気候と自然災害

気候状況

 2008年、中国の主な気候的特徴は冬が寒く、春秋は暖かく、夏は多雨であった。年間平均気温は1951年以来7番目に高く、連続12年の暖かい年で、年間平均降水量は多く、過去10年でもっとも雨が多い年であったが、季節的変化も大きかった。総体的には、2008年年初に南方が未曾有の雪害着氷で深刻な損失を被ったほか、全国の干ばつ被害面積は小さく、暴雨洪水の損失も軽く、光熱条件も総体的には農作物の生育に有利で、年間の気候状況は比較的良好であった。

降水分布 2008年、中国の年間平均降水量は651.3ミリメートル、例年より38.4ミリメートル多く、過去10年で降水がもっとも多い年であった。年間降水量の空間分布は不均一で、黄河以南のほとんどの地区および華北東部、東北東南部では一般的に500ミリ以上の降水がある一方、西北西部と東北部、華北西南部、東北北部、江南東部の一部地域の降水量は例年より少なく、中でも新彊の一部地域、甘粛西部などは例年より20~50%少なかった。内モンゴル西部、青海西部、チベット中部、広西中南部、広東西南部の降水量は20~50%多く、局部的には50%以上多かった。

気候分布 2008年の年間平均は9.6℃で、例年を0.7℃上回り、1951年以来7番目に気温が高く、また12年連続で暖かい年となった。全国のほとんどの地域で気温は高いか例年程度であり、うち東北中北部と内モンゴル東部、新彊北部と東部で1~2℃高かった。広西の気温が例年より低く、広東、海南で例年程度であった以外、その他各省(直轄市、自治区)の年間平均気温はいずれも例年より高く、中でも黒龍江の年間平均気温は史上最高値に次ぐ記録であった。


自然災害状況

気象災害 2008年は年初に南方が未曾有の雪害着氷の被害を受けて深刻な損失を被ったほかは、全国の干ばつ被害面積は小さく、暴雨洪水の損失も軽く、年間の気候状況は比較的良好であった。2008年、気象災害の直接的経済損失は3,100億元あまりで、1991年以来の平均レベルを上回り、中でも雪害着氷被害による損失は1,510億元に達し、2008年の気象災害損失総額の50%近くに達した。災害による死者は1,700人あまりで、過去10年間の平均と比べて明らかに減少した。全国農作物被災面積の統計によると、冷害着氷と雪害、干ばつが2008年の主な気象災害で、それぞれ被災面積全体の39%と30%を占めた。冷害着氷と雪害の割合は2007年を大きく上回った。

――冷害着氷と雪害 2008年、冷害着氷と雪害による農作物の被害面積は1,500万ヘクタール近く、直接的経済損失は1,590億元あまりであった。とくに年初に南方が遭遇した雪害着氷による経済的損失は大きく、被災者数も過去50年間の同類災害の中でもっとも多く、2008年の各種気象災害でも最多であった。
 1月10日から2月2日、中国の大部分、とくに南方地区で連続4回の低温と雪害着氷に見舞われた。温度が大幅に低下し、降雪量は異常に多く、持続時間が長く、その影響は全国3分の2の省(直轄市、自治区)に及んだ。華南南部、東北、雲南中部を除く全国ほとんどの地域で氷結が見られ、交通輸送、電力輸送、通信施設、農業および公衆の生活に深刻な影響と損失を与えた。農作物の被災面積は1,100万ヘクタールあまり、被災人口1億人あまりに達し、直接的経済損失は1,500億元を超えるとともに、電力輸送にも深刻な被害が及んだ。

――暴雨洪水 2008年初夏、珠江流域と湘江上流で深刻な洪水災害が発生した。盛夏には長江中上流と淮河流域で強い降水があり、局地的暴雨による災害が発生した。秋季には、南方で1951年以来最大の秋雨が発生し、一部地区では秋季洪水と地滑り、土石流など地質災害が発生した。9月には四川大地震被災区が暴雨、地滑り、土石流に見舞われた。全体的に見て、2008年は中国では大きな範囲に及ぶ深刻な暴雨洪水災害はないものの、局地的暴雨洪水が頻発し、山間部の洪水被害が目立った。過去10年の被災状況と比べ、暴雨洪水の経済的損失は軽く、死者の数も少なかった。

――干ばつ 2008年、東北、華北などで冬季春季連続の深刻な干ばつが発生し、西北、華北では夏季に断続的気象干ばつが出現した。全体的には、北方の一部地区での断続的干ばつ、深刻な局地的干ばつの発生以外、その他ほとんどの地域では大きな範囲に及ぶ連続性の深刻な干ばつはなく、干ばつの被害範囲も小さく、被災状況は軽かった。

――砂塵嵐 2008年春、中国北方の砂塵平均日数は1.7日で、例年同期(平均5.5日)と比べて3.8日少なかった。1961年以来、春季砂塵日数は2005年(1.4日)に次いで2番目に少ない年となった。中国北方地区では春季に合計9回の砂塵気象が発生し、例年同期(2000~2007年の平均13.8回)に比べ明らかに少なかった。うち1回は強い砂塵嵐、6回は砂塵嵐、2回が揚砂(黄砂)気象であった。前年春と比べ、砂塵の回数は明らかに減少し、その強度も弱かった。

