環境影響評価制度

環境影響評価制度は、環境汚染や生態系の破壊を発生源から制御する法的手段である。1998年、中国政府は『建設プロジェクト環境保護管理条例』を発布・施行し、環境影響評価制度と、建設プロジェクト環境保護施設の同時設計、同時施工、同時操業という「三同時」制度を明確に示した。2003年に実施が始まった『中華人民共和国環境影響評価法』は、環境影響評価制度を建設プロジェクトから各種開発建設計画にまで拡大するものである。国家は環境影響評価エンジニア職業資格制度を実施し、専門技術者から成る評価チームを編成している。

全国146万件余りの建設プロジェクトについて、環境影響評価制度が既に実施されており、63万件余りの新規建設プロジェクトについて、「三同時」制度が実施されている。環境影響評価の執行率と「三同時」の執行率はそれぞれ99.3%、96.4%に達しており、「三同時」合格率は95.7%となっている。1996年以来、全国のプロジェクト建設投資総額は26兆9,980億元、環境保護投資総額は1兆2,306億元にそれぞれ達しており、毎年上昇傾向にある。環境影響評価制度の実施を通じて、工業系プロジェクトは「増産しても汚染は増えない」または「増産しても汚染は減少」を実現した。環境に関する敏感な問題に関わる重要な生態系プロジェクトは、場所、ライン、事業案の調整などを通じて、新たな生態系の破壊を効果的に防止している。2005年、総投資額1,179億4,000元に達する違法建設プロジェクト30件について、公開差し止めを行い、2006年2月、投資額約290億元に達する「三同時」制度に違反した10件の建設プロジェクトに対して処分を行った。

国家環境保護部門は内モンゴル、新疆、広西、大連市、武漢市の5つの行政区、鉄道及び石油化学工業界、及び寧夏寧東石炭化学工業基地計画、上海市都市レール交通ネットワーク計画を第一弾の戦略的環境影響評価パイロットプロジェクトとした。《全国森林・製紙一体化事業建設特別計画》の環境影響評価活動を完了した。タリム河流域、瀾滄江(メコン河)中・下流、四川・大渡河、雅礱江上流、沅水流域などの流域開発利用計画に対する環境影響評価を展開した。このうち、怒江流域の水力発電開発に関する戦略的環境影響評価について、段階ごとの開発案の配置、規模、方式、開発の時系列などの面における環境影響程度を比較し、同計画における環境に対する影響の予防及び軽減措置を提示した。大渡河流域水力発電の開発計画の各段階における環境影響評価では、環境と開発の両立が十分に考慮され、流域資源開発・環境保護の全体計画において、水没予定地39㎞の削減、水没予定耕地1,867haの削減、水没が予定されていた県政府所在地2ヵ所の削減、移民人口8万5,000人の削減が示された。国家は水力発電建設の秩序ある発展を積極的に推進しており、エネルギー発展戦略及び電力発展方針について、水力発電の積極的な開発から、生態環境の保護をベースとした、秩序ある開発の展開という方向へと調整を行なっている。