草原

状況

中国の雑草地を含む各種天然草原の面積は約60億ムーで、世界第2位となっており、国土面積の41.7%を占める。

2006年、中国の草原保護制度の整備および草原牧畜業における生産方式の転換は顕著な成果が得られた。初歩的統計によると、2006年の全国の植草累計保存面積は4億ムー、草原の囲い設置面積は7億8,700万ムー、禁牧[1]、休牧[2]、輪牧[3]中の草原面積は13億ムーで、3,000万頭余りの家畜について、天然草原での放牧から畜舎飼い・囲い飼いへの転換が図られている。人工草地および飼育設備の整備強化などの措施を経て、「放牧禁止・飼育奨励、家畜削減・収入増加」という目標が初期段階で達成され、草原の植生は回復に転じ、草原牧畜業の持続可能な発展に比較的良好な基礎を築いた。

草原の生産力 2006年の草原モニタリングによると、全国の草原の牧草総生産量は9億4,313万t、乾草換算で約2億9,587万t、家畜収容力は約2億3,161万頭(羊換算頭数)で、前年に比べて0.6%増加した。牧草生産量のトップ10省(自治区)は、内モンゴル、新疆、青海、四川、チベット、雲南、黒竜江、甘粛、広西、湖北で、総生産量は2億1,123万tに達し、全国総生産量の71.4%を占める。

草原・家畜バランスのモニタリング結果によると、全国の天然草原における家畜収容力の超過率は、平均約34%に達している。六大牧畜業区の状況から見ると、生態整備プロジェクト地区以外では、程度は異なるものの依然として家畜収容力の超過が見られる。このうちチベットでは38%、内モンゴルで22%、新疆で39%、青海で39%、四川で40%、甘粛で40%超過している。牧畜業区、半農半牧業区の県(旗)の状況から見ると、全国266の牧畜業区、半農半牧業区の県(旗)のうち、204の県(旗)が家畜収容力の超過状態にあり、このうち牧畜業区の県で平均28%、半農半牧業区の県で平均42%超過している。

草原鼠害・虫害 2006年の草原の鼠害被害面積は5億6,000万ムーで、前年に比べて1.8%減少した。このうち、深刻な被害を受けた面積は3億800万ムーで、前年に比べて3.0%減少した。鼠害が比較的深刻な地域は、青海、内モンゴル、甘粛、四川、新疆、チベット、寧夏の7省(自治区)で、被害面積は合計4億9,900万ムー、全国の88.8%を占める。深刻な被害をもたらす鼠の種類には、主にナキウサギ、スナネズミ、モグラ、ノネズミ、ハタリスなどがある。2006年の鼠害の防除は累計8,600万ムーに達し、このうち草原鼠害緊急防除を達成したのは3,740万ムー、草原鼠害ゼロモデル区の整備は4,860万ムーとなった。

2006年の草原の虫害被害面積は2億5,200万ムーで、前年に比べて9.9%減少した。このうち、深刻な被害を受けた面積は1億900万ムーで、前年に比べて27.3%減少した。草原における虫害の発生が最も深刻な地域は内モンゴルで、被害面積1億200万ムー、全国総被害面積の40.5%を占める。次いで新疆、青海、甘粛の3省(自治区)、被害面積の合計は8,430万ムーだった。深刻な被害をもたらす主なものは、草原イナゴ、Leiometonon、草原毛虫、草原メイチュウ、Orgyia antiqua(毒蛾の一種)などがある。2006年の虫害の防除は累計5,700万ムーに達し、被害総面積の22.6%を占めた。このうち草原イナゴの防除は4,016万ムーで、草原イナゴによる被害面積の27.2%を占めた。

草原火災と雪害 2006年の全国における草原火災発生件数は350件に上った。このうち、草原火災[4]は312件、一般草原火災[5]は35件、重大草原火災[6]は2件、特大草原火災[7]は1件だった。草原被害面積は4万7,394ha、家畜の死傷は1,595頭、1人が負傷をし、死者はなかった。前年に比べて、草原火災が216件、草原被害面積が6,022ha減少し、過去最低水準だった。火災は主に河北、山西、内モンゴル、遼寧、吉林、黒竜江、四川、陝西、甘粛、青海、寧夏、新疆の12省(自治区)および新疆生産建設兵団で発生した。火災が最も深刻だったのは内モンゴル自治区で、合計32件の火災が発生(このうち特大火災が1件)、草原被害面積は3万3,800haで、全国草原被害面積の71.4%を占めた。次いで四川および黒竜江、草原被害面積はそれぞれ4,783ha、3,690haで、それぞれ全国草原被害面積の10.1%、7.8%を占めた。

