重点地域の汚染対策

近年、中国政府は「三河(淮河、遼河、海河)」、「三湖(太湖、滇池、巣湖)」、国家重点事業(三峡ダム事業、南水北調事業)、「両控区(二酸化硫黄規制区・酸性雨規制区)」、「一市(北京市)」、「一海(渤海)」を全国汚染対策の重点地域としており、顕著な成果を上げている。

——重点流域の水質汚濁防止。「三河」、「三湖」流域面積は81万㎢に達し、全国14の省(直轄市)に跨っており、居住人口は3億6,000万人に上る。国家は重点流域「第9次5ヵ年計画」、「第10次5ヵ年計画(2001~2005年)」水質汚濁防止計画を制定及び実施し、汚染物質総量規制制度を実行して、総量削減指標を汚染物質排出組織に徹底させ、汚染物質排出許可証管理方式を徐々に整備するとともに、重点整備事業プロジェクトの建設を行なった。2005年末までに、重点流域水質汚濁防止「第10次5ヵ年計画」に盛り込まれた2,130件のプロジェクトのうち、既に1,378件が完成しており、これはプロジェクト総数の65%を占める。「三河」、「三湖」流域における完工済み及び建設中の汚水処理場は416ヵ所に上り、1日当たりの処理能力は2,093万tとなっている。流域内の5,000社余りの重点汚染企業のうち、既に80%以上が排出基準をを達成している。現在、流域水の汚染物質は大幅に削減されており、水環境の悪化傾向は基本的に歯止めがかかっており、一部の河川区間及び湖沼水域の水質は顕著に改善されている。国家は181億6,700万元を三峡ダム地区及びその上流に投入し、都市部の汚水、ゴミ処理施設を建設して、ダム底の固形廃棄物を取り除き、ダム地区の水質安全を保証している。

——「両控区」の汚染対策。1998年、中国政府は酸性雨規制区及び二酸化硫黄規制区の画定を認可した。これは27の省、自治区、直轄市の175の都市・地区に及び、総面積は約109万㎢に達する。国家は「両控区」においてエネルギー構造調整を行い、クリーン燃料及び低硫黄炭の普及を図り、大・中都市において民間用のかまどによる少量の石炭の燃焼を禁止した。2005年に二酸化硫黄規制区内で二酸化硫黄の年平均濃度基準を達成した都市の比率は、1998年の32.8%から45.2%まで増加した。2005年、酸性雨規制区内で二酸化硫黄の年間平均濃度が国家3級基準を超過した都市の比率は15.7%から4.5%まで減少した。

——北京市の大気汚染対策。1998年から、北京市は大気汚染対策措置を継続して実施している。天然ガス、電気暖房、大地熱源ヒートポンプ、建築省エネなど、クリーンエネルギー利用技術及び省エネ技術のより一層の普及を図っており、2005年までに、北京市の天然ガス使用量は32億㎥に達し、都市の集中熱供給面積は1億㎡以上に達している。自動車排ガス管理を厳格に行い、使用中の自動車に対して環境ラベル管理を行い、排出量・排出濃度が高く、排出について安定性に欠ける自動車に対しては走行規制措置を講じ、老朽自動車30万台余りを淘汰し、天然ガス公共バス2,800台を投入した。2005年、国家第3段階排ガス基準(排ガス基準ユーロ3に相当)を前倒しして実施した。施工現場の環境保護基準の修正と整備を行い、建築現場の管理を強化し、機械による道路の清掃、洗い流し、噴霧による塵の押えつけなどの作業の監督検査を強化するとともに、市街区の100余りの汚染企業について、閉鎖・移転を実施し、全市のセメントシャフトキルン生産ラインをすべて停止した。積極的な対策の結果、北京市の大気環境質が2級または2級以上の日数は、1998年の100日から、2005年には234日まで増加、各種の大気汚染物質濃度は全体的に減少し、大気質に顕著な改善が見られた。

——渤海の汚染対策。2001年、中国政府は『渤海碧海行動計画』を承認した。2005年末までに、既に完成している各種の渤海汚染対策環境保護建設プロジェクトは166件、建設中のプロジェクトは70件に上り、投資額は175億元に達している。このうち新たに建設された都市汚水処理場は44ヵ所、1日当たりの汚水処理能力は355万3,000tとなっており、新たに建設された都市ゴミ処理場は18ヵ所、1日当たりのゴミ処理能力は7,000t余りとなっている。新たに実施された環境保護型農業、環境保護型養殖プロジェクトは89件、新たに実施された船舶港湾及び油流出対応プロジェクトは9件を数え、渤海海域環境の継続的な悪化傾向について、初歩的に歯止めがかかった。