中ラドン濃度およびラドン・トロンの潜在濃度モニタリングの結果によると、一部ウラン鉱山および浸出工程周囲の水体におけるウラン濃度は、対照ポイントまたはバックグラウンドレベルよりも高く、モニタリングを行ったウラン鉱山周囲の空中ラドン濃度は現在のモニタリング条件下では目立った上昇傾向は認められなかった。一部の劣化ウランの開発・利用過程においては、その周辺環境に程度の異なる影響を及ぼした。
ウランの転換・濃縮およびウラン鉱精錬前の処理施設ならびに核燃料後処理工程の周囲環境中の電離放射線 2006年、中核北方核燃料公司などの核燃料製造工場および核施設周囲におけるγ放射線の空気吸収線量率は、環境バックグラウンド域の範囲内にあり、環境媒質中においても現在のモニタリング条件下では生産・加工を行った放射性核素レベルに目立った上昇は測定されなかった。
電磁波照射施設周囲環境中の放射能 2006年、テレビ塔の個別ポイントにおける電磁波総合強度がテレビ放映時の照射限界値を超えていた。個別の移動通信基地局のアンテナが設置されている屋上の電磁波レベルが国家関連基準を超えていた。一部110kV、220kV、500Kv変電設備周囲の無線障害が規定値を超えていた。一部220kV、500kV、750kV送電線周囲の無線障害が規定値を超えていた。一部500kV高圧送電線周囲の定格周波数が住民居住区の周波数規定値を超えていた。
措置と行動
【原子力の安全に関する法律、法規および管理規定】 2006年1月28日、国家環境保護総局は『民用核施設安全監督管理条例実施細則その3――研究堆の安全許可証の申請および発行規定』を公布した。同日、国家環境保護総局および商務部は『放射性同位元素輸入制限目録』を公布した。2006年5月30日、国家環境保護総局および衛生部は『射線装置分類規則』を公布・実施した。2006年9月28日、国家環境保護総局は公安部、衛生部と合同で文書を発表し、放射性同位素および放射線装置放射線事故の分類処理ならびに報告制度を実施するよう求めた。
【核および放射線組織の設立】 2006年7月、国家環境保護総局は、東北核および放射線安全監督ステーション、西北核および放射線安全監督ステーションを設立し、また上海核および放射線安全監督ステーション、広東核および放射線安全監督ステーション、四川核および放射線安全監督ステーション、北方核および放射線安全監督ステーションなど6つの司局レベルの部門が設立した司法出張監督組織を拡張した。
【核燃料の安全監督と管理】 2006年、国家環境保護総局は、107の核燃料取り扱い事業所に放射線安全許可証を発行し、放射性同位素の輸出入審査書類を800部余り処理し、累計で2,600の核燃料を輸入した。通年全国では核燃料の紛失・盗難事件および制御不能による放射能漏れ事故が合計で23件発生した。そのうち重大事故は1件、比較的大きな事故は5件、一般規模の事故は17件で、事故により1人が放射能を浴びたが、環境に汚染の影響は出なかった。
コラム
全国環境保全科学技術大会
2006年8月18日と19日、全国環境保全科学技術大会が北京で召集され、曽培炎中国共産党中央政治局委員兼国務院副総理が大会に祝電を送り、顧秀蓮全国人民代表大会常務委員会副委員長、張榕明全国政協副主席、毛如柏全国人民代表大会環境と資源保護委員会主任委員および20名余りの部(委、局)責任者が会議に出席した。これは中国の環境保全史上初の環境保全科学技術大会であり、内容が豊富で、かつ影響力も大きい会議となった。
全国環境保全科学技術大会では、科学技術で環境保全を興す戦略、つまり科学技術イノベーションで環境保全の歴史的転換を促進し、科学技術で環境保全事業の分野を超えた発展を牽引することが確認された。また、水質汚染の抑制および処理という国家の重大な科学技術プロジェクトが始動した。さらに国家環境諮問委員会および国家環境保護総局科学技術委員会が設立され、最も広範な環境保全の「統一戦線」が形成された。『環境科学技術イノベーション能力の強化に関する若干の意見』の実施徹底に関して全面的準備がなされ、今後5~10年間の環境科学技術事業に関する指導理念、全体目標、主要任務および保障措施がさらに明確にされた。
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