2006年1月から2007年3月10日までの間で、内モンゴル、新疆、チベット、四川、青海、吉林、遼寧の7省(自治区)で比較的深刻な雪による災害が発生し、524万5,000人、1,263万4,600頭が被災、83万8,000頭の家畜が死亡し、直接経済損失は10億3,800万元に達した。

措置と行動

【草原の保護および造成】 2006年末現在、全国の植草累計保存面積は4億ムー、草原の囲い設置面積は7億8,700万ムー、禁牧[8]、休牧[9]、輪牧[10]中の草原面積は達13億ムーに達し、このうち寧夏回族自治区では既に全面禁牧を実現した。人工草地および飼育設備の整備強化などの措施を経て、3,000万頭余りの家畜について、天然草原での放牧から畜舎飼い・囲い飼いへの転換が図られ、「放牧禁止・飼育奨励、家畜削減・収入増加」という目標が初期段階で達成され、草原の植生は回復に転じた。

【草原法の執行】 2006年、草原法に関する違法案件の発生総件数は5,924件、このうち大案件は327件、犯罪となり司法機関によって処理された案件は31件だった。草原法違法案件の発生件数別では、草原の開墾に関する案件が依然として首位を占めており、草原の請負経営権をめぐる紛争案件が第2位、草原野生植物の乱採取案件が第3位で、草原の不法臨時占拠、草原での違法植樹、養魚場の開場、草原の不法占拠なども比較的大きな比重を占めている。

【草原保護整備利用の全体計画】 『全国草原保護整備利用全体計画』は既に国務院の認可を経て、農業部より正式に全国各地に公布された。計画では草原の保護・整備・利用の目標および主な問題について総括・分析を行い、草原の保護・整備・利用の指導的思想・目標任務を明らかにし、退牧還草[11]の強化、砂漠化草原に対する整備、西南溶岩地区の草地整備、草業における優良品種の開発、草原の防災・減災、草原自然保護区の建設、遊牧民の家屋、家畜小屋、牧草地の一体化、農業区の草地開発利用、牧畜区の水利、の草原保護建設9大事業を提示した。

【退牧還草事業】 2003年から2006年までの間、中央は合計71億元の資金を投入し、草原への囲い設置任務を4億4,000万ムー達成した。『北京・天津砂塵嵐発生源整備事業計画(2001-2010年)』を実施し、2006年までに中央は25億元を投資し、草原整備任務を3,514万1,800ムー達成した。2006年、国務院の認可を経て、国家発展改革委員会、国務院西部地区開発領導小組弁公室、財政部、農業部は、合同で西南岩溶地区の草地植生回復パイロット事業計画を下達し、貴州省の晴隆県、徳江県および雲南省の巧家県に資金1,576万元を投入、草地40万ムーの植生回復パイロット事業整備の任務を行った。

コラム

地熱および鉱泉水資源の保護

2006年、広東省の清遠、河北省の雄県、湖北省の咸寧、山東省の威海は「中国温泉郷」、陝西省の咸陽は「中国地熱の町」、湖北省の応城湯池温泉は「全国温泉開発利用モデル地区」とそれぞれ命名された。

鉱泉水資源の有効的な保護および管理のため、また、鉱泉水産業の発展をさらに推進するため、2006年に「鉱泉水の郷」モデル選定事業を始動した。四川省の什邡市、遼寧省の遼陽市弓長嶺区が「中国鉱泉水の郷」に選ばれた。