――熱帯低気圧と落雷 2008年春、例年より3回多い10回の熱帯低気圧(中心付近の最大風力8級以上)が中国に上陸した。台風の上陸時期は早く、上陸の割合も史上最高であり、また上陸の強度も強く(6回が上陸時に台風以上の強度)、上陸期間が集中したが、影響範囲は小さい(主に沿海省が影響を受け、内陸に至るものは少ない)という特徴があった。死者は合計170人あまり(行方不明者を含む)、直接的経済損失は320億元あまりで、経済的損失は過去10年間の平均レベルより軽く、死者数も過去10年間の平均値より少なかった。局地的に強い対流が頻発し、湖北、甘粛、河北、湖南省で深刻な被害が発生して死者56人を出した。落雷による死傷者数は前年より明らかに少なかった。

地震災害 中国国内でマグニチュード5以上の地震は合計99回発生し、うちマグニチュード8.0以上の地震が1回、7.0~7.9が1回、6.0~6.9が19回、5.0~5.9が78回であった。大陸地域での発生は87回、海域と台湾地域での発生が12回であった。四川大地震ではマグニチュード8.0以上の地震が1回、6.0~6.9が8回、5.0~5.9が34回で、年間の大陸でのマグニチュード5.0以上の地震発生回数の半分を占めた。
 中国大陸地域では17回の地震による被災があった。中でもマグニチュード8.0の四川大地震は中国の過去30年間でもっとも深刻な地震災害で、過去10年間でもっとも大きな自然災害であり、破壊力が強く、震度はXIに達し、全国各地、南アジア、東南アジアなどでも揺れを感じた。四川、甘粛、陝西、重慶、雲南、寧夏なども異なる程度で被災し、244県(市、区)、5,176郷(鎮)に及び、被災面積は44.04万平方キロメートル、被災区の人口は10,487.22万人で、うち7万人近くが死亡、37万人あまりが負傷、2万人近くが行方不明となり、被災者は3,362.37万人、地震による直接的経済損失は8,523億元にのぼった。
 その他16回の地震災害では、合計死者56人、負傷者1,227人で、約243.53万人が被災し、被災面積は約60,841平方キロメートル、直接的経済損失は71.87億元にのぼった。

地質災害 各種地質災害は合計2.7万回発生し、死傷者は1,598人、うち死者656人、行方不明者101人で、直接的経済損失は32.7億元である。地質災害の回避に成功したのは478回で、2.1万人を安全に避難させ、直接的経済損失3.2億元を免れた。

海洋災害 2008年、高潮、高波、海氷、赤潮およびその他海洋災害が合計134回発生したが、津波による災害はなかった。海洋災害の直接的経済損失は206.05億元、死者(行方不明者を含む)152人であった。うち高潮による災害は25回、直接的経済損失は192.24億元、死者(行方不明者を含む)56人であった。高波による災害は33回、直接的経済損失は0.55億元、死者(行方不明者を含む)96人であった。海氷による災害は例年より軽く、直接的経済損失は0.02億元、赤潮による災害は68回、直接的経済損失は0.02億元、塩水浸入は8件であった。

措置と行動

【気象災害の緊急処置と多部門連動の強化】 国務院の関連部・委員会は気象災害の緊急連動、共同防御を展開した。中国気象局は交通、水利、農業などの部門と協力し、交通輸送、洪水・干ばつ対策、農業生産サービスなどに対する気象の職能と役割を十分発揮させ、緊急予備案の発動提案を適時提出し、緊急事態における情報総括、総合調整、処置サービスに取り組んだ。中国気象局が発動した緊急対応は15回、緊急対応時間は合計113日に達し、全国15省に及んだ。気象部門と各地政府の積極的な努力によって、雪害着氷、台風、強雨、落雷などの気象災害がもたらす死傷者と財産の損失は有効に減少した。

【中華人民共和国地震対策・災害緩和法の改正】 2008年12月27日、第11期全国人民代表大会常務委員会第6回会議で改正後の「中華人民共和国地震対策・災害緩和法」が審議承認された。新たに条文45条が加わり、40条あまりが改訂され、四川大地震の被災経験を十分生かし、地震対策・災害緩和計画、地震モニタリング予報、地震発生時の緊急救援、震災後の復興などの内容について改正、整備した。

【地震モニタリングネットワークと緊急指揮技術システムの構築】 中国地震データ観測ネットワーク事業の検査引取に伴い、国家地震観測台ネットワークの地点は48ヵ所から150ヵ所に増え、地域のネットワークも21から31に拡大、大陸地域の90%以上の地区における平均モニタリング能力は4.5級から3.0級となり、中国の大部分の地震重点監視防御区、人口が密集する主要都市および東部沿海地域の地震モニタリング能力は2.0級に達した。ネットワーク内の地震速報時間は12分に短縮された。ひとつの国務院地震対策指揮部地震緊急指揮技術システム、15の1類区域地震緊急指揮技術システム、16の2類区域地震緊急指揮技術システム、21の地震現場流動緊急指揮技術システム、60の重点都市地震緊急意思決定反応システム、30の地域地震緊急物資貯蔵庫が設置され、全国一体化、明確なレベル分け、相互協力の中国地震緊急指揮技術システムがおおよそ形成された。

注:本公報で触れる全国的データは、行政区画、国土面積、地震災害以外はいずれも台湾、香港・マカオ特別行政区を含まない。