環境保護をめぐる科学技術、産業及び公衆参加

中国は科学技術の環境保護へのサポート能力を重視し、絶えず向上を図っており、環境保護産業化プロセスの積極的な推進、各種措置の採用によって、公衆の環境保護への参加を促進している。

——環境保護をめぐる科学研究。「第10次5ヵ年計画」期間中、国家の重大科学技術特定テーマ「水汚染抑制技術・整備事業」を実施し、湖沼汚染対策と生態修復、都市の水環境質の改善、飲料水の安全保障、新型廃水処理など水汚染抑制技術の研究開発と試行を展開し、中国の水質汚濁防止のために実行可能な技術プラン及び関連技術体系を提供した。環境モニタリング技術と設備の開発を行い、さまざまな技術と設備について、実用化、応用が実現した。自動車排ガスの浄化、石炭燃焼ボイラー排気の脱硫、固形廃棄物処理、重点業界のクリーナープロダクションなどをめぐるコア技術の研究開発と事業モデルを展開し、自主的知的財産権を有する高い技術と設備を開発した。国家科学技術難関突破計画において、重大環境問題の対策及び要となるサポート技術の研究プロジェクトのうち、環境保護戦略及び技術政策、循環経済理論とエコ工業技術、化学品抑制技術、汚染場所の修復技術などの面で研究を展開し、中国のグリーンGDP計算体系の枠組みが初歩的に構築された。西部生態系総合評価、生態機能区画、脆弱生態区の回復と再建などの研究を行い、多くの西部生態脆弱区整備技術モデルを形成し、規模化モデルの普及を実現した。全国外来侵入種調査を完了、中国生物多様性データベースを構築した。『国家環境・健康行動計画』を制定し、一部の重点地域で環境健康調査活動を展開した。地球規模の環境変動の研究を積極的に展開し、『気候変動国家評価報告』を作成し、国家の地球環境変動対応政策の制定、及び関連する国際条約会議の参加に向けて科学的根拠を提供した。

——環境保護産業。長年の実践の結果、中国では既に産業分類が基本的に充実しており、一定の経済規模を持つ環境保護産業体系、環境保護製品生産分野及びサービス業が比較的発展しており、資源の総合利用及びクリーン技術製品分野が急速に発展している。2004年末現在、全国の環境保護産業のうち、年間売上高が200万元以上の規模の事業者は1万1,623社、従業員数は159万5,000人に上り、業界全体の年間収入は4,572億1,000万元で、393億9,000万元の利益を達成している。

——公衆参加。中国政府は条件の創造に努め、公衆による環境保護活動への参加を奨励している。環境影響評価法は公衆の参加について制度的な規定を定めており、環境に悪影響を及ぼす可能性がある計画またはプロジェクト建設については、論証会、公聴会或いはその他の形式を通じて、関係機関、専門家、公衆の環境影響評価報告書に対する意見を求めるよう要求している。2006年2月、国家環境保護部門は『環境影響評価公衆参加暫定規則』を発布し、公衆が参加する環境影響評価の範囲、プロセス、実施形式などの内容を詳細に規定した。民間組織及び環境保護ボランティアは環境保護における公衆参加の重要な力であり、中国には現在までに1,000団体余りの環境NGOが存在している。

——広報・啓蒙。環境保護広報・啓蒙を強化するため、国家は『全国環境広報・啓蒙行動要綱(1996~2010年)』及び『2001~2005年全国環境広報・啓蒙活動要綱』を制定した。2001年、第4次5ヵ年法律普及計画の実施を開始し、環境保護に関する法律・法規の広報・啓蒙を国民全体に向けた法制度の広報・啓蒙における重要な内容とするとともに、環境保護に関する法律・法規を年度法制度教育計画に盛り込んだ。年に一度の「6.5」の「世界環境デー」には、全国規模の環境広報・啓蒙活動を展開している。グリーンコミュニティー、グリーンスクール、グリーン家庭創設活動を展開、現在までに全国の2,348のコミュニティがグリーンコミュニティー創設活動に参加しており、2万5,000余りの小・中学校、中等職業学校、幼稚園がグリーンスクール創設活動に参加、100のグリーン家庭が表彰されている。「母なる河を守る」、「グリーン公約」、「毎日が環境保護」、「生態系の監視・保護」などの実践活動を通じて、多くの青少年を対象として生態環境道徳教育を実施し、彼らの環境保護意識の増強を図った。グリーン中国フォーラム、中国環境文化祭などの活動を開催し、環境知識の研修を行い、公衆が環境問題の討論に参加するように促し、「一人一人が参加し、共に緑の故郷を創造する」という社会的ムードを醸成した。

——環境情報の公開。2005年末現在、全国のすべての地区級以上の都市で都市大気質自動モニタリングを実現、大気質日報の発行が行なわれている。重点流域水質モニタリングを展開し、十大流域水質月報及び水質自動モニタリング週報を発行している。南水北調東ライン水質モニタリング活動を定期的に展開し、113の環境保護重点都市において集中型飲料水源地水質モニタリング月報を展開している。環境質四半期分析制度を構築し、環境質情報を適時発行している。各級政府及び環境保護部門は定期または不定期にプレスカンファレンスを開き、環境状況、重要な政策・措置、突発環境事件、違法・規定違反事件などを適時報告し、社会各界の環境保護をめぐる知る権利を保障し、公衆の環境保護への参加を促進している。

——公衆環境権益の保護。2005年末までに、全国の4つの直轄市、312の地区級市、374の県級市、677の県において環境保護苦情ホットラインが開通、全国の69.4%の県級以上の行政区をカバーしている。2003年以来、全国各級の環境保護部門が環境保護ホットラインを通じて受理した環境汚染に関する苦情は114万8,000件に上り、解決率は97%前後、主要都市における環境苦情処理満足度は80%前後となっている。公衆の環境意識及び環境質に対する要求の絶え間ない向上に伴い、環境権益が侵害されたと訴える投書・訪問件数が毎年増加している。2001~2005年、各級政府環境保護部門が処理した公衆からの手紙は253万通余りに上り、民衆の訪問回数は43万回余り、延べ59万7,000人余りに達し、全国人民大会代表の提案673件、全国政治協商会議委員の提案521件を受理している。