都市市政および公共インフラ建設

都市の給水・節水 2006年、通年の給水総量は541億㎥だった。このうち生産・運営用水が221億7,000万㎥で、給水総量の40.9%、公共サービス用水が63億7,000万㎥で、給水総量の11.8%、家庭用水が159億3,000万㎥で、給水総量の29.4%を占めた。用水利用人口は3億2,200万人、用水の普及率は86.53%だった。1人1日あたりの生活用水使用量は189.7ℓだった。2006年、全国の都市における節水量は48億2,000万㎥で、前年に比べて10億2,000万㎥増加した。工業用水の再利用率は82.2%で、ほぼ前年並みだった。

都市ガスおよび集中熱供給 2006年、人工ガス供給総量は296億5,000万㎥で、前年に比べて40億7,000万㎥増加、天然ガスの供給総量は244億4,000万㎥で、前年に比べて33億9,000万㎥増加、液化ガスの供給総量は1,262万3,000tで、前年に比べて40万3,000t増加した。ガスの利用人口は2億9,400万人、普及率は78.97%だった。2006年末、スチームによる熱供給能力は9万4,300t/h、温水による熱供給能力は21万7,200兆w、集中熱供給面積は26億6,000万㎡に達した。

都市の公共交通 2006年末、全国の都市が保有する公共バス、トロリーバス、地下鉄・路面電車等の台数は31万4,000台で、このうちトロリーバスが2,486台、天然ガス燃料車が3万8,716台、液化石油ガス燃料車が1万5,726台、地下鉄・路面電車等が2,764両だった。公共交通車両の標準台数換算値は33万7,000標準台数で、1万人あたりの公共交通車両保有台数は9.05標準台数、都市の公共交通の通年乗客輸送量はのべ646億7,000万人だった(タクシーを含む)。都市のフェリー保有数は621隻、乗客輸送量はのべ2億4,000万人だった。都市のタクシー台数は92万7,000台だった。

都市の市政および施設 2006年末、都市の道路は合計24万1,000㎞、道路面積は41億1,000万㎡だった。都市の1人あたりの道路面積は11.04㎡だった。都市の通年の汚水処理量は201億1,000万㎥、汚水処理率は57.1%で、前年比5.15ポイントアップだった。

都市の緑化 2006年末、市街地の緑化被覆面積は117万9,000haで、前年に比べて11.2%増加した。市街地の緑化被覆率は、前年の32.54%から35.1%にアップした。全国の都市における公園緑地面積は30万7,000haで、1人あたりの公園緑地は9.24㎡だった。

都市の環境衛生 2006年末、都市の道路清掃実施面積は32億6,000万㎡、このうち機械による清掃面積は7億6,000万㎡、機械清掃率は23.4%だった。通年での生活ゴミ、糞便の廃棄量は1億7,000万t、大・中都市のゴミ・糞便は基本的に毎日廃棄されている。

注:2006年より、都市建設に関する統計制度が改定された。①上記データは市街地一部のみを含み、独立した市政府管轄の鎮を含まない。②1人あたりの指標は市街地の戸籍人口に臨時住民の人口を加え算出した。

 
------------------------------------------------------------------

[1]放牧の禁止――訳注。

[2]放牧の一時休止――訳注。

[3]順番に放牧すること――訳注。

[4]火災による草原被害面積が100ha以下で、かつ直接経済損失が1万元以下の火災を指す――訳注。

[5]火災による草原被害面積が100ha以上2,000ha以下、または直接経済損失が1万元以上5万元以下、または重傷者が10人以下、または死亡者が3人以下、または死亡者・負傷者の合計が10人以下(うち、死亡者は3人以下)の火災を指す――訳注。

[6]火災による草原被害面積が2,000ha以上8,000ha以下、または直接経済損失が5万元以上50万元以下、または重傷者が10人以上20人以下、または死亡者が3人以上10人以下、または死亡者・負傷者の合計が10人以上20人以下(うち、死亡者は3人以上10人以下)の火災を指す――訳注。

[7]火災による草原被害面積が8,000ha以上、または直接経済損失が50万元以上、または重傷者が20人以上、または死亡者が10人以上、または死亡者・負傷者の合計が20人以上(うち、死亡者は10人以上)の火災を指す――訳注。

[8]放牧の禁止――訳注。

[9]放牧の一時休止――訳注。

[10]順番に放牧すること――訳注。

[11]草地での放牧を停止して草を育成すること――訳注。